ワイヤレス : Cisco Aironet 340 シリーズ

WLAN の無線カバー領域の拡張方法

2005 年 12 月 4 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2010 年 1 月 4 日) | フィードバック

目次

概要
前提条件
      要件
      使用するコンポーネント
      表記法
WLAN の無線カバー領域の拡張に使用可能な方法
      リピータ モードで AP を使用する
      チャネルがオーバーラップしないアクセス ポイント モードでセカンダリ AP を使用する
      既存 AP のトランスミッタの電力レベルのパラメータを変更して、カバー領域を拡張する
      AP を最適な場所に配置する
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

このドキュメントでは、WLAN ネットワークで無線のカバー領域を拡張するために可能な 4 つの方法について説明します。

前提条件

要件

次の項目に関する知識があることを推奨しています。

  • Cisco Aironet アクセス ポイント(AP)の設定

  • サイト調査の実行方法

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。

  • Cisco IOS(R) ソフトウェアを実行している Cisco Aironet 1200 シリーズの AP

  • Cisco Aironet クライアント アダプタ

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されています。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな状態(デフォルト)から設定作業を始めています。対象のネットワークが実稼動中である場合には、すべてのコマンドによる潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

WLAN の無線カバー領域の拡張に使用可能な方法

1 つの AP による無線カバー領域は、多くの場合、WLAN 全体をカバーするには不十分です。解決方法は、無線カバー領域を拡げることです。無線カバー領域を拡げるには、いくつかのオプションがあります。以降のセクションでは、それぞれのオプションについて説明し、設定例を示します。

リピータ モードで AP を使用する

AP がリピータとして動作するように設定できます。このモードでは、AP は有線 LAN には接続されません。その代わりに、AP は有線 LAN(ルート AP)に接続されている AP の無線領域内に配置されます。このシナリオでは、リピータ AP とルート AP を関連付けて、無線カバー領域を拡張します。これによって、ルート AP から離れている無線クライアントが WLAN ネットワークにアクセスできるようにします。2.4 GHz または 5 GHz のいずれかの無線をリピータとして設定できます。2 種類の無線を備えた AP では、一方の無線だけをリピータとすることができます。他方の無線をルート無線として設定する必要があります。

AP をリピータとして設定すると、その AP のイーサネット ポートはトラフィックを転送しなくなります。AP をリピータ モードとする利点は、有線 LAN への接続ができない状況で、WLAN の無線カバー領域を拡張できることです。また、リピータ モードが機能するには、カバー領域がルート AP と 50 % オーバーラップする必要があります。

リピータ AP は、無線クライアントからのトラフィックを有線 AP または他のリピータ AP のいずれかに転送します。有線ネットワークへの冗長パスがある場合には、リピータ AP は信号強度や他のパフォーマンスに基づくパラメータを基準に、最適パスを選択します。デフォルトでは、複数の有線 AP がある場合には、リピータ AP は最も接続性のよい AP と関連づきます。また、リピータを関連付ける AP を手動で指定することもできます。

リピータ AP には不利な点もあります。WLAN 内にリピータ AP を実装すると、チェーンにリピータ AP を追加するごとにネットワークのスループットが半減します。これは、リピータ AP が各パケットの受信と再送信を同じチャネル上で行う必要があるためです。もう 1 つの不利な点は、シスコ以外の無線クライアント デバイスとリピータ AP を関連付けしようとしたときに、問題が発生する場合があることです。AP をリピータ モードに設定するときには、リピータ AP だけでなく、親(ルート)AP でも「Aironet 拡張機能」をイネーブルにする必要があります。デフォルトでイネーブルになっている Aironet 拡張機能を使用すると、AP がその AP と関連付く Cisco Aironet クライアント デバイスの機能を認識しやすくなります。ただし、シスコ以外の無線クライアントの中には、AP で有効にされている Aironet 拡張機能と連動しないものがあります。そのため、シスコのクライアントとシスコ以外のクライアントが混在している WLAN 環境では、リピータ モードの AP による無線カバー領域の拡張は、適切なオプションではありません。

次の 2 つのセクションでは、AP でリピータ モードを設定する設定例について説明します。

図 1 - 方法 1 のネットワーク ダイアグラム

1.gif

図 1 は、2 台の Cisco Aironet AP、AP A および AP B を示しています。AP A は有線ネットワーク(ルート ユニット)に接続されています。無線クライアントは AP A に関連付けられています。AP A では通信用の SSID として「Cisco」を使用しています。

無線カバー領域を拡張するには、AP B をリピータ モードで設定する必要があります。AP A と AP B の両方が同じ IP サブネットに入るよう設定されています。

注: AP をリピータとして設定するときには、リピータ AP での次のパラメータが、ルート AP のパラメータとは異なるようにしてください。

  1. リピータ AP の IP アドレス

  2. リピータ AP のステーションの役割(リピータであること)

CLI からの AP B の設定

このセクションでは、AP B をリピータとして設定するために必要な設定手順を説明します。

Access Point B# configure terminal
 
 
!--- グローバル コンフィギュレーション モードに入ります。
 
 
Access Point A(config)# interface BVI
 
Access Point A(config-if)# ip address 10.0.0.5 255.0.0.0
 
 
!--- Bridge Virtual Interface(BVI)インターフェイスの IP アドレスを設定します。
!--- リピータはルート AP と同じサブネット上にある必要があります。
 
 
Access Point B(config)# interface dot11radio 0
 
 
!--- 無線インターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードに入ります。
!--- 2.4 GHz の無線は radio 0、5 GHz の無線は radio 1 です。
 
 
Access Point B(config-if)# ssid Cisco
 
!--- リピータがルート AP との関連付けに使用する SSID を作成します。  
!--- 次のステップでは、この SSID をインフラストラクチャ SSID として指定します。 
!--- ルート AP 上にインフラストラクチャ SSID をすでに作成している場合は、
!--- リピータ上に同じ SSID を作成します。この例では、SSID として「Cisco」を使用しています。
!--- これは、AP A でこの SSID が設定されているためです。

 
 
Access Point B(config-ssid)# infrastructure-ssid
 
 
!--- この SSID をインフラストラクチャ SSID として指定します。リピータではこの SSID を使用して
!--- ルート AP への関連付けを行います。インフラストラクチャ デバイスは
!--- この SSID を使用してリピータ AP に関連付ける必要があります。ただし、
!--- オプションのキーワードを入力する場合は除きます。
 
 
Access Point B(config-ssid)# exit
 
 
!--- SSID コンフィギュレーション モードを終了し、無線インターフェイス コンフィギュレーション モードに
!--- 戻ります。

 
 
Access Point B(config-if)# station-role repeater
 
 
!--- 無線 LAN 内での AP の役割をリピータ モードに設定します。
 
 
Access Point B(config-if)# dot11 extensions aironet
 
 
!--- Aironet の拡張機能がディセーブルになっている場合は、イネーブルにします。
 
 
Access Point B(config-if)# parent 1 0987.1234.h345 900
 
Access Point B(config-if)# parent 2 7809.b123.c345 900
 
 
!--- parent コマンドを使用すると、リピータを関連付ける
!--- AP のリストを指定できます。リピータが parent コマンドをシーケンス順に使用して、
!--- 与えられた AP との関連付けを試みます。

 
 
Access Point B(config-if)# end
 
 
!--- 特権 EXEC モードに戻ります。
 
 

parent コマンドでの「900」という値は、タイムアウト値を指定します(オプション)。このタイムアウト値は、リピータがある親 AP に関連付けを試みてから、次の親 AP への関連付けを行うまでの時間です。タイムアウト値は 0 〜 65535 秒の間で指定できます。parent コマンドを使用して、最大で 4 つの親 AP を定義できます。

リピータの動作の確認

AP B をリピータとして設定した後、ルート AP とリピータ AP の LED で、リピータ AP が正しく動作しているかどうかを確認できます。

ルート AP のステータス LED は、緑色に点灯している必要があります。緑色のライトは、リピータ AP がルート AP と関連付けられていることを示します。ここでは、ルート AP に関連付けられているクライアントがないことを想定しています。

リピータ AP のステータス LED も、この AP がルート AP と関連付けられていて、リピータに関連付けられているクライアントがある場合には、緑色に点灯している必要があります。リピータ AP がルート AP と関連付けられていても、リピータがクライアント デバイスと関連付けられていない場合は、リピータのステータス LED が点滅します(7/8 秒間は緑色に点灯し、1/8 秒は消灯)。ルート AP とリピータ AP 上の関連付けテーブルをチェックすると、設定が動作しているかどうかを確認できます。

チャネルがオーバーラップしないアクセス ポイント モードでセカンダリ AP を使用する

リピータ モードの AP は主に、2 つ目の AP を有線ネットワークに接続できない場合に利用します。リピータ モードによる無線カバー領域の拡張は、次の 2 つの場合に限って考える必要があります。

  1. リピータが無線 LAN のカバー領域を拡張してもスループットが劇的に低くなるため、高いスループットを必要としないクライアントを扱う場合。

  2. リピータに関連付けられるクライアント デバイスのほとんどが Cisco Aironet Client である場合。シスコ以外のクライアント デバイスは、リピータ AP と通信できない場合があります。

これらの不利点を克服するために、カバー領域を拡張する 2 番目の方法を使用できます。2 番目の方法は、チャネルがオーバーラップしない AP モードでセカンダリ AP を設定することです。この方法は、2 つめの AP を有線 LAN に接続できる場合にだけ使用できます。この方法は、AP 上で実行する基本設定以外の設定が必要ないため、実装が最も簡単です。

図 2 - 方法 2 のネットワーク ダイアグラム

2.gif

図 2 は、同じ有線 LAN に接続されている 2 台の Cisco Aironet AP を示しています。どちらの AP も同じ IP サブネットに属しています。同じサブネット上にあるすべての AP を、シームレスなローミングが行えるように設定します。この方法で AP を接続すると、WLAN の無線カバー領域の拡張に役立ちます。次のセクションでは、このシナリオに必要な設定について説明します。

CLI からのセカンダリ AP の設定

AP A に、IP アドレス、RF チャネル、無線設定、SSID の設定などの基本的な設定を行い、AP の役割を AP ルートとして指定します。次の設定コマンドを使用して、AP A を設定します。

Access Point A(config)# interface BVI
 
Access Point A(config-if)# ip address 10.0.0.1 255.0.0.0 

この AP を有線 LAN に接続する場合、AP は AP が作成した BVI を経由してネットワークに自動的にリンクします。AP のイーサネット ポートと無線ポートごとに別々の IP アドレスをトラッキングする代わりに、ネットワークでは BVI インターフェイスを使用します。これが、個々のインターフェイスではなく BVI インターフェイスに IP アドレスを割り当てる理由です。

AP 無線に対するデフォルトのチャネル設定は least congested です。始動時には、AP が最も輻輳の少ないチャネルをスキャンして選択します。ただし、サイト調査後に最も安定したパフォーマンスを得るために、シスコでは各 AP へのスタティック チャネルの設定を推奨しています。AP が使用するチャネルを設定する際には、オーバーラップしないチャネルを設定するよう注意してください。この出力例では、(オーバーラップしない)チャネル 1 と 6 が AP A と AP B に使用されています。

Access Point A(config)# interface dot11radio 0
 
Access Point A(config-if)# channel 1
 
Access Point B(config-if)# ssid Cisco
 
Access Point B(config-ssid)# exit
 
Access Point A(config-if)# station-role root
 
Access Point A(config-if)# speed {[1.0] [11.0] [2.0] [5.5] [basic-1.0] 
  [basic-11.0] [basic-2.0] [basic-5.5] | range | throughput} 

注: この出力の最後のコマンドは、スペースの都合上、2 行にわたって表示されています。

注: アクセス ポイントのルート モードでセカンダリ AP を設定する場合には、隣接する AP で使用するチャネルがオーバーラップしないように注意してください。オーバーラップしないチャネルとは、互いに共通する周波数を持たない周波数帯域です。たとえば、2.4GHz のレンジでは、オーバーラップしない 3 つのチャネルがあります(チャネル 1、6、および 11)。したがって、セカンダリ AP を導入して無線カバー領域を拡張する場合には、最初の AP にチャネル 1 を使用し、次の隣接 AP にはチャネル 6 を、3 番目の AP にはチャネル 11 を使用して、その後はチャネル 1 から始めるようにすることができます。オーバーラップするチャネルを使用すると、無線周波数干渉が発生し、接続性の問題に繋がって、スループットが低下します。

各データ レートを basic または enabled に設定する、または AP のレンジを最適化するには range を、スループットを最適化するには throughput を入力します。AP の基本設定の詳細については、『無線の設定方法』を参照してください。

以上の設定で、AP が無線クライアントからの関連付けを受け付けるようになります。無線カバー領域を拡張するには、2 番目の AP(AP B)にいくつかの小さな変更を加えて同様の設定を行います。変更する項目には、セカンダリ AP が使用する BVI の IP アドレスRF チャネルがあります。

Access Point B(config)# interface BVI
 
Access Point B(config-if)# ip address 10.0.0.6 255.0.0.0
 
Access Point B(config)# interface dot11radio 0
 
Access Point B(config-if)# channel 6
 
Access Point B(config-if)# ssid Cisco
 
Access Point B(config-ssid)# exit
 
Access Point B(config-if)# station-role root
 
Access Point B(config-if)# speed {[1.0] [11.0] [2.0] [5.5] [basic-1.0] 
 [basic-11.0] [basic-2.0] [basic-5.5] | range | throughput} 

注: この出力の最後のコマンドは、スペースの都合上、2 行にわたって表示されています。

この設定では、AP A と関連付けができないクライアントが AP B と関連付けしています。これは AP B が同じ有線 LAN 上にあるためです。これによって無線カバー領域が拡張されます。リピータ モードの設定で見られたようなスループットへの影響はありません。

この設定を実装するときには、AP を互いに近すぎる位置に配置しないようにしてください。近くに多数の AP があると、無線の輻輳と RF の干渉が発生し、データのスループットが低下する場合があります。サイト調査を詳細に行って、最大の無線カバー領域と最適なスループットが得られるように、AP の最適な配置を決定してください。

既存 AP のトランスミッタの電力レベルのパラメータを変更して、カバー領域を拡張する

トランスミッタの電力レベルのパラメータを変更することで、AP の無線カバー領域を拡張できます。

トランスミッタの電力(mW)設定によって、無線トランスミッタの電力レベルが決まります。デフォルトの電力設定は、規制区域内で許可されている最高の伝送パワーになっています。政府機関の規制では、無線装置の最大電力レベルが定義されています。

caution 注意: トランスミッタの電力レベルの設定は、その設定を使用する国で制定されている基準に準拠する必要があります。

一般的には、トランスミッタの電力は、RF 干渉の影響を抑えるために抑制されます。この抑制によって、無線のカバー領域は悪影響を受けます。トランスミッタの電力は、無線カバー領域に正比例します。したがって、トランスミッタの電力を弱くすると、無線カバー領域が小さくなります。

サイト調査を正しく行い、RF 干渉の発生源を取り除けば、トランスミッタを可能な範囲で最大の電力で使用して無線カバー領域を拡張できます。

無線インターフェイスに対する次の CLI コマンドは、送信電力のレベルを AP の最大レベルに変更します。

Access Point (config)# interface dot11radio 0
 
Access Point (config-if)# power local maximum 

このコマンドを使用して、電力レベルを最大に設定します。次に、どのくらいのスループットが得られているかをチェックし、高いスループット レートが安定して持続する程度まで電力レベルを下げます。最低の電力レベルから始めて、安定したスループットに到達するまでレベルを上げていくこともできます。これは、信号を最大レベルまで上げないと、スループットと信号強度が連続的に変化して、安定しないことがあるためです。

AP の電力レベル設定方法の詳細については、『無線の伝送パワーの設定方法』を参照してください。

AP を最適な場所に配置する

AP を正しい位置に配置することは、その AP のカバー領域を拡張するための重要な要素です。すぐ近くに多数の AP があると、無線の輻輳と干渉が発生し、スループットが低下する場合があります。

サイト調査を詳細に行って、最大の無線カバー領域とスループットが得られるように、AP の最適な配置を決定してください。サイト調査の詳細については、『サイト調査の実行』を参照してください。

無線カバー領域を最大にするには、WLAN 内のどの 2 つの AP 間のカバー領域も 15 % オーバーラップするようにします。カバー領域内でオーバーラップが最低限になるように AP を配置すれば、最小のシステム コストで大きな領域をカバーできます。各モバイル ステーションで使用可能な合計帯域幅は、各モバイル ステーションが転送する必要のあるデータの量や、各セル内のステーションの数によって変化します。モバイル ステーションが各 AP の範囲の内外を移動するためシームレスなローミングがサポートされ、有線 LAN への安定した接続を維持します。ローミング機能を提供するには、各 AP(およびアダプタ)を同じ SSID で設定します。

図 3 - AP を正しく配置する

3.gif


関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション

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関連情報


Document ID: 66091