ダイヤルとアクセス : 総合デジタル通信網(ISDN)、個別線信号方式(CAS)

トラブルシューティング:BRI レイヤ 2

2010 年 4 月 28 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2005 年 11 月 15 日) | フィードバック

目次

概要
前提条件
      要件
      使用するコンポーネント
      表記法
スイッチ タイプの確認
debug isdn q921 出力について
      レイヤ 2 の問題の原因を特定する方法
      レイヤ 2 の問題を示すメッセージを特定する方法
その他のトラブルシューティング手順
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

Integrated Services Digital Network(ISDN; サービス総合デジタル ネットワーク)の Basic Rate Interface(BRI; 基本速度インターフェイス)をトラブルシューティングする場合、ルータが電話会社の ISDN 交換機と正しく通信できるかどうかをまず判別する必要があります。これについて確認したら、ダイヤラ設定、対象トラフィック定義、PPP 障害といった、より上位の問題のトラブルシューティングに進むことができます。



前提条件

要件

このドキュメントの読者は次の項目に関する知識が必要です。

注:次のコマンドを使用して、デバッグ用のミリ秒単位のタイムスタンプをアクティブにしてください。

maui-soho-01(config)#service timestamps debug datetime msec
maui-soho-01(config)#service timestamps log datetime msec



使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。

  • Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.0

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼動中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。



表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

スイッチ タイプの確認

show isdn status コマンドを使用し、インターフェイスのスイッチ タイプが正しく設定されていることを確認します。スイッチ タイプが設定されていない例を次に示します。

maui-soho-01#show isdn status
**** No Global ISDN Switchtype currently defined ****
ISDN BRI0 interface
dsl 0, interface ISDN Switchtype = none
Layer 1 Status:
ACTIVE
Layer 2 Status:
Layer 2 NOT Activated

!-- 無効なスイッチ タイプがレイヤ 1 またはレイヤ 2 の問題として表示される可能性があります。

Layer 3 Status:
0 Active Layer 3 Call(s)
Activated dsl 0 CCBs = 0
The Free Channel Mask: 0x80000003
Total Allocated ISDN CCBs = 0

スイッチ タイプが設定されていない場合、または設定が正しくない場合は、インターフェイスでスイッチ タイプを設定します。

ヒント:設定を必要とするスイッチ タイプについては、電話会社から明示的な指定があります。特に北米では、電話会社がスイッチ タイプとして「custom」や「national」を指定する場合があります。この場合は、次のガイドラインに従ってスイッチ タイプの設定を決めてください。

  • Custom の場合:電話会社から指定されたスイッチ タイプが「Custom」の場合は、ルータのスイッチ タイプを basic-5ess(5ess スイッチを使用した BRI の場合)、primary-5ess(5ess を使用した PRI の場合)、basic-dms(DMS スイッチを使用した BRI の場合)、または primary-dms(DMS を使用した PRI の場合)として設定してください。

  • National の場合:BRI の場合は NI-1 規格、PRI の場合は NI-2 規格に準拠しているスイッチ タイプです。電話会社から通知されたスイッチ タイプが「National」の場合は、Cisco ルータの設定を basic-ni(BRI の場合)または primary-ni(PRI の場合)にしてください。

注:Cisco IOS ソフトウェア リリース 11.2 以前では、設定する ISDN スイッチ タイプはグローバル コマンドです(つまり、IOS 11.2 以前では、BRI カードと Primary Rate Interface(PRI; 一次群速度インターフェイス)カードを同じ Cisco シャーシ内では使用できません)。Cisco IOS 11.3T 以降では、1 つの Cisco IOS シャーシ内で複数のスイッチ タイプがサポートされています。

使用しているスイッチ タイプについて電話会社に問い合わせてから、次に示すように isdn switch-type コマンドを使用してルータでスイッチ タイプを設定します。

maui-soho-01#configure terminal 
Enter configuration commands, one per line.End with CNTL/Z.
maui-soho-01(config)#isdn switch-type basic-5ess
maui-soho-01(config)#exit


debug isdn q921 出力について

次に示す各ステップを実行した後、show isdn status コマンドを使用して BRI レイヤ 1 と 2 が動作しているかどうかを確認します。

  1. debug isdn q921 をオンにして、ルータから電話会社の ISDN スイッチに送信されるメッセージを追跡します。

  2. 次に、clear interface bri number を使用して BRI インターフェイスをリセットします。これによって、ルータは電話会社の ISDN スイッチとレイヤ 2 情報を再ネゴシエートすることを強制されます。

    レイヤ 2 のネゴシエーションが成功した例を次に示します。

maui-soho-01#undebug all
All possible debugging has been turned off 
maui-soho-01#debug isdn q921
ISDN Q921 packets debugging is on
maui-soho-01#show debug
ISDN:
ISDN Q921 packets debugging is on
ISDN Q921 packets debug DSLs.(On/Off/No DSL:1/0/-)
DSL  0 --> 1
1 -
...
...

maui-soho-01#clear interface bri 0
maui-soho-01#
*Mar 1 00:03:46.976: ISDN BR0: TX -> IDREQ ri = 29609 ai = 127  

! -- IDREQ:Terminal Endpoint Identifier(TEI; ターミナル エンドポイント識別子)
! -- を要求して ISDN スイッチに転送(Tx)された ID 要求
! -- アクション インジケータである AI = 127 は、ISDN スイッチが利用可能な 
! -- 任意の TEI 値を割り当てられることを示します

*Mar 1 00:03:47.000: ISDN BR0: RX <- IDASSN RI = 29609 AI = 96

! -- IDASSN:ISDN スイッチによって割り当てられた TEI 値(96)で
! -- 受信(Rx)された ID に割り当てられたメッセージ

*Mar 1 00:03:47.016: ISDN BR0: TX -> SABMEp sapi = 0 tei = 96

! -- 接続が Multiple Frame Established の状態になるように要求します

*Mar 1 00:03:47.036: ISDN BR0: RX <- UAf sapi = 0 tei = 96

! -- SABME メッセージの Unnumbered Acknowledgment(UA)
! -- 現在、レイヤ 2 は Multiple Frame Established になりました

*Mar 1 00:03:47.040: %ISDN-6-LAYER2UP: Layer 2 for Interface BR0, TEI 96
changed to up
*Mar 1 00:04:07.340: ISDN BR0: RX <- INFOc sapi = 0 tei = 96 ns = 0 nr = 0
i = 0x08007B3201C3
*Mar 1 00:04:07.352: ISDN BR0: TX -> RRr sapi = 0 tei = 96 NR = 1

! -- RRr Service Access Point Identifier(sapi=0)は、データ リンク サービスが
! -- ネットワーク レイヤに提供されることを示します。


debug isdn q921 の詳細とレイヤ 2 ネゴシエーション シーケンスをデコードする方法については、『Debug コマンド リファレンス』を参照してください。また、詳細なデバッグ情報については、debug isdn event を使用することもできます。

正常に機能している回線(レイヤ 2 は Multiple Frame Established である)に対して、リンクがアップ状態であることを示すためにルータと ISDN スイッチの間で RRp sapi = 0 and RRf sapi = 0 メッセージを定期的に交換する必要があります。Receiver Ready poll(RRp)と Receiver Ready final(RRf)の間の sapi メッセージの間隔は、通常は 10〜30 秒です。30 秒間隔のメッセージの例を次に示します。

*Mar  1 01:33:48.559: ISDN BR0: TX ->  RRp sapi = 0  tei = 96 NR = 0 
*Mar  1 01:33:48.579: ISDN BR0: RX <-  RRf sapi = 0  tei = 96  NR = 0
*Mar  1 01:34:18.347: ISDN BR0: TX ->  RRp sapi = 0  tei = 96 NR = 0 
*Mar  1 01:34:18.367: ISDN BR0: RX <-  RRf sapi = 0  tei = 96  NR = 0



レイヤ 2 の問題の原因を特定する方法

レイヤ 2 の問題は、通常はカスタマー サイトでは対処できません。ただし、レイヤ 2 のデバッグ(またはデバッグの解釈)を参考用として電話会社に提供することはできます。debug isdn q921 コマンド出力は、ISDN スイッチとルータの間に発生するレイヤ 2 トランザクションの詳細を提供します。

メッセージの方向に注意してください。このデバッグでは、メッセージがルータで発生したものか(TX -> で表示)、ルータで受信されたものか(RX <-- で表示)が示されています。次の例では、最初のメッセージ(IDREQ)はルータから送信され、2 番目のメッセージ(IDASSN)は ISDN スイッチから送信されています。

*Mar 1 00:03:46.976: ISDN BR0: TX -> IDREQ RI = 29609 AI = 127
*Mar 1 00:03:47.000: ISDN BR0: RX <- IDASSN RI = 29609 AI = 96     

特定のメッセージおよび応答の方向を追跡することで、問題の根源を突き止めることができます。たとえば、電話会社の ISDN スイッチが予期せずレイヤ 2 接続解除を送信する場合、ルータはレイヤ 2 のリセットも行います。これは、問題が電話会社の ISDN スイッチにあることを示します。



レイヤ 2 の問題を示すメッセージを特定する方法

ルータと ISDN スイッチは、多くのレイヤ 2 メッセージを送受信します。ほとんどのメッセージは通常のものであり、通常の動作を検証するために使用されます。ただし、一部のメッセージはレイヤ 2 の問題を示す場合があります。たまに発生するリセットはサービスに影響しませんが、レイヤ 2 の不安定さが長引くようであれば、回線をさらに詳しく調査する必要があります。

次の表は、問題を表示する debug isdn q921 レイヤ 2 メッセージを示しています。

メッセージ

説明

考えられる解決策

ID-Denied

ISDN スイッチは、要求された Terminal Endpoint Identifier(TEI)を割り当てることができません。このメッセージに AI=127 がある場合、ISDN スイッチには利用可能な TEI はありません。

通常、このメッセージの後ろにルータからの別の IDREQ が続きます。

BRI インターフェイスに対して clear interface bri number または shut/no shut を使用することで BRI インターフェイスをリセットします。

AI=127 である場合、電話会社/プロバイダーに連絡します。

IDREM

ISDN スイッチは、接続から TEI(ID)を削除しています。ルータは、その TEI を使用している既存のすべての通信を廃棄する必要があります。

新しい TEI が後で割り当てられたかどうかを確認します。割り当てられていない場合は、電話会社に連絡します。

DISC

DISConnect メッセージを送信している側が、リンクでレイヤ 3 動作を終了しました。これは、もう一方の側で認識されていない(UAcknowledged)可能性があります。

その後、ルータはリンクを再確立する SABME メッセージを送信する必要があります。

接続解除メッセージがルータから発信されている場合、インターフェイス上で clear interface bri number または shut/no shut を使用してインターフェイスをリセットします。

DISC メッセージが ISDN スイッチから発信されている場合は、電話会社に連絡します。ルータが SABME を開始しない場合、まずインターフェイスをリセットしてください。

DM

応答確認された接続解除モードです。このメッセージを送信するデバイスは、Multiple Frame Established 状態になろうとはしません。ルータはレイヤ 2 状態の TEI_ASSIGNED のままになります。

SABME は、もう一方の側が DM ではなく UA で応答するまで再送信されます。

ルータによって DM が生成される場合、インターフェイスで clear interface bri number または shut/no shut を使用してインターフェイスをリセットします。

DM メッセージが ISDN スイッチから発信されている場合は、電話会社に連絡します。

FRMR

(ISDN スイッチからの)フレーム拒否応答は、再送信では回復できないエラーを示します。

ルータはレイヤ 2 リセットを開始して、Multiple Frame Established 状態に移行するために SABME を転送します。

ルータが SABME を開始しない場合、インターフェイスに対して clear interface bri number または shut/no shut を使用してインターフェイスをリセットします。

表に示された受信 DISC メッセージの例は、次のように提供されます。

Jan 30 10:50:18.523: ISDN BR1/0: RX <- RRf sapi = 0 tei = 71 NR = 0
Jan 30 10:50:23.379: ISDN BR1/0: RX <- DISCp sapi = 0 tei = 71
Jan 30 10:50:23.379: %ISDN-6-Layer2DOWN: Layer 2 for Interface BR1/0,TEI 71
  changed to down
Jan 30 10:50:23.383: ISDN BR1/0: TX -> UAf sapi = 0 tei = 71


その他のトラブルシューティング手順

トラブルシューティングには、他にも次のようないくつかのステップがあります。

  1. ルータが ISDN Q.921 IDREQ を送信しており、ISDN スイッチから何も応答を受信していないことがわかったとき、SPID が正しく設定されていることを確認し、電話会社に SPID を確認して、必要であれば電話会社に SPID の追跡を依頼してください。

    次に例を示します。

    19:27:31: TX -> IDREQ RI = 19354 AI = 127 dsl = 0
    19:27:33: TX -> IDREQ RI = 1339 AI = 127 dsl = 0
    19:27:35: TX -> IDREQ RI = 22764 AI = 127 dsl = 0
    19:27:37: TX -> IDREQ RI = 59309 AI = 127 dsl = 0
    
    

    それぞれの IDREQ には AI = 127 があるので、ISDN スイッチが利用可能な任意の TEI 値を割り当てるように要求しているのがわかります。

  2. 通常、ルータには、電源投入時に ISDN スイッチによって TEI が割り当てられます。しかし、特にヨーロッパでは、アクティブ コールがないときにスイッチがレイヤ 1 またはレイヤ 2 を非アクティブにする場合があります。場合によっては、ISDN コールが発信または着信された際に TEI ネゴシエーションが行われるように、BRI インターフェイスで isdn tei-negotiation first-call を設定する必要があります。通常、この設定は、ヨーロッパの ISDN サービスや、TEI ネゴシエーションを開始する設計になっている dms100 スイッチへの接続に使用されます。

    maui-soho-01(config)#interface bri 0
    maui-soho-01(config-if)#isdn tei-negotiation first-call  
    
    

    この場合、TEI ネゴシエーションが行われるには、ダイヤルアウトを開始するかコールを着信することが必要になる場合があります。ダイヤルアウトを行うには、DDR 設定が正しいことを確認します。

  3. ルータをリロードします。

  4. 前述の手順をすべて実行し、レイヤ 1 と 2 が適切に確立されないことが続く場合、電話会社に連絡してトラブルシューティングを進めてください。




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