Cisco IOS と NX-OS ソフトウェア : Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1 メインライン

パフォーマンスの調整に関する基本事項

2009 年 6 月 16 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2007 年 7 月 11 日) | フィードバック

目次


概要

このドキュメントでは、ルータのパフォーマンスに影響を及ぼす問題に関する高レベルの概要を説明しており、さらに、この問題に関する他の詳細なドキュメントを紹介しています。



前提条件

要件

このドキュメントに関する特別な要件はありません。



使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。

  • Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.1



表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。



背景説明

ルータの設定のしかたによって、パケット処理の性能に影響が及ぶ場合があります。大量のトラフィックを処理するルータの場合、パフォーマンスを最適にするためには、そのデバイスが行っている処理、その方法、および、それに要する時間について知っておくことが重要です。この情報は、コンフィギュレーション ファイル内で示されます。設定は、パケットのルータの通り方を表します。最適とは言えない設定では、必要以上にルータ内にパケットを保持する可能性があります。高レベルのロード状態が続くと、レスポンスの低下、輻輳、接続のタイムアウトなどが生じる場合があります。

ルータの性能を調整するに当たって、その目的はパケットがルータ内にとどまる時間を最小にすることです。すなわち、入力インターフェイスから出力インターフェイスへルータがパケットをフォワーディングする時間を最小にし、できる限りバッファリングや輻輳を回避します。設定に追加する各機能は、入力したパケットが宛先ポートに向かう途中に通過しなければならない 1 つのステップとなります。

節約する必要のある 2 つの主要なリソースは、ルータの CPU タイムとメモリです。ルータには、割り込みおよび定期的タスクを処理するための CPU のアベイラビリティが常に必要です。CPU 使用率が長時間 99 % である場合、常にネットワークの安定性に深刻な影響がおよびます。このコンセプトは、メモリのアベイラビリティにも当てはまります。メモリは必ず使用可能でなければなりません。ルータのメモリの使用率が 100 % に近くなると、システムのバッファ プールのスペースがなくなります。このような状態になると、プロセッサによる処理を必要とするパケット(プロセス スイッチ パケット)は、着信するとすぐに廃棄されてしまいます。廃棄されたパケットに、インターフェイスのキープアライブや重要なルーティング更新が含まれていた場合に何が起きるかは、想像に難くありません。



プロセス レベルと割り込みレベルのスイッチング

IP ネットワークでは、ルータでのパケット フォワーディングの判定は、ルーティング テーブルの内容に基づいて行われます。ルーティング テーブルを検索する際、ルータは宛先 IP アドレスのプレフィクスに最長一致するものを探します。この処理は「プロセス レベル」で行われます(プロセス スイッチングと呼ばれます)。これは、この検索が単なる 1 プロセスとして、他の CPU プロセスと同様にキューイングされて処理されることを意味します。その結果として、この検索にかかる時間は予測が不可能で、非常に長くかかる場合もあることになります。これを解決するために、Cisco IOS ソフトウェアには、完全一致検索に基づいたスイッチング方式が複数導入されています。

完全一致検索の最大の利点は、検索時間が決まっており、非常に短いことです。ルータでのフォワーディングの判定に要する時間は著しく短縮されるため、この処理を「割り込みレベル」で行うことが可能になります。割り込みレベルでのスイッチングとは、パケットが着信したときに割り込みを発生させ、CPU では、このパケットを処理するために他のタスクを後回しにすることを意味します。従来のパケット フォワーディング方式(ルーティング テーブルで最長一致を検索する方法)は、割り込みレベルでの実装ができず、プロセス レベルで実行する必要があります。いくつかの理由により、またそのうちの一部を以下で説明していますが、最長一致検索方式を完全に廃止することはできないため、Cisco ルータでは 2 種類の検索方式を並行して採用しています。この方針はすでに一般化しており、IPX や AppleTalk でも採用されています。

完全一致方式を割り込みレベルで実行するには、この検索方式に適したメモリ構造を使用できるようルーティング テーブルを変換する必要があります。スイッチング パスが異なると、使用するメモリ構造も異なります。この構造と呼ばれるアーキテクチャは、検索時間に非常に大きく影響します。最も重要な処理は最適なスイッチング パスの選択です。ルータがパケットの転送先を決定する際、必要となる基本情報はネクストホップのアドレスと発信インターフェイスです。また、発信インターフェイスのカプセル化に関する情報も必要です。自身のスケーラビリティに従って、カプセル化に関する情報は、同一または別のメモリ構造に保存されます。

次に割り込みレベルでのスイッチングの実行手順を示します。

  1. ネクストホップのアドレスと発信インターフェイスを判別するため、メモリ構造を検索します。

  2. Open Systems Interconnection(OSI)レイヤ 2 の書き換え(MAC 書き換え)を実行します。これは、パケットのカプセル化方式を発信インターフェイスに合せて変更することを意味します。

  3. パケットを発信インターフェイスの tx リングまたは出力キューに送ります。

  4. 適切なメモリ構造を更新します(キャッシュ内のタイマーのリセット、カウンタの更新など)。

ネットワーク インターフェイスからパケットが着信したときに発生する割り込みは、「RX 割り込み」と呼ばれます。この割り込みは、上記のステップのすべてが実行された場合にだけ解除されます。最初の 3 ステップのいずれかが実行できない場合は、そのパケットは次のスイッチング レイヤに送られます。次のスイッチング レイヤがプロセス スイッチングの場合は、パケットはプロセス スイッチングのために着信インターフェイスの入力キューに入れられ、割り込みは解除されます。割り込みは、同じレベルの割り込みによって割り込まれることはなく、また、すべてのインターフェイスで同じレベルの割り込みが発生するため、現在処理中の RX 割り込みが解除されるまで他のパケットが処理されることはありません。

異なる割り込みスイッチング パスは、最高速の検索を行うものから、最低速の検索を行うものにまで、階層化されます。パケットの処理に使用される最後の手段は、常にプロセス スイッチングになります。すべての割り込みスイッチング パスにおいて、すべてのインターフェイスやパケットのタイプがサポートされているわけではありません。一般的には、パケットのヘッダーに限定して検査や変更を必要とするものだけについて、割り込みスイッチングを行うことができます。転送の前にパケットのペイロードの検査が必要な場合は、割り込みスイッチングを行うことはできません。割り込みスイッチング パスによっては、さらに固有の制限がある場合もあります。また、発信インターフェイスでのレイヤ 2 接続の信頼性が高い場合(再送信をサポートしている場合)は、パケットを割り込みレベルで処理することはできません。

割り込みスイッチングを行えないパケットの例を次に示します。

  • そのルータ宛のトラフィック(ルーティング プロトコルのトラフィック、Simple Network Management Protocol(SNMP)、Telnet、Trivial File Transfer Protocol(TFTP; トリビアル ファイル転送プロトコル)、ping など)。管理トラフィックはルータが送信元の場合も、ルータが宛先の場合もあります。これらには、固有のタスクに関連した処理があります。

  • OSI レイヤ 2 接続指向のカプセル化(X.25 など)。実行する命令数が多すぎたり、タイマーやウィンドウを必要とするため、一部の処理は、割り込みスイッチング パスでコード化するには複雑すぎます。例としては、暗号化、Local Area Transport(LAT)変換、Data-Link Switching Plus(DLSW+; データ リンク スイッチング プラス)などの機能があります。



スイッチング パス

ルータ内でパケットがたどるパスは、アクティブなフォワーディング アルゴリズムによって決定されます。これは「スイッチング アルゴリズム」または「スイッチング パス」とも呼ばれます。一般的に、ハイエンド プラットフォームはローエンド プラットフォームよりも強力なフォワーディング アルゴリズムを持っていますが、しばしばデフォルトではアクティブになっていません。フォワーディング アルゴリズムは、ハードウェア内に実装される場合、ソフトウェア内に実装される場合、両方に実装される場合がありますが、その目的は常に、できるだけ速くパケットを送信することです。

Cisco シスコ ルータで利用可能なスイッチング アルゴリズムを次に示します。

フォワーディング アルゴリズム コマンド
(config-interface モードから発行)

ファースト スイッチング

ip route-cache

同一インターフェイス スイッチング

ip route-cache same-interface

自律スイッチング(7000 プラットフォームだけ)

ip route-cache cbus

シリコン スイッチング(SSP が装着された 7000 プラットフォームだけ)

ip route-cache sse

分散スイッチング(VIP 対応のプラットフォームだけ)

ip route-cache distributed

最適スイッチング(ハイエンド ルータだけ)

ip route-cache optimum

NetFlow スイッチング

ip route-cache flow

Cisco Express Forwarding(CEF)

ip cef

分散 CEF

ip cef distributed


ここでは、性能順に分類した各スイッチング パスについて簡単に説明しています。自律スイッチングおよびシリコン スイッチングは技術サポート終了となったハードウェアに関係するため、ここでは説明していません。



プロセス スイッチング

プロセススイッチは、最も基本的なパケット処理方法です。パケットは、対応するレイヤ 3 プロトコルのキュー内に置かれ、その後スケジューラによって対応プロセスがスケジュールされます。このプロセスは、show processes cpu コマンドの出力で表示されるプロセスの中の 1 つです(つまり、IP パケットでの「ip input」)。この時点で、スケジューラが対応するプロセスに CPU を割り当てるまで、パケットはキュー内に置かれます。待ち時間は、実行待ちのプロセス数および処理待ちのパケット数によります。その後、ルーティング テーブルに基づいて、ルーティングの決定が行われます。パケットのカプセル化方式が発信インターフェイスに合せて変更され、その後パケットは対応する発信インターフェイスの出力キューに入れられます。



ファースト スイッチング

ファースト スイッチングでは、CPU によって割り込みレベルで転送の決定が行われます。ルーティング テーブルからの情報と、発信インターフェイスのカプセル化に関する情報が組み合わされ、ファースト スイッチングのキャッシュが作成されます。キャッシュ内の各エントリは、宛先 IP アドレス、発信インターフェイスの識別番号、および MAC 書き換え情報で構成されています。ファースト スイッチングのキャッシュは、バイナリ ツリーの構造になっています。

ある宛先を示すエントリがファースト スイッチングのキャッシュにない場合は、現在のパケットはプロセス スイッチングのキューに入れられます。適切なプロセスによってパケットの転送の決定が行われた場合は、これによってファースト スイッチングのキャッシュにエントリが作成され、同じ宛先への連続したパケットがすべて割り込みレベルで転送されるようになります。

これは宛先ベースのキャッシュであるため、ロード シェアリングは宛先別でだけ行われます。ルーティング テーブルに、ある宛先ネットワークに対する同じコストのパスが 2 つある場合でも、各ホストに対するファースト スイッチングのキャッシュ内のエントリは 1 つだけです。



最適スイッチング

最適なスイッチングは、基本的にファースト スイッチングと同じですが、バイナリ ツリーの代わりに 256 方向マルチディメンジョナル ツリー(mtree)を使用し、その結果として、より多くのメモリが必要になり、キャッシュの検索が高速化します。ツリー構造と、ファースト、最適、Cisco Express Forwarding(CEF)の各スイッチング方式についての詳細は、『ネットワークに最適なルータ スイッチング パスの選択方法』を参照してください。



Cisco Express Forwarding(CEF)

以前のスイッチング アルゴリズムの主な欠点は、次のとおりです。

  1. 各宛先向けの先頭パケットは必ず、ファスト キャッシュを初期化するようにプロセス交換されます。

  2. ファスト キャッシュは非常に大きくなる可能性があります。たとえば、1 つの宛先ネットワークに対してコストが同一のパスが複数ある場合、ファスト キャッシュには先に説明したようにネットワークではなくホストのエントリが書き込まれます。

  3. ファスト キャッシュと ARP テーブルの間には直接的な関係はありません。ARP キャッシュ内であるエントリが無効になっても、ファスト キャッシュ内でそれを無効化する方法がありません。この問題を回避するために、毎分キャッシュの 1/20 がランダムに無効化されます。このようなキャッシュの無効化や再生成によって、非常に大規模なネットワークの場合には CPU を多く使用するようになる可能性があります。

CEF は、次の 2 つのテーブルを使うことによってこのような問題に対処します。Forwarding Information Based(FIB; 転送情報ベース)テーブルおよび隣接関係テーブル。隣接関係テーブルは、レイヤ 3(L3)アドレスによって参照され、パケットをフォワーディングするのに必要な対応レイヤ 2(L2)データが入っています。ルータが隣接ノードを発見したときに、このテーブルにエントリが生成されます。FIB テーブルは、L3 アドレスによって参照される mtree です。このテーブルは、ルーティング テーブルに基づいて構築され、隣接関係テーブルを指し示します。

CEF の別の利点は、データベース構造によって宛先ごとまたはパケットごとの負荷バランシングが可能であるということです。CEF についての詳細は、『CEF のホームページ』を参照してください。



分散ファースト/最適スイッチング

分散ファースト/最適スイッチングは、ルーティング決定をインターフェイス プロセッサ(IP)に移動することによってメイン CPU(Route/Switch Processor(RSP))負荷をオフロードします。これは、インターフェイス(Versatile Interface Processor(VIP)、Line Card(LC; ラインカード))ごとに専用 CPU を持つハイエンド プラットフォームでだけ可能です。この場合、ファスト キャッシュは VIP にアップロードされるだけです。パケットが受信されると、VIP はそのテーブルに基づいてルーティング決定を行おうとします。それが成功した場合、出力インターフェイスのキューに直接パケットを入れます。失敗した場合は、次に設定されているスイッチング パス(最適スイッチング -> ファースト スイッチング -> プロセス スイッチングの順)にパケットをキューイングします。

分散スイッチングによって、アクセス リストは VIP にコピーされます。これは、RSP の 介入なしに VIP がパケットをアクセス リストと照合できることを意味します。



分散 CEF

分散 CEF(dCEF)は、分散スイッチングと似ていますが、テーブル間の同期の問題は分散スイッチングよりも少なくなります。dCEF は、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0 で利用できる唯一の分散スイッチング方式です。ルータで分散スイッチングがイネーブルにされている場合は、FIB テーブルまたは隣接関係テーブルはルータ内のすべての VIP にアップロードされることを理解しておくことが重要です。これはインターフェイスが CEF または dCEF のどちらに設定されている場合も同様です。

dCEF によって、VIP はアクセス リスト、ポリシーベース ルーティング データおよびレート制限ルールも処理します。これらはすべて、VIP カードの中に保持されています。dCEF とともに Netflow をイネーブルにして、VIP によるアクセス リスト処理をエンハンスできます。

次の表では、各プラットフォームごとに、スイッチング パスの種類をサポートしている Cisco IOS ソフトウェアのバージョンを一覧しています。

スイッチング
パス
ローエンド
未満(1)
ロー/
ミドル
エンド(2)
Cisco
AS5850
Cisco
7000
w/RSP
Cisco
72xx/71xx
Cisco
75xx
Cisco
GSR
12xxx
備考

プロセス スイッチング

ALL

ALL

ALL

ALL

ALL

ALL

NO

スイッチング キャッシュを初期化

ファースト

NO

ALL

ALL

ALL

ALL

ALL

NO

ハイエンドの IP を除きすべてに対してデフォルト

最適スイッチング

NO

NO

NO

ALL

ALL

ALL

NO

12.0 以前の IP 用ハイエンドに対してデフォルト

NetFlow スイッチング(3)

NO

12.0(2)、12.0T および 12.0S

ALL

11.1CA、11.1CC、11.2、11.2P、11.3、11.3T、12.0、12.0T、12.0S

11.1CA、11.1CC、11.2、11.2P、11.3、11.3T、12.0、12.0T、12.0S

11.1CA、11.1CC、11.2、11.2P、11.3、11.3T、12.0、12.0T、12.0S

12.0(6)S

 

分散最適スイッチング

NO

NO

NO

NO

NO

11.1、11.1CC、11.1CA、11.2、11.2P、11.3、11.3T

NO

VIP2-20、40、50 を使用。12.0 からは使用不可。

CEF

NO

12.0(5)T

ALL

11.1CC、12.0、12.0x

11.1CC、12.0、12.0x

11.1CC、12.0、12.0x

NO

12.0 からの IP 用ハイエンドに対してデフォルト

dCEF

NO

NO

ALL

NO

NO

11.1CC、12.0、12.0x

11.1CC、12.0、12.0x

75xx+VIP および GSR でのみ


(1)801 から 805 を含む。

(2)806 以降、1000、1400、1600、1700、2600、3600、3700、4000、AS5300、AS5350、AS5400、および AS5800 シリーズ。

(3)1400、1600、および 2500 プラットフォームでの NetFlow エクスポート v1、v5、v8 のサポートは、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(4)T が対象になっています。これらのプラットフォームでの NetFlow のサポートは、Cisco IOS ソフトウェア 12.0 のメインライン リリースでは行われていません。

(4) RSP720-3C/MSFC4、RSP720-3CXL/MSFC4、7600-ES20-GE3CXL/7600-ES20-D3CXL、および SUP720-3BXL/MSFC3 の各プラットフォームにおいて UHP を使用した場合のパフォーマンスへの影響は、明示的 NULL であり、PE での再循環やパフォーマンスの低下が生じます。スループットは RSP720-3C/MSFC4、RSP720-3CXL/MSFC4、および SUP720-3BXL/MSFC3 では 20 Mpps から 12 Mpps に低下し、7600-ES20-GE3CXL/7600-ES20-D3CXL では 48 Mpps から 25 Mpps に低下します。



NetFlow スイッチング

NetFlow スイッチングとは不適切な命名であり、これがスイッチング パスと同じ方法で設定されるということから、ますます混同されています。実際には、NetFlow スイッチングはスイッチング パスではありません。これは、NetFlow キャッシュではレイヤ 2 の書き換えに必要な情報が含まれることも、その情報を指し示すこともされていないためです。スイッチングの決定は、アクティブなスイッチング パスによって行われる必要があります。

NetFlow スイッチングでは、ルータがトラフィックをフローごとに分類します。フローは、任意の発信元エンドポイントと宛先エンドポイント間の単方向パケット シーケンスとして定義されます。ルータは、送信元アドレスと宛先アドレス、トランスポート層ポート番号、IP プロトコル タイプ、Type of Service(ToS; タイプ オブ サービス)、および送信元インターフェイスを使ってフローを定義します。このようにトラフィックの分類することによって、大量のアクセス リスト、キューイング、アカウンティング ポリシー、および強力なアカウンティングや課金といった CPU 要求の厳しい機能に対して、ルータはフローの最初のパケットだけを処理します。詳細は、『NetFlow のホームページ』を参照してください。



分散サービス

ハイエンド プラットフォームでは、CPU を多用する複数のタスク(パケット スイッチング アルゴリズムだけではない)を、メイン プロセッサから VIP カード上などに搭載されている分散プロセッサに移動できます(7500)。このようなタスクのいくつかは、汎用プロセッサから、専用ハードウェア上に機能を実装する専用ポート アダプタまたはネットワーク モジュールにエクスポートできます。

可能な限り、メイン プロセッサから VIP のプロセッサにタスクをオフロードするのが一般的です。これにより、リソースが解放され、ルータの性能が向上します。オフロード可能なプロセスとしては、パケット圧縮、パケット暗号化、および均等化キューイングがあります。オフロードできるタスクについての詳細は、次の表を参照してください。利用可能なサービスの詳細な説明は、『Cisco 7500 の分散サービス』を参照してください。

サービス 機能

基本スイッチング

Cisco Express Forwarding(CEF)の IP フラグメント化、ファースト EtherChannel

VPN

ACL:拡張およびターボ Cisco encryption、Generic route encapsulation(GRE; 総称ルーティングカプセル化)トンネル、IP Security(IPSec)Layer 2 Tunneling Protocol(L2TP; レイヤ 2 トンネリング プロトコル)トンネル

QoS

NBAR トラフィック シェーピング(dTS)、ポリシング(CAR)、輻輳回避(dWRED)、最小帯域幅の保証(dCBWFQ)、BGPh ポリシー ルーティングによるポリシー伝搬

マルチサービス

低遅延キューイング、FRF 11/12、RTP ヘッダー圧縮、リンク フラグメンテーションおよびインターリービング機能を備えたマルチリンク PPP

アカウンティング

出力アカウンティング、NetFlow エクスポート、優先順位、MAC アカウンティング

ロード バランシング

CEF ロード バランシング、マルチリンク PPP

キャッシング

WCCP V1 WCCP V2

圧縮

L2 ソフトウェアおよびハードウェア圧縮、L3 ソフトウェアおよびハードウェア圧縮

マルチキャスト

マルチキャスト 分散スイッチング




スイッチング パスの選択

基本ルールは、dCEF、CEF、最適、ファーストから利用可能な最適のスイッチング パスを選ぶことです(最も速いものから最も遅いもの)。CEF または dCEF をイネーブルにすると、最高のパフォーマンスが得られます。NetFlow スイッチングをイネーブルにすると、設定によってはパフォーマンスが向上することも、低下することもあります。アクセスリストが非常に大きい場合、またはアカウンティングを行う必要がある場合、あるいはこの両方が該当する場合は、NetFlow スイッチングを推奨します。通常、NetFlow は、CPU の能力が高く、多くの機能を備えたエッジ ルータでイネーブルにします。ファースト スイッチングと CEF など、複数のスイッチング パスを同一インターフェイス上に設定している場合、ルータはそのすべてを最適のものから最低のものまで試します(CEF からプロセススイッチまで)。



ルータのモニタリング

スイッチング パスが有効に使われているか、またルータにどれくらいの負荷がかかっているかを知るには、次のコマンドを使用します。

show ip interfaces:このコマンドは、特定インターフェイスに適用されているスイッチング パスの概要を示します。

Router#show ip interfaces
Ethernet0/0 is up, line protocol is up
 Internet address is 10.200.40.23/22
 Broadcast address is 255.255.255.255
 Address determined by setup command
 MTU is 1500 bytes
 Helper address is not set
 Directed broadcast forwarding is disabled
 Outgoing access list is not set
 Inbound access list is not set
 Proxy ARP is enabled
 Security level is default
 Split horizon is enabled
 ICMP redirects are always sent
 ICMP unreachables are always sent
 ICMP mask replies are never sent
 IP fast switching is enabled
 IP fast switching on the same interface is disabled
 IP Flow switching is disabled
 IP CEF switching is enabled
 IP Fast switching turbo vector
 IP Normal CEF switching turbo vector
 IP multicast fast switching is enabled
 IP multicast distributed fast switching is disabled
 IP route-cache flags are Fast, CEF
 Router Discovery is disabled
 IP output packet accounting is disabled
 IP access violation accounting is disabled
 TCP/IP header compression is disabled
 RTP/IP header compression is disabled
 Probe proxy name replies are disabled
 Policy routing is disabled
 Network address translation is disabled
 WCCP Redirect outbound is disabled
 WCCP Redirect inbound is disabled
 WCCP Redirect exclude is disabled
 BGP Policy Mapping is disabled

この出力から、ファースト スイッチングがイネーブルであること、NetFlow スイッチングがディセーブルであること、そして CEF スイッチングがイネーブルであることが分かります。

show processes cpu:このコマンドは、CPU の負荷に関する有用な情報を表示します。詳細は、『Cisco ルータの CPU 使用率が高い場合のトラブルシューティング』を参照してください。

Router#show processes cpu
CPU utilization for five seconds: 0%/0%; one minute: 0%; five minutes: 0%
 PID  Runtime(ms)  Invoked  uSecs    5Sec   1Min   5Min TTY Process 
   1          28    396653      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 Load Meter       
   2         661     33040     20   0.00%  0.00%  0.00%   0 CEF Scanner      
   3       63574    707194     89   0.00%  0.00%  0.00%   0 Exec             
   4     1343928    234720   5725   0.32%  0.08%  0.06%   0 Check heaps      
   5           0         1      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 Chunk Manager    
   6          20         5   4000   0.00%  0.00%  0.00%   0 Pool Manager     
   7           0         2      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 Timers           
   8      100729     69524   1448   0.00%  0.00%  0.00%   0 Serial Backgroun 
   9         236     66080      3   0.00%  0.00%  0.00%   0 Environmental mo 
  10       94597    245505    385   0.00%  0.00%  0.00%   0 ARP Input        
  11           0         2      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 DDR Timers       
  12           0         2      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 Dialer event     
  13           8         2   4000   0.00%  0.00%  0.00%   0 Entity MIB API   
  14           0         1      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 SERIAL A'detect  
  15           0         1      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 Critical Bkgnd   
  16      130108    473809    274   0.00%  0.00%  0.00%   0 Net Background   
  17           8       327     24   0.00%  0.00%  0.00%   0 Logger           
  18         573   1980044      0   0.00%  0.00%  0.00%   0 TTY Background   
[...]

show memory summary:このコマンドの最初の行には、ルータのメモリ使用量およびメモリやバッファに関する有用な情報が表示されます。

Router#show memory summary
                Head    Total(b)     Used(b)     Free(b)   Lowest(b)  Largest(b)
Processor   8165B63C     6965700     4060804     2904896     2811188     2884112
      I/O    1D00000     3145728     1770488     1375240     1333264     1375196

[...]

show interfaces stat および show interfaces switching:この 2 つのコマンドは、ルータが使用しているパスと、トラフィックのスイッチング方法を表示します。

Router#show interfaces stat 
       Ethernet0 
                 Switching path    Pkts In   Chars In   Pkts Out  Chars Out 
                      Processor      52077   12245489      24646    3170041 
                    Route cache          0          0          0          0 
              Distributed cache          0          0          0          0 
                          Total      52077   12245489      24646    3170041

Router#show interfaces switching 
       Ethernet0 
                 Throttle count          0 
               Drops         RP          0         SP          0 
         SPD Flushes       Fast          0        SSE          0 
         SPD Aggress       Fast          0 
        SPD Priority     Inputs          0      Drops          0 

            Protocol       Path    Pkts In   Chars In   Pkts Out  Chars Out 
               Other    Process          0          0        595      35700 
                   Cache misses          0 
                           Fast          0          0          0          0 
                      Auton/SSE          0          0          0          0 
                  IP    Process          4        456          4        456 
                   Cache misses          0 
                           Fast          0          0          0          0 
                      Auton/SSE          0          0          0          0 
                 IPX    Process          0          0          2        120 
                   Cache misses          0 
                           Fast          0          0          0          0 
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                   Cache misses          0 
                           Fast         11        660          0          0 
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                   Cache misses          0 
                           Fast          0          0          0          0 
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                           Fast          0          0          0          0 
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                 CDP    Process        200      63700        100      31183 
                   Cache misses          0 
                           Fast          0          0          0         0 
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