WAN : ポイントツーポイント プロトコル(PPP)

マルチリンク PPP バンドルの命名基準

2005 年 9 月 9 日 - ライター翻訳版
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目次

概要
前提条件
      要件
      使用するコンポーネント
      表記法
背景説明
multilink bundle-name コマンド
      authenticated キーワードの使用
      endpoint キーワードの使用
      both キーワードの使用
show の出力
      multilink bundle-name authenticated コマンドの使用
      multilink bundle-name endpoint コマンドの使用
      multilink bundle-name both コマンドの使用
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

このドキュメントでは、マルチリンク PPP(MP)、および MP バンドルの命名基準の選択方法について説明します。

前提条件

要件

このドキュメントに関する特別な要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアのバージョンに基づくものです。

  • Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 11.3(4)

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼動中である場合には、すべてのコマンドによる潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

背景説明

マルチリンク PPP では、名前の付いた仮想リンクを使用することにより、デバイスから 1 つの宛先に複数のポイントツーポイント データリンクを経由してデータを送信できます。MP 接続の最大帯域幅は、コンポーネント リンクの帯域幅の合計に等しくなります。MP は、PPP をサポートしているすべてのインターフェイスで設定できます。MP の詳細については、RFC 1990 leavingcisco.com を参照してください。

Cisco IOS ソフトウェアによって、マルチリンク バンドル名が生成されますが、この名前は、最初に PPP の認証名、次にエンドポイント識別子に基づいて決まります。Cisco IOS をデフォルトの状態で使用すると、同じユーザ名を使用しているクライアントのリンクはすべて、1 つの MP バーチャル コネクションにまとめてバンドルされます。MP を使用するクライアントでは、各接続が、同じユーザ名を使用しているアクセス サーバによって認証され、同じ MP バンドルに追加されます。すべてのクライアントが一意のユーザ名を使用してアクセス サーバに接続する場合、この仕組みは正しく機能します。しかし、複数のクライアントが MP で同じユーザ名を使用すると、別のクライアントによって開始されたバンドルに誤ってクライアントが追加されてしまう場合があります。また、双方向のダイヤル環境でシスコ製以外のルータが一緒に使用されている場合にも、問題が発生します。シスコ製以外のルータでは、バンドルの名前に認証名を使用しませんが、シスコ製のルータでは、認証名を使用するため、異なる 2 つのバンドルが作成されてしまいます。

複数のクライアントが同じユーザ名を使用して MP 接続を開始する環境や、シスコ製以外のルータを一緒に使用している場合は、バンドル名の作成順序を管理する必要があります。最初にエンドポイント識別子、次にユーザ名(またはこれら両方)に基づいて、バンドル名を作成するようにアクセス サーバを設定する必要があります。エンドポイント識別子は、パケットを送信するシステムを識別するもので、このリンクのピアが別の既存リンクのピアと同じものであるかどうかを Network Access Server(NAS; ネットワーク アクセス サーバ)に通知します。クライアントごとに一意のエンドポイント識別子を持っているため、一意な 1 つの MP 接続にバンドルされるのは、同一のクライアントからの複数のリンクだけです。たとえば、2 台の PC クライアントが、同じユーザ名を使用してアクセス サーバへのマルチリンク接続を開始する場合を考えます。マルチリンク バンドル名が、最初にエンドポイント識別子、次にユーザ名かこれら両方に基づいて設定される場合、NAS では、バンドル名にエンドポイント識別子を使用することによって、各クライアントからのリンクを正確にバンドルできます。このバンドル名は、パケットを送信するピア システムごとに一意の名前です。

リンクにおける認証が単方向にだけ実行される場合、ピアの認証は実行されませんが、ローカル ホスト自体の認証は必要です。この認証には、Challenge Handshake Authentication Protocol(CHAP; チャレンジ ハンドシェーク認証プロトコル)が使用され、CHAP の実行時にピアから提供されたユーザ名は、バンドル名を決定するためのピアの認証名として処理されます。

multilink bundle-name コマンド

multilink bundle-name {authenticated | endpoint | both} グローバル設定コマンドを実行すると、マルチリンク バンドルの命名に選択されている基準を変更できます。さまざまな必要キーワードを使用して、マルチリンク バンドルの作成に使用する基準を選択できます。キーワードには次のものがあります。

  • authenticated:ピアの認証名をバンドル名に使用します。

  • endpoint:ピアのエンドポイント識別子をバンドル名に使用します。この識別子は、送信システムに接続されている機器を示すもので、さまざまな形式で表示されます。詳細については、RFC 1990 leavingcisco.com を参照してください。

  • both:ピアの認証名とエンドポイント識別子をバンドル名に使用します。

マルチリンク バンドル名を設定する基準を変更した場合、それが反映されるのは、変更後に発生したコールだけです。

authenticated キーワードの使用

バンドルの名前に認証名を使用するには、authenticated キーワードを使用します。このオプションでは、複数のクライアントが同じ認証ユーザ名を使用しているケースはサポートできません。

bobslake-nas-01(config)#multilink bundle-name authenticated
 

このオプションはデフォルトで、実行コンフィギュレーションには表示されません。

MP バンドル名は、次のいずれかのオプションで作成されます。

  • クライアントの認証名

  • エンドポイント識別子(リンクが認証されていない場合)

  • 発信者番号(認証名とエンドポイント識別子のいずれも提供されていない場合)

endpoint キーワードの使用

バンドル名にエンドポイント識別子の定義を使用するには、endpoint キーワードを使用します。このオプションでは、クライアントのユーザ名とは無関係なバンドル名が割り当てられるため、複数のクライアントが同じ認証ユーザ名を使用しているケースをサポートできます。この endpoint キーワードは、双方向のダイヤル環境でシスコ製以外のルータが一緒に使用されている場合などに使用します。MP バンドルの名前にエンドポイント識別子を使用する方法は、クライアントがユーザ名で認証されていない状況で役に立ちます。

bobslake-nas-01(config)#multilink bundle-name endpoint
 

endpoint キーワードを使用した場合、デフォルトの authenticated キーワードのときと命名順が逆の順番になります。

マルチリンク PPP のバンドル名は、次のいずれかのオプションを使用して作成されます。

  • クライアントのエンドポイント識別子

  • 認証名(エンドポイント識別子が提供されていない場合)

  • 発信者番号(認証名とエンドポイント識別子のいずれも提供されていない場合)

both キーワードの使用

認証ユーザ名とエンドポイント識別子の両方を使用してバンドル名を設定するには、both キーワードを使用します。このオプションでは、バンドル名にクライアントのユーザ名とエンドポイント識別子の両方が含まれるため、複数のクライアントが同じ認証ユーザ名を使用しているケースをサポートできます。このオプションでは、クライアントのユーザ名とエンドポイント識別子が表示されるため、マルチリンクのクライアントが NAS への接続に使用するユーザ名を簡単に参照できます。

bobslake-nas-01(config)#multilink bundle-name both
 

MP バンドル名は、次のいずれかのオプションを使用して作成されます。

  • 認証名とエンドポイント識別子(たとえば、fred/myrouter)

  • 認証名(エンドポイント識別子が提供されていない場合)

  • エンドポイント識別子(リンクが認証されていない場合)

  • 発信者番号(認証名とエンドポイント識別子のいずれも提供されていない場合)

show の出力

アクティブ状態のマルチリンクのバンドルに関する情報を表示したり、マルチリンク接続を確認するには、show ppp multilink コマンドを実行します。上記の各キーワードを使用した show ppp multilink コマンドの出力例は、次のとおりです。

multilink bundle-name authenticated コマンドの使用

bobslake-nas-01#show ppp multilink               
 
 Virtual-Access3, bundle name is clearlake-lan-01
 
!--- バンドル名は、ピア デバイスの 
!--- ユーザの認証名です。

 
   0 lost fragments, 0 reordered, 0 unassigned, sequence 0x2A/0x20 rcvd/sent
   0 discarded, 0 lost received, 1/255 load
   Member links: 2 (max not set, min not set)
     Async6
     Async8

multilink bundle-name endpoint コマンドの使用

bobslake-nas-01#show ppp multilink
 Virtual-Access1, bundle name is 
 d04120c1c653f603144321c191370000
 
!--- バンドル名は、ピア デバイスで決められている 
!--- エンドポイント識別子です。

 
   0 lost fragments, 0 reordered, 0 unassigned, sequence 0x7/0x0 rcvd/sent
   0 discarded, 0 lost received, 1/255 load
   Member links: 1 (max not set, min not set)
     Async36
 Virtual-Access2, bundle name is clearlake-lan-01
 
!--- バンドル名は、エンドポイント識別子です 
!--- (この場合は、ユーザ名と同じです)。

 
   0 lost fragments, 0 reordered, 0 unassigned, sequence 0x0/0x0 rcvd/sent
   0 discarded, 0 lost received, 1/255 load
   Member links: 1 (max not set, min not set)
     Async30

multilink bundle-name both コマンドの使用

bobslake-nas-01#show ppp multilink
 Virtual-Access1, bundle name is 
 clearlake-lan-01/d04120c1faa0fb0364f01fc191370000
 
!--- バンドル名は、認証ユーザ名とエンドポイント識別子の 
!--- 両方です。

 
   0 lost fragments, 0 reordered, 0 unassigned, sequence 0x26/0x3B rcvd/sent
   0 discarded, 0 lost received, 1/255 load
   Member links: 2 (max not set, min not set)
     Async37
     Async39
 Virtual-Access3, bundle name is clearlake-lan-01/clearlake-lan-01
 
!--- バンドル名は、認証ユーザ名とエンドポイント識別子の 
!--- 両方です。

 
   0 lost fragments, 0 reordered, 0 unassigned, sequence 0x0/0x0 rcvd/sent
   0 discarded, 0 lost received, 1/255 load
   Member links: 1 (max not set, min not set)
     Async33

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