非同期転送モード(ATM) : ATM シグナリング

ルータの ATM インターフェイス上の SSCOP メッセージについて

2005 年 6 月 5 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2007 年 11 月 15 日) | フィードバック

目次

概要
前提条件
      要件
      使用するコンポーネント
      表記法
QSAAL プロトコル スタックについて
SSCOP とは
SSCOP トレーラについて
SSCOP のメッセージまたは PDU
SSCOP タイマー
SSCOP のシーケンス番号
デバッグの出力例
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

プロトコルとは、一般に 2 つのデバイス間の通信のルールと定義されます。 シグナリング プロトコルは、ユーザ データを伝送するためにシグナリング メッセージを使用してオンデマンド回線または Switched Virtual Circuits(SVC; 相手先選択接続)を作成する 2 つの ATM インターフェイス間の通信ルールを定義します。ATM インターフェイスは、実際には Q.2931 User-Network Interface(UNI; ユーザネットワーク インターフェイス)プロトコルおよび特殊な Signaling ATM Adaptation Layer(SAAL)からの「ユーザ」のシグナリング メッセージを含んだシグナリング プロトコル スタックをサポートします。 SAAL は Service-Specific Connection-Oriented Protocol(SSCOP)と Service-Specific Coordination Function(SSCF)で構成されます。

ATM シグナリングには確かに頭文字用語が多く出て来るので、SSCOP が実際には UNI を通じてシグナリング メッセージを運ぶという単純なタスクを行うだけでも、SSCOP が複雑に見える場合があります。

SSCOP を理解することは、LAN Emulation(LANE; LAN エミュレーション)クライアントに予期せぬ状態変更が起こったときにその理由を調査するための重要なトラブルシューティング ツールとなり得ます。 このような変更が発生すると、ルータは下のメッセージをログに出力します。

注:スペースの制約上、出力を複数行で表示します。

 Aug 25 18:32:59.973 MEST: %LANE-5-UPDOWN: ATM0.1 elan default: 
  LE Client changed state to down 
 Aug 25 18:32:59.981 MEST: %LANE-5-UPDOWN: ATM0.39 elan admin: 
  LE Client changed state to down
 

このドキュメントでは、SSCOP の理論を端的に説明します。 SSCOP の Protocol Data Units(PDU; プロトコル データ ユニット)、シーケンス番号、および状態変数を簡単な表で説明します。次に、debug sscop events コマンドの出力を示し、シスコ製ルータで PDU、番号、および変数がどのように現れるかを説明します。

注:このドキュメントは、UNI のユーザ側として動作するシスコ製ルータに焦点を当てています。 Network-to-Network Interface(NNI; ネットワーク間インターフェイス)のシグナリングは扱っていません。

前提条件

要件

このドキュメントに関する特別な要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

QSAAL プロトコル スタックについて

ATM はプロトコルであり、プロトコル スタックでもあります。下の図で、シグナリングとネットワーク管理をサポートする ATM インターフェイスで、3 つのプロトコル スタックがどのように並行して動作しているかに注目してください。 インターフェイスがうまく動作するために、各プロトコル スタックは異なった機能を提供しています。

コントロール プレーン ユーザ プレーン 管理プレーン

Q.2931 UNI シグナリング

音声、ビデオ、またはデータ

Integrated Local Management Interface(ILMI; 統合ローカル管理インターフェイス)

SAAL

SSCF 

ATM Adaptation Layer(AAL; ATM アダプテーション層)

AAL

SSCOP

Common Part Convergence Sublayer(CPCS; コンバージェンス サブレイヤ共通部)

ATM 層

物理層 - SONET/SDH(Synchronous Digital Hierarchy)、DS3、E3、T1 等


ユーザ プレーンでは、最も一般的な AAL は 8 バイトのトレーラを提供する AAL5 です。SAAL は AAL5 の変形です。その違いは、SSCOP と SSCF で構成される Service Specific Convergence Sublayer(SSCS; サービス固有コンバージェンス サブレイヤ)にあります。 次の図で、これらのレイヤを説明します。

 --------------------------------------------- 
 |              "User Data" Q.2931           | 
 ------------------------------------------------------- 
 |   Service Specific Convergence Sublayer   |         | 
 |        Consists of SSCOP and SSCF         |   SAAL  | 
 ---------------------------------------------  Layer  | 
 |                     CPCS                  |         | 
 ------------------------------------------------------- 
 |                     ATM                   | 
 --------------------------------------------- 
 |                     PHY                   | 
 ---------------------------------------------
 

ATM インターフェイスは、「アウトオブバンド」、つまり通常のデータ接続の帯域幅外でシグナリング メッセージを送信します。ATM インターフェイスは、特殊な Q.2931 SAAL(QSAAL)カプセル化タイプで設定される専用の Permanent Virtual Connection(PVC; 相手先固定接続)を使用します。

QSAAL PVC を設定するには、ATM ルータ インターフェイスで pvc vpi/vci コマンドを発行します。

 7500-3.4(config)# interface atm 3/0 
 7500-3.4(config-if)# pvc 0/5 ? 
   ilmi   Configure the management PVC for this interface 
   qsaal  Configure the signaling PVC for this interface 
   <cr> 7500-3.4(config-if)# pvc 0/5 qsaal
 

シスコの ATM スイッチでは、各インターフェイスに QSAAL PVC が事前に設定されています。このデフォルト設定を確認するには、show atm vc interface atm コマンドを発行します。

 ls1010-2# show atm vc interface atm 0/0/2 
 Interface    VPI   VCI   Type    X-Interface  X-VPI X-VCI  Encap Status 
 ATM0/0/2     0     5      PVC     ATM2/0/0     0     45    QSAAL  UP 
 ATM0/0/2     0     16     PVC     ATM2/0/0     0     37    ILMI   UP
 

SSCOP は、International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector(ITU-T; 国際電気通信連合電気通信標準化部門)における複数の勧告の中で定義されています。Q.2110 勧告は、ATM ルータ インターフェイスにおける SSCOP 関連問題のトラブルシューティングに関する情報を提供します。

  • Q.2100 leavingcisco.com - SAAL の構造を定義しています。

  • Q.2110 leavingcisco.com - SSCOP をプロトコル エンティティとして定義しています。

  • Q.2130 leavingcisco.com - UNI インターフェイスの SSCF を定義しています。

  • Q.2140 leavingcisco.com - NNI インターフェイスの SSCF を定義しています。

  • I.363 leavingcisco.com - CPCS を定義しています。

注:UNI インターフェイスと NNI インターフェイスでは、異なるバージョンの SSCF を使用しています。NNI はこのドキュメントでは扱いません。

SSCOP とは

SSCOP は、シグナリング プロトコル スタックの上位レイヤであるシグナリング プロトコルに対し、保証されたインシーケンスのメッセージ配信を提供するトランスポート プロトコルです。SSCOP は、フロー制御、管理プレーンへのエラー報告、およびキープアライブ機能も実行します。

次の表は、SSCOP が ATM インターフェイスに提供する多数の重要な機能を説明したものです。

機能 説明

インシーケンスで信頼性の高いシグナリング メッセージの配信

UNI Q.2931 プロトコルによって生成されるシグナリング メッセージは、シグナリング スタック内に「ユーザ データ」を構成します。 SSCOP は、これらのメッセージの順序をシーケンス番号と選択的な再送信により保持します。 SSCOP は、シグナリング メッセージの内容自体のチェックは行いません。

フロー制御

ピア ATM インターフェイスが SSCOP メッセージを送信する際のレート制限を設定します。

エラー報告

SSCOP 自体の動作エラーを検出し、レポートします。

キープアライブ

特にシグナリング メッセージが送信されていない時間に、両端および接続自体が稼働状態でアクティブであることを確認するため、定期的に POLL メッセージを交換します。

ローカル データの取得

ピア ATM インターフェイスによって「リリース」または確認応答されていないシグナリング メッセージの(show sscop コマンドで表示可能な)統計情報を管理します。

ステータス レポート

管理プレーンへの情報を含む、ステータス情報を伝えるメッセージを提供します。


SSCOP トレーラについて

ATM UNI インターフェイスでは、シグナリング プロトコルに Q.2931 が使用されます。 SSCOP は、Q.2931 メッセージを 4 バイトの倍数に収め、その後に SSCOP 固有の情報を常に 4 バイトの倍数のトレーラとして追加します。

 +------------------------------------------------+ 
 |  Q.2931 Signalling Messages    | SSCOP Trailer | 
 +---------------------------------------------------------------+ 
 |       AAL5 CPCS Service Data Unit (SDU)        | AAL5 Trailer | 
 +---------------------------------------------------------------+ 
 

SSCOP トレーラの内容は PDU のタイプによって異なりますが、それについては次のセクション「SSCOP のメッセージまたは PDU」で説明します。 次の図は、POLL PDU の SSCOP トレーラのフォーマットを示しています。

 --------------------------------------------------- 
 | Reserved |                 N(PS)                | 
 --------------------------------------------------- 
 | Reserved | PDU Type |           N(S)            | 
 --------------------------------------------------- 
 

SSCOP のメッセージまたは PDU

SSCOP は 15 のメッセージタイプまたは PDU を使用して、多数の機能を実行します。show sscop コマンドにより、送受信された各 PDU 数に関する統計情報が表示されます。 次の出力例では、ATM インターフェイス 3/0 は PDU を 11 送受信しており、その中には 8 つの POLL PDU と 1 つの BEGIN PDU が含まれています。

 7500# show sscop atm 3/0 
 SSCOP details for interface ATM3/0 
    Current State = Active,   Uni version = 4.0 
    [output omitted] 
    Statistics - 
       Pdu's Sent = 11, Pdu's Received = 11, Pdu's Ignored = 0 
       Begin = 1/1, Begin Ack = 1/1, Begin Reject = 0/0 
       End = 1/0, End Ack = 0/1 
       Resync = 0/0, Resync Ack = 0/0 
       Sequenced Data = 0/0, Sequenced Poll Data = 0/0 
       Poll = 8/8, Stat = 8/8, Unsolicited Stat = 0/0 
       Unassured Data = 0/0, Mgmt Data = 0/0, Unknown Pdu's = 0 
       Error Recovery/Ack = 0/0, lack of credit 0
 

次の表は、SSCOP のメッセージを機能によって分類したものです。

Error Recovery Acknowledgment

機能 メッセージ
の略語
メッセージ名 説明

接続の確立

BGN

Begin

2 つの ATM インターフェイス間の SSCOP 接続プロセスを開始します。 ピアのバッファ、および送受信の各カウンタを初期化します。

BGAK

Begin Acknowledgment

ピアの接続要求に確認応答します。

BGREJ

Begin Reject

ピアの接続要求を拒否します。ピアは BGN PDU を再送信し、接続の開始を続行します。

接続のティアダウン

END

End

2 つのピア ATM デバイス間の接続を解放します。

ENDAK

End Acknowledgment

解放要求を確認します。

再同期

RS

Resynchronization

メッセージ バッファのほか、トランスミッタとレシーバの状態変数やカウンタを再同期します。

RSAK

Resynchronization Acknowledgment

再同期要求に確認応答します。

エラー回復

ER

Error Recovery

アクティブな接続で発生するエラーから回復します。 

ERAK

エラー回復期要求に確認応答します。

保証されたデータ転送

SD

Sequenced Data

UNI Q.2931 シグナリング プロトコルからピアへ「ユーザ」メッセージを転送します。

POLL

Status Request

ピアに関するステータス情報を要求します。

STAT

Solicited Status Response

POLL PDU への応答を表します。正常に行われた SD PDU の受信に関する情報、最後の POLL PDU のシーケンス番号を提供します。 これには、確認応答の前にピアがさらにいくつメッセージを送信できるか、またはできないかを示すクレジットの値も含まれます。

USTAT

Unsolicited Status Response

他の PDU のシーケンス番号を分析することによって検出された、消失した PDU を伝えます。

保証されていないデータ転送

UD

Unnumbered Data

ピア間で「ユーザ」メッセージを送信します。 シーケンス番号は含まれず、通知なしに失われる場合があります。

管理データの転送

MD

Management Data

管理プレーンへ管理情報を送信します。 シーケンス番号は含まれず、通知なしに失われる場合があります。


注: ITU-T Q.2110 勧告では、不明の PDU タイプ コードを持ち、32 ビットで整列されておらず、設定された PDU タイプの長さではない PDU は、無効な PDU と定義されています。

SSCOP タイマー

SSCOP は、アクティブになる前にプロトコル自体が複数の状態に遷移する状態マシンに従います。SSCOP の状態が遷移するタイミングは、5 つのタイマーによって(部分的に)制御されます。これらのタイマーを表示するには、インターフェイス設定モードで sscop コマンドを発行します。

 7200(config-if)# sscop ? 
    cc-timer          timer (in secs) to send BGN/END/RS/ER pdu at the 
                     connection control phase 
    idle-timer        timer (in secs) to send poll pdu at the idle phase 
    keepalive-timer   timer (in secs) to send poll pdu at the transient 
                      phase 
    noResponse-timer  timer (in secs) at lease one STAT PDU needs to be 
                      received 
    poll-timer        timer (in msecs) to send poll pdu at the active 
                      phase
 

次の表に、5 つの SSCOP タイマーの説明を示します。

タイマー 説明 デフォルト値

cc-timer

Connection Control(CC; 接続制御)は、2 つの ATM インターフェイス間の SSCOP 接続を確立し、解放し、再同期するための一連の処理です。 cc タイマーは、確認応答を待つ間の BGN、END、または RS PDU の再送信の周期を設定します。 max-cc 値は、リトライ回数を設定します。

1 秒(sec)

idle-timer

接続が安定していて、送信するデータ メッセージも未処理の確認応答もない場合、SSCOP はタイマーを keepalive から idle へ切り替えます。

10 秒

keepalive-timer

SD PDU が送信待ちのキューにないか、未処理の保留確認応答の SD PDU がない場合の、POLL PDU の送信周期の最大値を制御します。

5 秒

noResponse-timer

他の 2 つのタイマー(poll および keepalive)と並行して実行されます。POLL に対して少なくとも 1 つの STAT メッセージを受信する必要がある時間間隔の最大値を設定します。このタイマーが時間切れになると、接続が解除されます。

45 秒

poll-timer

SD PDU が送信待ちのキューにあるか、未処理の保留確認応答の SD PDU がある場合の、POLL PDU の送信周期の最大値を設定します。

1000 ミリ秒(msec)


SSCOP タイマーのデフォルト値を表示するには、show sscop atm コマンドを発行します。

 7500# show sscop atm 3/0 
 SSCOP details for interface ATM3/0 
    Current State = Idle,   Uni version = 4.0 
    Send Sequence Number: Current = 0,  Maximum = 30 
    Send Sequence Number Acked = 0 
    Rcv Sequence Number: Lower Edge = 0, Upper Edge = 0, Max = 30 
    Poll Sequence Number = 0, Poll Ack Sequence Number = 1 
    Vt(Pd) = 0   Vt(Sq) = 0 
    Timer_IDLE = 10 - Inactive 
    Timer_CC = 1 - Inactive 
    Timer_POLL = 1000 - Inactive 
    Timer_KEEPALIVE = 5 - Inactive 
    Timer_NO-RESPONSE = 45 - Inactive 
    Current Retry Count = 0, Maximum Retry Count = 10 
    

 !--- 出力を省略。
 
 

SSCOP のシーケンス番号

ATM インターフェイス上の SSCOP プロセスは、2 つのシーケンス番号、あるいは状態変数を追跡し、それらの値を実際の PDU のフィールドにマッピングします。特に、SD PDU と POLL PDU には連続的かつ独立して番号が与えられます。トランスミッタとレシーバは、シーケンス番号を状態変数として管理します。これらの変数は、その後実際のパラメータや SSCOP PDU のフィールドにマッピングされます。シーケンス番号の現在の値は、show sscop コマンドで表示できます。

 ATM# show sscop 
 SSCOP details for interface ATM0 
    Current State = Active,   Uni version = 3.1 
    Send Sequence Number: Current = 79,  Maximum = 109 
    Send Sequence Number Acked = 79 
    Rcv Sequence Number: Lower Edge = 93, Upper Edge = 93, Max = 123 
    Poll Sequence Number = 32597, Poll Ack Sequence Number = 32597 
    Vt(Pd) = 0   Vt(Sq) = 1 
    Timer_IDLE = 10 - Active 
   

 !--- 出力を省略。
 
 

次のセクションでは、状態変数と実際の PDU 番号について説明します。

トランスミッタの状態変数

ATM インターフェイスでは、VT で始まる送信側の状態変数のセットが保持されています。

状態変数 名前 説明

VT(S)

送信

SD PDU ごとに増分されるシーケンス番号。同じ SD PDU が再送信された場合は増分されません。

VT(PS)

Poll 送信

POLL PDU ごとに増分されるシーケンス番号。

VT(A)

確認応答

次に確認応答を受ける SD PDU のシーケンス番号。SD PDU が確認応答を受けるたびに増分されます。

VT(PA)

Poll の確認応答

POLL PDU への確認応答として次に受信される STAT PDU のシーケンス番号。

VT(MS)

最大送信

送信インターフェイスが、次のいずれかの PDU を受け取ることなく送信できる(さらにレシーバが受け取る)PDU のシーケンス番号の最大値。 USTAT、STAT、BGN、BGAK、RS、RSAK、ER、または ERAK PDU。 つまり、VT(MS) は送信ウィンドウのサイズを定義します。 VT(S) は、VT(MS) を超えないようにします。

VT(PD)

Poll のデータ

2 つの POLL PDU 間で送信される SD PDU の数。 SD PDU が送信されると増分され、POLL PDU が送信されるとゼロにリセットされます。

VT(CC)

接続制御

確認応答を受けていない BGN、END、ER、または RS PDU の数。 ATM インターフェイスがプロトコル エラーに対して END PDU を送信すると、SSCOP は直接アイドル状態に遷移し、VT(CC) 値を増分しません。

VT(SQ)

トランスミッタの接続シーケンス

再送信された BGN、ER、および RS PDU を識別します。SSCOP の処理が開始され、N(SQ) にマップされるとゼロに初期化されます。


レシーバの状態変数

ATM インターフェイスでは、VR で始まる受信側の状態変数のセットが保持されています。

状態変数 名前 説明

VR(R)

受信

レシーバが想定するインシーケンスでの次の SD PDU のシーケンス番号。そのメッセージが確認されると増分されます。

VR(H)

予想される最大

SD PDU 内の予想される最大のシーケンス番号。 次の SD または POLL メッセージから更新され、大むねピアの VT(S) と同じです。

VR(MR)

最大受信

レシーバが受け取る SD PDU における最大のシーケンス番号。 つまり、レシーバで許可されるのは VR(MR) - 1 までで、それより大きなシーケンス番号の SD PDU は廃棄されます。VR(MR) の更新は、実装によって異なります。

VR(SQ)

レシーバの接続シーケンス

再送信された BGN、ER、および RS PDU の識別に使用されます。ATM インターフェイスはこれらの PDU のいずれかを受け取ると、N(SQ) 値を自身の VR(SQ) 値と比較します。 この 2 つの値が異なる場合、PDU は新しいメッセージとして処理されます。 2 つの値が等しい場合、PDU は再送信として識別されます。

PDU パラメータに変換される状態変数

受信および送信の状態変数は、やや異なった名前で実際の PDU のパラメータに変換またはマッピングされます。 次の表は、PDU のパラメータと、その派生元の状態変数を示しています。

パラメータ マッピング元 説明

N(SQ)

VR(SQ)

BGN、RS、または ER PDU へ受け継がれる接続シーケンス番号。 VR(SQ) カウンタとともにレシーバで使用され、これらの PDU の再送信を識別します。

N(S)

VT(S)

各 SD または POLL PDU に受け継がれる送信シーケンス番号であり、再送信でない新規の PDU ごとに増分されます。

N(PS)

VT(PS)

POLL PDU に受け継がれ、STAT PDU との比較によって 2 つのメッセージを関連付けます。

N(R)

VR(R)

STAT または USTAT PDU に受け継がれる受信シーケンス番号。1 つ以上のシグナリング メッセージの確認応答を受け取ったときにピア デバイスから送信されます。

N(MR)

VR(MR)

次の PDU に受け継がれます。 STAT、USTAT、RS、RSAK、ER、ERAK、BGN、BGAK。残りの受信クレジット数と、ピアがもう 1 つメッセージを送信できるかどうかを示します。たとえば、N(MR) 値 5 は、ピアが応答を待たずに最大 5 つの PDU を送信できることを意味します。


デバッグの出力例

下の出力は、PA-A3 を搭載した 7500 シリーズ ルータで debug sscop event atm 3/0 コマンドを発行することで生成されたものです。のコメントは、debug の出力を解釈するためのものです。

 *Mar 21 03:18:43.440: SSCOP(ATM3/0): i Begin pdu, Idle state, length = 8 
 *Mar 21 03:18:43.440: SSCOP(ATM3/0): Rcv Begin in Idle State 
 *Mar 21 03:18:43.440: SSCOP(ATM3/0): receive window in Begin Pdu = 30 
 *Mar 21 03:18:43.440: SSCOP(ATM3/0): o Begin Ack pdu, Idle state, rcv window v(mr) = 30 
 
 !--- ルータが BEGIN PDU を受信し、BEGIN ACK PDU を返します。
 !--- ウィンドウ サイズ V(MR) は 30 に初期化されています。
 
 *Mar 21 03:18:43.440: SSCOP(ATM3/0): state changed from Idle to Active 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): o Poll pdu, state = Active, n(s) = 0, n(ps) = 1 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): i Stat pdu, Active state, length = 12 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): Rcv Stat in Active State 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: ps 1, nmr 30, nr 0 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: vtPa 1, vps 1 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: vta 0, vts 0 
 *Mar 21 03:18:47.968: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: listCount = 0 - normal 
 
 !--- これは最初の発信 POLL PDU と着信 STAT PDU です。
  
 *Mar 21 03:18:48.040: SSCOP(ATM3/0): * Poll pdu, ns = 0, nps = 1 
 *Mar 21 03:18:48.040: SSCOP(ATM3/0): o Stat pdu, n(r) = 0, n(mr) = 30, n(ps) = 1 
 
 !--- 「*」は、接続されている ATM スイッチからの着信 POLL PDU を示します。 
 !--- ルータは発信 STAT PDU を返します。 
 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): o Poll pdu, state = Active, n(s) = 0, n(ps) = 2 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): i Stat pdu, Active state, length = 12 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): Rcv Stat in Active State 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: ps 2, nmr 30, nr 0 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: vtPa 1, vps 2 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: vta 0, vts 0 
 *Mar 21 03:18:57.292: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: listCount = 0 - normal 
 
 !--- これは 2 番目の発信 POLL PDU と着信 STAT PDU です。 N(PS) と V(PS) が
 !--- 2 に増分されます。
 
 *Mar 21 03:18:58.004: SSCOP(ATM3/0): * Poll pdu, ns = 0, nps = 2 
 *Mar 21 03:18:58.004: SSCOP(ATM3/0): o Stat pdu, n(r) = 0, n(mr) = 30, n(ps) = 2 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): o Poll pdu, state = Active, n(s) = 0, n(ps) = 3 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): i Stat pdu, Active state, length = 12 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): Rcv Stat in Active State 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: ps 3, nmr 30, nr 0 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: vtPa 2, vps 3 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: vta 0, vts 0 
 *Mar 21 03:19:06.812: SSCOP(ATM3/0): processStatPdu: listCount = 0 - normal 
 *Mar 21 03:19:07.228: SSCOP(ATM3/0): * Poll pdu, ns = 0, nps = 3 
 *Mar 21 03:19:07.228: SSCOP(ATM3/0): o Stat pdu, n(r) = 0, n(mr) = 30, n(ps) = 3 
 
 !--- これは 3 番目の発信 POLL PDU と着信 STAT PDU です。 N(PS) と V(PS) が
 !--- 3 に増分されます。N(MR) は 30 のままです。N(S)、VT(S)、および VT(A) は、
 !--- シーケンス化された Q.2931「ユーザ」データが送信されていないため、0 のままです。
 
 

debug の出力には、接続確立時およびキープアライブ メカニズムの一貫として送信される SSCOP メッセージがキャプチャされます。debug コマンドの実行中に show sscop atm コマンドによるキャプチャを並行して実行すると、Poll および Stat だけでなく、Pdu's Sent および Pdu's Received の増分値も表示されます。

 7500# show sscop atm 3/0 
 SSCOP details for interface ATM3/0 
    Current State = Active,   Uni version = 4.0 
    Send Sequence Number: Current = 0,  Maximum = 30 
    Send Sequence Number Acked = 0 
    Rcv Sequence Number: Lower Edge = 0, Upper Edge = 0, Max = 30 
    Poll Sequence Number = 6, Poll Ack Sequence Number = 6 
    Vt(Pd) = 0   Vt(Sq) = 1 
    Timer_IDLE = 10 - Active 
    Timer_CC = 1 - Inactive 
    Timer_POLL = 1000 - Inactive 
    Timer_KEEPALIVE = 5 - Inactive 
    Timer_NO-RESPONSE = 45 - Inactive 
    Current Retry Count = 0, Maximum Retry Count = 10 
    AckQ count = 0, RcvQ count = 0, TxQ count = 0 
    AckQ HWM = 0,  RcvQ HWM = 0, TxQ HWM = 0 
    Local connections currently pending = 0 
    Max local connections allowed pending = 0 
    Statistics - 
       Pdu's Sent = 9, Pdu's Received = 9, Pdu's Ignored = 0 
       Begin = 1/1, Begin Ack = 1/1, Begin Reject = 0/0 
       End = 1/0, End Ack = 0/1 
       Resync = 0/0, Resync Ack = 0/0 
       Sequenced Data = 0/0, Sequenced Poll Data = 0/0 
       Poll = 6/6, Stat = 6/6, Unsolicited Stat = 0/0 
       Unassured Data = 0/0, Mgmt Data = 0/0, Unknown Pdu's = 0 
       Error Recovery/Ack = 0/0, lack of credit 0 
 7500# show sscop atm 3/0 
 SSCOP details for interface ATM3/0 
    Current State = Active,   Uni version = 4.0 
    Send Sequence Number: Current = 0,  Maximum = 30 
    Send Sequence Number Acked = 0 
    Rcv Sequence Number: Lower Edge = 0, Upper Edge = 0, Max = 30 
    Poll Sequence Number = 7, Poll Ack Sequence Number = 7 
    Vt(Pd) = 0   Vt(Sq) = 1 
    Timer_IDLE = 10 - Active 
    Timer_CC = 1 - Inactive 
    Timer_POLL = 1000 - Inactive 
    Timer_KEEPALIVE = 5 - Inactive 
    Timer_NO-RESPONSE = 45 - Inactive 
    Current Retry Count = 0, Maximum Retry Count = 10 
    AckQ count = 0, RcvQ count = 0, TxQ count = 0 
    AckQ HWM = 0,  RcvQ HWM = 0, TxQ HWM = 0 
    Local connections currently pending = 0 
    Max local connections allowed pending = 0 
    Statistics - 
       Pdu's Sent = 10, Pdu's Received = 10, Pdu's Ignored = 0 
       Begin = 1/1, Begin Ack = 1/1, Begin Reject = 0/0 
       End = 1/0, End Ack = 0/1 
       Resync = 0/0, Resync Ack = 0/0 
       Sequenced Data = 0/0, Sequenced Poll Data = 0/0 
       Poll = 7/7, Stat = 7/7, Unsolicited Stat = 0/0 
       Unassured Data = 0/0, Mgmt Data = 0/0, Unknown Pdu's = 0 
       Error Recovery/Ack = 0/0, lack of credit 0
 

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