非同期転送モード(ATM) : IP over ATM

ATM インターフェイスが備わるルータでの、Hybridge 入力プロセスによる CPU 高使用率のトラブルシューティング

2005 年 6 月 5 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

この文書では、HyBridge 入力プロセスが原因でルータの CPU 使用率が上昇した場合のトラブルシューティング方法について説明します。 ATM インターフェイスでは、標準的な Cisco IOS(R) のブリッジングおよび Integrated Routing and Bridging(IRB)で Request For Comment(RFC)1483 leaving cisco.comブリッジ形式の Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)を使用するように設定された、多数の Permanent Virtual Circuit(PVC; 相手先固定回線)がサポートされます。 この方法は、リモート ユーザへの接続のためのブロードキャストに強く依存します。 リモート ユーザと PVC の数が増加すると、これらのユーザ間のブロードキャストも増加します。 特定の状況下では、これらのブロードキャストによってルータの CPU 使用率が上昇します。

標準的なブリッジング アーキテクチャ

RFC 1483 には、透過ブリッジ(ブリッジングを設定されたシスコのルータを含む)でブリッジ フレームをフラッディング、転送およびフィルタできることが明記されています。 フラッディングは、すべての考えられる適切な送信先に、フレームをコピーするプロセスです。 ATM ブリッジは、各 Virtual Circuit(VC; 仮想回線)への明示的なフレームのコピー、またはポイントツーマルチポイント VC を使用してフレームをフラッディングします。

標準的な Cisco IOS ブリッジングでは、Address Resolution Protocol(ARP)、ブロードキャスト、マルチキャストおよびスパニングツリー パケットはこのフラッディング プロセスを通過する必要があります。 Cisco IOS のブリッジング ロジックは、次に示すすべてのパケットを処理します。

  1. ブリッジ グループに設定された種々のインターフェイスおよびサブインターフェイスを通過するパケット。

  2. ブリッジ グループのメンバ インターフェイスに設定された、種々の VC を通過するパケット。

  3. 各 VC にフレームを複製するパケット。

複製処理を行う Cisco IOS ソフトウェアのルーチンは、各 VC にパケットを複製するためにループで実行される必要があります。 ルータで多数のブリッジ形式の PVC がサポートされる場合は、複製ルーチンが長時間実行されるため、CPU の使用率が上昇します。 show process cpu コマンドでのキャプチャ出力では、HyBridge 入力に大きい「5sec」の値が表示されます。HyBridge 入力はプロセス交換方式を使用したパケットの転送を行うものです。 Cisco IOS では、スパニングツリー Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)、ブロードキャストおよびマルチキャスト ファストスイッチングされないマルチキャストなどのパケットをプロセス交換する必要があります。 プロセス交換は、呼び出しごとに限られた数のパケットしか処理されないため、多くの CPU 時間を消費します。

単一のインターフェイスが多数の VC をサポートしていると、VC のリストを通過するのに CPU に負荷がかかります。 シスコの Bug ID CSCdr11146 で、この問題を解決できます。 ブロードキャストの複製のためにブリッジング ロジックがループで実行されている場合は、時々、CPU が解放されます。 CPU の解放は、CPU のサスペンドとも呼ばれます。

注: 1 つのブリッジ グループに多数のサブインターフェイスを設定すると、CPU には同様に負荷がかかります。

典型的な症状

ブリッジド PVC でルータの CPU 高使用率が発生する場合は、まずインターフェイスで大量のブロードキャストがされていないか調べます。 これは、次の出力で示されます。
ATM_Router# show interface atm1/0 
    ATM1/0 is up, line protocol is up 
       Hardware is ENHANCED ATM PA 
       MTU 4470 bytes, sub MTU 4470, BW 44209 Kbit,    DLY 190 usec, 
          reliability 0/255, txload    1/255, rxload 1/255 
       Encapsulation ATM, loopback not set    
       Keepalive not supported 
       Encapsulation(s): AAL5 
       4096 maximum active VCs, 0 current VCCs    
       VC idle disconnect time: 300 seconds    
       77103 carrier transitions 
       Last input 01:06:21, output 01:06:21, output    hang never 
       Last clearing of "show interface" counters    never 
       Input queue: 0/75/0/702097 (size/max/drops/flushes);    Total output drops: 12201965 
       Queueing strategy: Per VC Queueing    
       5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec    
       5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec    
          59193134 packets input,    3597838975 bytes, 1427069 no buffer 
          Received 463236 broadcasts,    0 runts, 0 giants, 0 throttles 
          46047 input errors, 46047    CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored, 0 abort 
          91435145 packets output,    2693542747 bytes, 0 underruns 
          0 output errors, 0 collisions,    4 interface resets 
          0 output buffer failures,    0 output buffers swapped out  

この副作用として、インターフェイスで大量のドロップが発生する場合があります。 この状況では、ルータの反応が遅くなる症状から、まったくアクセスできなくなる症状まで幅広い症状が発生する可能性があります。 インターフェイスを終了したり、ATM インターフェイスからケーブルを抜くと、ルータが回復します。

ブロードキャストのトラフィックがバースト的で、このため CPU 使用率が短時間に瞬間的に上昇するだけの場合は、バーストに対応できるようにインターフェイスの入力ホールド キューを変更すれば、この問題を緩和できます。 ホールド キューのデフォルトのサイズは 75 パケットですが、hold-queue <キュー長> in|out コマンドを使用すると、この値を変更できます。 通常、ホールド キューのサイズを 150 より大きくしないでください。このようにすると、さらに大きな処理レベルの負荷が CPU にかかります。

トラブルシューティング手順

HyBridge 入力による CPU の高使用率の問題が発生した場合は、シスコの Technical Assistance Center(TAC)にお問い合せいただく際に、次の出力結果をご用意ください。 この出力結果を得るには、次のコマンドを使用します。

  • show process cpu:CPU の高使用率に気づいた場合は、show process CPU コマンドを使用して、障害を起こしているプロセスを識別します。 「シスコのルータでの CPU 高使用率のトラブルシューティング」を参照してください。

  • show stacks {process ID}: このコマンドを使用すると、実行中のプロセスが表示され、潜在的な問題を探すことができます。 アウトプットインタープリタに、このコマンドの出力を貼り付けます。 実行中のプロセスがデコードされると、Software Bug Toolkit を使用して可能性がある不具合を検索できます。

    注:これらのツールを使用するには、CCO アカウントに登録していて、ログインする必要があります。
     

    一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。

  • Show bridge verbose:この show コマンドを使用すると、同一のブリッジ グループにいくつのサブインターフェイスが接続されているかを判別し、インターフェイスに障害が発生しているかどうかをチェックできます。
   router#show process cpu
   CPU utilization for five seconds: 100%/26%; one minute: 94%; five minutes: 56% 
    PID   Runtime(ms)   Invoked   uSecs   5Sec   1Min   5Min   TTY   Process 
     1            44    38169     1       0.00%  0.00%  0.00%    0   Load Meter 
     2           288    733       392     0.00%  0.00%  0.00%    0   PPP auth 
     3         44948    19510     2303    0.00%  0.05%  0.03%    0   Check heaps    
     4             4    1         4000    0.00%  0.00%  0.00%    0   Chunk Manager 
     5          2500    6229      401     0.00%  0.00%  0.00%    0   Pool Manager 
    [output omitted] 
     86            4    1         4000    0.00%  0.00%  0.00%    0   CCSWVOFR    
     87      3390588    1347552   2516    72.72% 69.79% 41.31%   0   HyBridge Input 
     88          172    210559    0       0.00%  0.00%  0.00%    0   Tbridge Monitor    
     89      1139592    189881    6001    0.39%  0.42%  0.43%    0   SpanningTree 
  router#show stacks 87 
    Process 87: HyBridge Input Process 
     Stack segment 0x61D15C5C - 0x61D18B3C 
     FP: 0x61D18A18, RA: 0x60332608 
     FP: 0x61D18A58, RA: 0x608C5400 
     FP: 0x61D18B00, RA: 0x6031A6D4 
     FP: 0x61D18B18, RA: 0x6031A6C0
   router#show bridge verbose
   Total of 300 station blocks, 299 free 
    Codes: P - permanent, S - self
   BG  Hash   Address          Action   Interface       VC Age   RX count   TX count      
      1 8C/0   0000.0cd5.f07c   forward  ATM4/0/0.1      9   0    1857       0
   Flood ports (BG 1)      RX count TX count 
      ATM4/0/0.1                   0        0

さらに、Bridge Group Virtual Interface(BVI; ブリッジ グループ仮想インターフェイス)をシャット ダウンして、何度か show process cpu コマンドを実行し、そのキャプチャ出力から CPU の使用率を監視します。

回避策

シスコでは、標準的なブリッジングで発生する CPU 高使用率のソリューションとして、次の回避策の実装を推奨しています。

  • Cisco IOS の x デジタル加入者線ブリッジ サポート機能を実装します。この機能は、加入者のポリシーに従って、ルータをインテリジェント ブリッジ フラッディング対応に設定します。 これにより、ARP、ブロードキャスト、マルチキャストおよびスパニングツリー BPDU を選択的にブロックできます。

  • いくつかのマルチポイント インターフェイスで、各 VC を異なる IP ネットワークに分散させます。

  • IP ARP のエージング タイマーとブリッジング テーブルのエントリを同じ値に設定します。 設定しないと、リンクにトラフィックの不要なフラッディングが発生します。 デフォルトの ARP タイムアウトは 4 時間です。 デフォルトのブリッジ エージング時間は 10 分です。 リモート ユーザのアイドリング状態が 10 分間続くと、ルータによってユーザのブリッジ テーブル エントリだけが削除され、ARP テーブル エントリは保持されます。 ルータからリモート ユーザにトラフィック ダウンストリームを送信する必要がある場合は、ARP テーブルがチェックされ、MAC アドレスを指す有効なエントリが見つけられます。 ルータによってブリッジ テーブルで MAC アドレスがチェックされ、見つからない場合は、ブリッジ グループにあるすべての VC にトラフィックがフラッディングされます。 次のコマンドを使用して、ARP およびブリッジ テーブルの経過時間を設定します。

     router(config)#bridge 1 aging-time ?
      <10-1000000> Seconds
     router(config)#interface bvi1    
     router(config-if)#arp timeout ? 
           <0-2147483> Seconds 
  • ヘッドエンド ATM インターフェイスで、標準的なブリッジングおよび IRB を Routed Bridge Encapsulation(RBE; ルーテッド ブリッジ カプセル化)またはブリッジスタイルの PVC に置き換えます。 RBE では、Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)のサポートと、ブリッジングではなくルーティングの判断で IP パケットを転送することで、転送のパフォーマンスが向上します。 ただし、12.1(1)T トレインでは、パケットはソフトウェアによってスイッチングされることがあります。 この場合、次のエラー メッセージが表示されます。

    %FIB-4-PUNTINTF: CEF punting packets switched to        ATM1/0.100 to next slower path 
     %FIB-4-PUNTINTF: CEF punting packets switched to ATM1/0.101        to next slower path      

    この問題は、CSCdr37618 に文書化されており、解決策は 12.2 メインラインへのアップグレードになります。 詳細については、『ルーテッド ブリッジ カプセル化の基本アーキテクチャ』および『GSR および 7500 シリーズでの ATM インターフェイスへのブリッジスタイル PVC の設定』を参照してください。


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