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目次
概要このドキュメントでは、ダイヤラ プロファイルの設定とトラブルシューティングのヒントを説明しています。 前提条件要件このドキュメントの読者は次の項目に関する知識が必要です。
使用するコンポーネントこのドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。 Software Advisor ツール(登録ユーザ専用)を使用すると、稼働中の Cisco IOS ソフトウェアのバージョンでこの機能がサポートされていることを確認できます。 ヒント:Software Advisor ツールでは、「Dynamic Multiple Encapsulation for Dial-in over ISDN」という名前の機能を検索してください。 表記法ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。 背景説明レガシー Dial-on-Demand Routing(DDR; ダイヤルオンデマンド ルーティング)は多くのシナリオで有用ですが、さまざまなユーザにさまざまな特性を定義することによりユーザを差別化することが必要な場合には制限があります。これはレガシー DDR では実現できません。ダイヤラ プロファイルは、ユーザ固有のプロファイルをルータ上で設定できるようにするために、新しい DDR モデルとして設計されています。プロファイルは特定のユーザの特性を決定し、またプロファイルは着信/発信 DDR コールの物理インターフェイス(非同期インターフェイスや Basic Rate Interface [BRI; 基本速度インターフェイス] など)に動的にバインドされます。ダイヤラ プロファイルは、着信/発信ダイヤルで Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)、High-level Data Link Control(HDLC; 高レベル データリンク制御)、フレーム リレー、または X.25 のカプセル化をサポートしています。推奨される選択肢は PPP カプセル化で、このドキュメントでは PPP を中心に扱っています。 ダイヤラ プロファイルが適切であることの確認ダイヤラ プロファイルが使用中の設定にとって最善のオプションであるかどうかを判断するには、次の質問に答えてください。回答が「どちらでもない」である場合は「いいえ」と解釈します。使用する最善の方法を決定するには、以下に示すフローチャートに対する次の質問に答える必要があります。
最適な DDR の実装方法を決定するには、次のフローチャートを使用します。 DDR ソリューションの比較フローチャート
レガシー DDR についての詳細は、『ダイヤルオンデマンド ルーティングの設定』の「Cisco IOS ダイヤル テクノロジーの設定ガイド」の章を参照してください。 Virtual Profile(VP; バーチャル プロファイル)についての詳細は、『バーチャル テンプレート、プロファイル、およびネットワーク』の「Cisco IOS ダイヤル テクノロジーの設定ガイド」の章を参照してください。 Large-Scale Dial-Out(LSDO; 大規模ダイヤル アウト)についての詳細は、『大規模ダイヤル アウトの設定』の「Cisco IOS ダイヤル テクノロジーの設定ガイド」の章を参照してください。 レガシー DDR と比べたダイヤラ プロファイルの利点
状況の例ダイヤラ プロファイルが有用である一般的な状況としては次のものがあります。
上記の状況の大部分は、ダイヤラ プロファイルが理想的な選択である個々のユーザに関する問題について述べています。上記のリストには、ダイヤラ プロファイルを使用可能な状況がすべて含まれているわけではないことに注意してください。 制約ダイヤラ プロファイルには既知の制限があります。次に例を示します。
ダイヤラ プロファイルのコンポーネントダイヤラ プロファイルは次の要素で構成されています。
次のダイアグラムに、ダイヤラ プロファイルのさまざまな要素間の相互作用の例を示します。
ダイヤラ プロファイルを使用したバインディング プロセスについてここでは、コール単位で物理インターフェイスにダイヤラ プロファイルを動的にバインドするという概念を詳細に説明しています。 特定のピアに関する設定情報は、ダイヤラ プロファイル内に含まれています。その特定のピアが物理ポートを介してダイヤルインまたはダイヤルアウトされると、ルータは、リモートのダイヤラ プロファイルを物理インターフェイスにバインドする必要があります。ルータでは複数のダイヤラ プロファイルが設定されている場合が多いため、ルータは、特定のコール(着信または発信のいずれか)に関してどのプロファイルをバインドするかを適切に選択する必要があります。ダイヤルアウトまたはダイヤルインに関するこの問題を説明するため、フローチャートが付属するステップごとの手順を提示します。ステップごとの手順を使用する際には、フローチャートを参照してください。 ダイヤルアウトこのシナリオは、ダイヤラ ロータリー グループの動作に非常によく似ています。物理インターフェイスでは、特定の接続に関するダイヤラ プロファイルの特性を前提としています。バインディング プロセスを次に示します。
ダイヤルアウトのフローチャート
ダイヤラ プールが ISDN インターフェイス、非同期インターフェイス、または両者の混合から構成されているかどうかに関係なく、この一連の手順は同じです。 あるプロファイルからの発信コールの数は、最小と最大のしきい値で(dialer pool-member pool_number max-link number min-link number コマンドを使用して)管理できます。最小しきい値は予約システムとして機能するのに対し、最大しきい値はプロファイルの過剰な使用を防止します。しきい値に到達すると、そのプロファイル上ではそれ以上の発信コールは許可されません。 ダイヤルイン着信インターフェイスは複数のプールのメンバになることが可能で、これらのプールは複数のダイヤラ プロファイルと関連付けることができるため、着信コールに関するダイヤラ プロファイルのバインディングはより複雑になります。ダイナミック バインディングが不可能である場合、そのコールは接続解除されます。バインディング プロセスを次に示します。 注:このプロセスは実行順に示されています。最初の一致が見つかった時点で、コールはダイヤラ インターフェイスにバインドされます。
ダイヤルインのフローチャート
バインドが行われたことが、接続の成功を意味してはいないことに注意してください。これは単に、この時点で物理インターフェイスは使用できる設定を持っていることを意味します。ただし、その他の理由(IP Control Protocol(IPCP)の失敗など)により、コールが依然として接続解除されている可能性があります。 バインディングが成功し、デバイスの認証が終わると、ルータでは dialer remote-name が、ピアの認証されたユーザ名と一致するかどうかがチェックされます。名前が一致しない場合、コールは接続解除されます。 発信者 ID または DNIS を使用してバインドできるのは、同期 ISDN コールだけです。モデム コールが ISDN BRI または PRI 接続で配送された場合に、提供された CLID/DNIS をモデム コールのバインド用に使用する試みは、現時点では行われません。 あるプロファイルからの着信コールの数は、最大しきい値(dialer pool-member コマンドの max-link オプション)で管理できます。最大しきい値はプロファイルの過剰な使用を防止します。ルータはコールに応答し、どのプロファイルがコールの対象であるか、およびプロファイルの最大接続上限に達したかどうかを判別します。最大値に到達している場合、コールは接続解除されます。 ダイヤラ プロファイルの設定作業の概要ダイヤラ プロファイルを設定するには、次のタスクを実行します。
構成例
上記の図では次のようになっています。
インターフェイス Dialer1 が DDR 接続を確立する必要がある場合、ダイヤラ プール 10 の BRI のいずれかを使用します。この場合、BRI 0、BRI 1、または BRI 2 からの B チャネルがコールに使用されます。 ダイヤラ インターフェイス Dialer2 が DDR 接続を確立する必要がある場合は、ダイヤラ プール 20(および拡張により BRI 1 または BRI 2)を使用します。 ダイヤラ プール内でのコンテンションを回避するため、ダイヤラ プールの物理インターフェイスにプライオリティを設定できます。 ダイヤラ インターフェイスの設定ダイヤラ インターフェイスの設定作業を、次の設定例に示します。 interface Dialer1 ip address 1.1.1.1 255.255.255.0 ! -- IP アドレス。 ! -- 分かりやすくするため、同じネットワーク内のこのアドレスをピアに保ちます。 ! -- 必要に応じて、代わりにこれを別のインターフェイスに番号変更できます。 encapsulation ppp dialer remote-name Smalluser ! -- ピアの認証されたリモート名。 ! -- この名前がリモートの認証された名前と正確に一致すること確認します。 dialer string 5554540 ! -- 発信コールの番号です。着信コールの場合、これは必要ありません。 ! -- 同じダイヤラ インターフェイスに、複数のダイヤル文字列を指定できます。 dialer caller 5554540 ! -- バインディングに使用される CLID 情報です。 dialer pool 10 !-- ダイヤラ プール 10 のメンバです。 !-- ダイヤラ インターフェイスは 1 つのプールだけのメンバになることができます(逆は真ではありません)。 dialer-group 1 ! -- 対象トラフィックは dialer-list 1 により定義されています。 ! interface Dialer2 ip address 2.2.2.2 255.255.255.0 encapsulation ppp dialer remote-name Mediumuser !-- remote-name はその他のプロファイルとは異なることに注意してください。 !-- 2 つのダイヤラ プロファイルの設定には同じ remote-name を使用しないでください。 dialer string 5554541 dialer caller 5554541 dialer load-threshold 50 either ! -- マルチリンク PPP の負荷しきい値(50/255=20 %)。 dialer pool 20 dialer-group 2 ppp multilink ! -- Dialer 2 はマルチリンク PPP を実行できます。 ! interface Dialer3 ip address 3.3.3.3 255.255.255.0 encapsulation ppp dialer remote-name Poweruser dialer string 5554542 class Eng !--- 5554542 をダイヤルし、「Eng」という名前の map-class(定義は下にあります)を使用します。 dialer caller 5554542 dialer hold-queue 10 dialer load-threshold 80 ! -- マルチリンク PPP の負荷しきい値(80/255=32 %)。 dialer pool 30 dialer-group 2 ppp multilink ! -- Dialer 3 はマルチリンク PPP を実行できます。 ! map-class dialer Eng !-- Dialer3 のダイヤラ ストリングとともに使用された、「Eng」という名前の map-class。 isdn speed 56 注:接続する必要があるすべてのリモート デバイスのダイヤラ インターフェイスを設定します。 ダイヤラ インターフェイスの設定に必要な最小限のコマンド
注:dialer-list dialer-group protocol protocol-name {permit | deny | list access-list-number} コマンドは、コールをトリガーするために「対象」パケットを定義する、プロトコルまたはアクセス リスト番号を指定します。 map-class dialer コマンドの設定map-class dialer class-name コマンドを使用すると、マップクラスを指定し、マップクラスの設定モードに入ることができます。次の表にオプションを示します。
注:上記のダイヤラ コマンドの一部は、ダイヤラ インターフェイスまたはマップクラスで直接設定できます。同じコマンドが複数回出現する場合があり、またパラメータが異なる可能性があります。優先順位の順序は、最高から最低まで次のようにならんでいます。
物理インターフェイスの設定物理インターフェイスをダイヤラ プールに割り当てるには、dialer pool-member number コマンドを使用します。このインターフェイス設定コマンドを使用して複数のダイヤラ プール番号を指定することで、1 つのインターフェイスを複数のダイヤラ プールに割り当てることができます。 ダイヤラ プール内でのインターフェイスのプライオリティを設定するには、このコマンドの priority オプションを使用します。 interface BRI0 no ip address encapsulation ppp ! -- このインターフェイスのデフォルトのカプセル化が PPP であることを指定します。 ! -- BRI0 は PPP カプセル化を使用していますが、B チャネルで動作している実際のカプセル化は、 ! -- このインターフェイスにバインドされたダイヤラ プロファイルで設定された ! -- カプセル化によって決定されます。 dialer pool-member 10 priority 100 ! -- BRI 0 はプール 10 のメンバです。 ! interface BRI1 no ip address encapsulation ppp dialer pool-member 10 priority 50 ! -- BRI 1 はプール 10 のメンバです。 ! -- プライオリティは BRI 0 よりも低いことに注意してください。 dialer pool-member 20 priority 100 ! -- BRI 1 はプール 20 のメンバです。 ! -- プライオリティは BRI 2 よりも高いことに注意してください。 ! interface BRI2 no ip address encapsulation x25 ! -- BRI2 は X.25 カプセル化を使用していますが、 ! -- B チャネルでチャネルで動作している実際のカプセル化は、 ! -- このインターフェイスにバインドされたダイヤラ プロファイルで設定された ! -- カプセル化によって決定されます。 dialer pool-member 10 priority 10 ! -- BRI 1 はプール 10 のメンバです。 ! -- プライオリティは BRI 0 および BRI 1 よりも低いことに注意してください。 dialer pool-member 20 priority 50 ! -- BRI 2 はプール 20 のメンバです。 ! -- プライオリティは BRI 1 よりも低いことに注意してください。 dialer pool-member 30 ... ... ... 注:CLID または DNIS ベースのバインディングを実行できない場合、物理インターフェイスでコマンド encapsulation ppp、ppp authentication chap | pap [callin] および ppp multilink(該当する場合)を設定する必要があります。 dialer pool-member オプション コマンドのパラメータには次のものがあります。
ダイヤラ プロファイルの設定例ダイヤラ プロファイルを使用した包括的な設定例については、『ダイヤラ プロファイルを使用した ISDN 用 DDR バックアップの設定』を参照してください。 PPP 以外の設定例については、次のドキュメントを参照してください。
チューニングとオプションのコマンドチューニングとオプションのコマンドの詳細は、ドキュメント『ダイヤラ プロファイルのコマンドを使用したピアツーピア DDR』を参照してください。 ダイヤラ プロファイルの動作の確認show interface dialer1 コマンドを使用すると、着信および発信コールに関する次のような情報が表示されます。
Router# show interfaces dialer1
Dialer1 is up, line protocol is up (spoofing)
! -- ダイヤラ インターフェイスは up/up(スプーフィング)です。
! -- ダイヤラ インターフェイスへの経路がルーティング テーブルに残るように、
! -- ダイヤラ インターフェイスは常に up(スプーフィング)になっています。
! -- 以下の注を参照してください。
Hardware is Unknown
Internet address is 1.1.1.1/24
! -- ダイヤラ インターフェイスの IP アドレス。
MTU 1500 bytes, BW 64 Kbit, DLY 20000 usec, rely 255/255, load 1/255
Encapsulation PPP, loopback not set
! -- ダイヤラ インターフェイス上のカプセル化。
DTR is pulsed for 1 seconds on reset
Interface is bound to BRI0:1
! -- このダイヤラは 1 B-channel にバインドされます。
Last input 00:00:38, output never, output hang never
Last clearing of "show interface" counters 00:05:36
Queueing strategy: fifo
Output queue 0/40, 0 drops; input queue 0/75, 0 drops
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
38 packets input, 4659 bytes
34 packets output, 9952 bytes
Bound to:
BRI0:1 is up, line protocol is up
! -- Dialer1 のバインド先である B-channel。
Hardware is BRI
MTU 1500 bytes, BW 64 Kbit, DLY 20000 usec, rely 255/255, load 1/255
Encapsulation PPP, loopback not set, keepalive not set
Interface is bound to Dialer1 (Encapsulation PPP)
! -- ダイヤラ プロファイルにより適用されたカプセル化。
LCP Open, multilink Open
Last input 00:00:39, output 00:00:11, output hang never
Last clearing of "show interface" counters never
Queueing strategy: FIFO
Output queue 0/40, 0 drops; input queue 0/75, 0 drops
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
78 packets input, 9317 bytes, 0 no buffer
Received 65 broadcasts, 0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored, 0 abort
93 packets output, 9864 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions, 7 interface resets
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
4 carrier transitions
注:ダイヤラ インターフェイスは常に少なくとも up/up(スプーフィング)になります。「スプーフィング」という言葉は、回線は実際にはアップにはなっていませんが、上位レベルのプロトコルが期待どおり動作し続けるように、回線が「アップ」であると装うようにダイヤラが強制していることを意味します。スプーフィングは、DDR の動作を許可するために追加された状態です。インターフェイスは、ルーティングされるパケットに応答して「ダイヤルオンデマンド」を行います。「ダウン」のインターフェイスにはパケットはルーティングされないため、たとえインターフェイスが接続されていない場合であっても、インターフェイスにパケットがルーティングされるよう、インターフェイスはアップを装う(スプーフする)必要があります。スプーフィングは、ダイヤルオンデマンド インターフェイス上では通常の状態です。 ダイヤラ プロファイルのトラブルシューティング
レガシー DDR と同じように、ダイヤラ プロファイルの問題をデバッグするための最も適切なコマンドは debug dialer です。コールが成功した場合、デバッグでは、記録されているメッセージ以外のものは表示されません。失敗した場合は、原因になり得る数多くの問題が存在します。 ダイヤルが行われないdebug dialer をオンにして、ピアへの対象トラフィックを生成します。ルータはダイヤルを試行する必要があります。出力例を次に示します。
maui-soho-01#ping 10.1.1.1
Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 10.1.1.1, timeout is 2 seconds:
*Mar 1 00:24:47.242: BR0 DDR: rotor dialout [priority]
*Mar 1 00:24:47.250: BR0 DDR: Dialing cause ip (s=192.168.1.1, d=10.1.1.1)
*Mar 1 00:24:47.250: BR0 DDR: Attempting to dial 5551111
debug dialer によりデバッグ出力が生成されているかどうかを確認します。debug dialer 出力がまったくない場合、またはバインディングが失敗する場合、最も可能性の高い原因として、送信している IP パケットがダイヤラ インターフェイスにルーティングされていないことが考えられます。次の手順に従ってください。バインディングについての詳細は、このドキュメントの「ダイヤルアウト」セクションを参照してください。 発信コールのバインディング問題のトラブルシューティング発信コールのバインディング問題のトラブルシューティングを行うには、次のステップに従います。
発信コールのルーティング問題のトラブルシューティングダイヤラ プールの設定が正しいことを確認してから、次の作業を行います。
デバッグは出力されても、「Attempting to Dial」メッセージがないこのケースでは、おそらく IP パケットはインターフェイスにルーティングされていますが、なんらかの理由でルータがそのパケットを廃棄するため、コールが開始されません。コールが試行されない原因を突き止めるために、debug dialer 出力を確認します。次に debug dialer により示される問題と考えられる原因をいくつか示します。 例 1
*Mar 1 00:07:22.255: Di1 DDR: ip (s=10.1.0.1, d=192.168.201.1),
100 bytes, outgoing uninteresting (no dialer-group defined).
ダイヤラ インターフェイスに dialer-group が設定されていません。次の例のように dialer-group を追加します。
interface Dialer1
dialer-group 1
例 2
*Mar 1 00:08:24.919: Di1 DDR: ip (s=10.1.0.1, d=192.168.201.1),
100 bytes, outgoing uninteresting (dialer-list 1 not defined).
ダイヤラ インターフェイスに dialer-group 文がありますが、参照されている dialer-list が存在しません。次の例のように dialer-list を設定します。 dialer-list group-number protocol ip permit 注:group-number の値は、dialer-group group-number で設定されている値と同じである必要があります。 この例では、dialer-list 1 を設定します。 例 3
*Mar 1 00:25:32.551: Di1 DDR: ip (s=10.1.0.1, d=192.168.201.1),
100 bytes, outgoing interesting (ip PERMIT)
*Mar 1 00:25:32.555: Di1 DDR: No free dialer - starting fast idle timer.
このケースでは、発信パケットはリンクをアップする対象トラフィックと見なされていますが、コールの発信に利用できる物理インターフェイスがありません。物理インターフェイスで dialer pool-member number が設定されていて、ダイヤラ インターフェイスでは dialer pool number が設定されていることを確認します。例:
interface BRI0
dialer pool-member 1
!
interface Dialer1
dialer pool 1
また、物理インターフェイスがシャットダウン状態にないことも確認します。その物理インターフェイスで no shutdown コマンドを使用します。 例 4
*Mar 1 00:37:24.235: Di1 DDR: ip (s=10.1.0.1, d=192.168.201.1),
100 bytes, outgoing interesting (ip PERMIT)
*Mar 1 00:37:24.239: Di1 DDR: Cannot place call, no dialer string set.
このケースでは、ダイヤラ インターフェイスで dialer string dial-string が設定されていません。ルータはコールを発信しようとしますが、発信する番号が不明です。次のように dialer-string を定義します。
interface Dialer1
dialer string 8134
着信コールが正しく接続されないダイヤラ プロファイルに伴うコールの失敗の原因は、物理インターフェイスを、そのコールのダイヤラ インターフェイスにバインドする際の問題である場合があります。上記の「ダイヤルイン」セクションで説明されているバインディングの条件のいずれかを、ルータが満たしていることを確認します。次の手順に従ってください。
コールの接続解除が早すぎるか、またはコールの接続がまったく解除されないコールの接続が不意に解除されるか、またはコールの接続がまったく解除されない場合は、ダイヤラのアイドル タイムアウトおよび対象トラフィック定義をチェックします。特定のパケットが対象かどうかを確認するには、debug dialer packet コマンドを使用します。次に例を示します。 Apr 26 01:57:24.483: Di1 DDR: ip (s=192.168.1.1, d=224.0.0.5), 64 bytes, outgoing uninteresting (list 101) Apr 26 01:57:26.225: Di1 DDR: ip (s=192.168.1.1, d=10.1.1.1), 100 bytes, outgoing interesting (list 101) 上記の例では、Open Shortest Path First(OSPF) hello は access-list 101 によると非対象となりますが、2 番目のパケットは access-list 101 によると対象となります。
詳細は、ドキュメント『ダイヤルアップ テクノロジー:概要と説明』を参照してください。 関連情報
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