非同期転送モード(ATM) : 相手先固定接続(PVC)と相手先選択接続(SVC)

DS-3 および E3 ATM インターフェイスでの回線の問題およびエラーのトラブルシューティング

2003 年 2 月 14 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

この文書では、DS-3 および E3 ルータ インターフェイスでの ATM に関するトラブルシューティングの方法について説明します。 

show controllers atm コマンドでは、アクティブなアラームとゼロ以外のエラー カウンタが表示されます。これらは出力の中でファシリティの統計情報と呼ばれています。ゼロ以外の値は、このルータ インターフェイスと他のネットワーク デバイス(通常はAdd-Drop Multiplexer(ADM; アド/ドロップ多重化装置)または ATM スイッチ)との間の物理ワイヤーに問題があることを意味します。 

show controllers の出力について

Request for Comments - RFC 1407 leaving cisco.com」では、show controllers atm コマンドで Cisco ATM スイッチとルータで表示されるように DS-3 インターフェイスのエラー状態が定義されています。
   PA-A3#show controllers atm 1/0/0 
  
     ATM1/0/0: Port adaptor specific information 
  
     Hardware is DS3 (45Mbps) port adaptor 
  
     Framer is PMC PM7345 S/UNI-PDH, SAR is LSI ATMIZER II 
  
     Framing mode: DS3 C-bit ADM    
  
     No alarm detected 
  
     Facility statistics: current interval elapsed 796 seconds 
  
      lcv      fbe      ezd       pe      ppe     febe     hcse 
  
      ----------------------------------------------------------------------    
  
      lcv: Line Code Violation 
  
      be: Framing Bit Error 
  
      ezd: Summed Excessive Zeros 
  
      PE: Parity Error 
  
      ppe: Path Parity Error 
  
      febe: Far-end Block Error 
  
      hcse: Rx Cell HCS Error
DS-3 および E3 のエラーを理解するには、まず最初にライン コーディングを理解する必要があります。 これについて簡単に説明します。

デジタル リンクでのバイナリの 1 または 0 は、電気パルスを表しています。 デジタル システムでは、連続するバイナリ 1ごとに極性を交互にして、十分な量の電圧の遷移を保証します。 このような alternate mark inversion(AMI)は、受信側のデバイスで同期を正確に行い、バイナリの 0 と 1 が到着する時点を判別する目的で設計されています。 同じ極性を持つパルスが 2 つ連続すると(どちらも正、またはどちらも負)、バイポーラ違反が生じます。

AMI の他、DS-3 と E3 リンクでも、それぞれ bipolar three zero substitution(B3ZS)と high-density bipolar three(HDB3)をサポートしています。これらのライン コーディング方式は、十分な数のバイナリの 1 を確実にすることによって同期を維持するように設計されています。 

次の表では、show controllers atm コマンドの出力で表示されるエラーについて説明しています。パラメータはすべて 15 分間のインターバルで累積されたもので、最大 96 回のインターバル(24 時間に相当)がルータによって保持されています。  ルータが直前の 24 時間以内に再起動した場合は、96 回以下のインターバルのデータも可能となります。 さらに、それぞれのパフォーマンスのパラメータは、24 時間累計の合計値を表しています。
 

ファシリティの統計情報 説明
Line Code Violation(LCV; 回線コード違反) bipolar violation(BPV; 極性違反)または excessive zeros(EXZ; 過剰ゼロ)エラーの数。このエラーが増加する条件は回線コーディングによって異なります。  
  • 極性違反:
    • AMI - 同じ極性のパルスを 2 回連続して受信した場合
    • B3ZS または HDB3 - 同じ極性のパルスを 2 回連続して受信したが、これらのパルスがゼロ置換の一部でない場合 
  • 過剰ゼロ:
    • AMI - 連続して 15 個以上のゼロを受信した場合
    • B3ZS - 連続して 7 個以上のゼロを受信した場合
フレーミング Bit Error(BE; ビット エラー) F1〜F4 フレーミング ビットの誤ったパターンが検出された回数。
Excessive Zeros(EZD; 過剰ゼロ)総数 連続した「過剰」な数のバイナリ ゼロが検出された回数。 「過剰」の定義は、B3ZS の場合は「ゼロが3 つ以上」、HDB3 の場合は「ゼロが4 つ以上」です。
Parity Error(PE; パリティ エラー) DS-3 リンクの P ビットおよび E3 リンク(G.832)の BIP-8 フィールドを通じて検出されたパリティ エラーの数。 RFC1407 により、P ビット パリティ エラー イベントは、「DS-3 M フレームで受信された P ビット コードが、対応するローカルで計算されたコードと異なる場合に発生する」と定義されています。 パリティ チェックは伝送中にフレームに発生した変更を検出します。デジタル リンクでは、宛先が伝送された情報を正しく解釈できるように、フレームの正しい値を保持する必要があります。 
Far-End Block Error(FEBE; 遠端ブロック エラー)  DS-3 M フレームは、P ビットを使用して回線のパリティをチェックします。 M サブフレームは、C ビット パリティと呼ばれるフォーマット中の C ビットを使用します。C ビット パリティでは、送信元で P ビットの結果をコピーし、宛先でその結果をチェックします。  ATM インターフェイスは、検出された C ビット パリティ エラーを、Far-End Block Error(FEBE; 遠端ブロック エラー)によって送信元に報告します。
Rx セル HCS Error(HCSE; HCS エラー) ATM インターフェイスは、Header Error Checksum(HEC; ヘッダー エラー チェックサム)フィールドを保持するセル ヘッダーに対する変更から保護します。  HCS は、48 バイトのペイロード内ではなく、ヘッダー内でのみエラーを検出します。 HCS エラーは、送信元、宛先、または ATM ネットワークにおいて、なんらかの理由でセル ヘッダーが破損したことを示します。

Cisco 2600 および 3600 ルータ シリーズ用のネットワーク モジュールには、次に示すように、その他のエラー カウンタがあります。

router#show controller atm 3/0 
  
     Interface ATM3/0 is down<
  
     Hardware is RS8234 ATM DS3    
[output omitted]    
Framer Chip Type PM7345 
  
       Framer Chip ID 0x20 
  
       Framer State RUNNING 
  
       Defect FRMR OOF 
  
       Defect ADM OOCD 
  
       Loopback Mode NONE 
  
       Clock Source INTERNAL 
  
       DS3 Scrambling ON 
  
       Framing DS3 C-bit direct mapping   
TX cells 0 
  
       Last output time 00:00:00 
  
       RX cells 1 
  
       RX bytes 53 
  
       Last input time 1w6d 
  
       Line Code Violations (LCV) 25558650 
  
       DS3: F/M-bit errors 401016 
  
       DS3: parity errors 2744053 
  
       DS3: path parity errors 1879710 
  
       DS3/E3: G.832 FEBE errors 3099127 
  
       T3/E3: excessive zeros 25689720 
  
       uncorrectable HEC errors 554 
  
       idle/unassigned cells dropped 0 
  
       LCV errored secs 392 
  
       DS3: F/M-bit errored secs 392
  
       DS3: parity errored secs 389 
  
       DS3: path parity errored secs 389 
  
       T3/E3: excessive zeros errored secs 392 
  
       DS3/E3: G.832 FEBE errored secs 380 
  
       uncorrectable HEC errored secs 67 
  
       LCV error-free secs 0 
  
       DS3: F/M-bit error-free secs 0 
  
       DS3: parity error-free secs 3 
  
       DS3: path parity error-free secs 3 
  
       T3/E3: excessive zeros error-free secs 0 
  
       DS3/E3: G.832 FEBE error-free secs 12 
  
       uncorrectable HEC error-free secs 325  

これらのカウンタの説明については、「RFC 1407 leaving cisco.com」を参照してください。

トラブルシューティング ステップ

NM-1A-T3 または E3 では、次の 3 つの LED で物理層のアラームと通信します。 

  • Far End Receive Failure (FERF; 遠端側受信障害)
  • Out of Frame(OOF; フレーム同期外れ)
  • Alarm Indication Signal(AIS; アラーム表示信号)

次の表では、ATM インターフェイスで上記の 3 つのアラームが発生した場合のトラブルシューティングの手順について説明しています。 

注:FERF と remote alarm indication(RAI; リモート アラーム インディケータ)は同じです。

 
アラーム タイプ アラームの原因 修正のためのアクション
AIS

 

AIS は、ルータからのアップストリームの回線でアラームが発生したことを示しています。

1. 隣接するネットワーク デバイスのステータスをチェックし、問題がないかどうかを確認します。 隣接するネットワーク デバイスに問題がない場合は、ステップ 2 に進んでください。

2. 契約しているサービス プロバイダに連絡し、AIS 信号の発生源を追跡します。

LOF

 

loss of frame(LOF; フレーム同期損失)の状態は、通常は次の 2 つの状況のいずれかで発生します。
  • ポートでの設定が回線に対して正しくない。
  • ポートの設定は正しいが、回線での他のエラーが原因で LOF アラームが発生している。

1. ポートで設定されているフレーミング フォーマットが、回線で設定されているフレーミング フォーマットと一致しているかどうかを確認します。 

2. 他のフレーミング フォーマットを試用して、アラームがクリアされるかどうかを調べてください。

3. 契約しているプロバイダと協力して影響を受けたインターフェイスにリモート ループバックを設定し、非フレーム化 bit error rate tester(BERT; ビット誤り率試験器)を実行します。 このテストは、回線上にエラーがあるかどうかの判断に役立ちます。

回線が不良である証拠があれば、ハード ループバックまたはソフト ループバックを使用して、問題を切り離すことができます。 Cisco ルータのループバック モードの理解」を参照してください。 

RAI

 

RAI は、ルータのインターフェイスのトランスミッタと、遠端の T3 レシーバとの間の問題を示しますが、ルータと隣接ノード間のセグメントには問題がない場合もあります。

1. 外部ループバック ケーブルをポートに接続します。 アラームが発生しない場合は、ルータ側に問題はありません。 

2. 隣接するネットワーク デバイスを確認し、loss of signal(LOS; 信号消失)または LOF アラームをチェックします。

既知の問題: レシーバの感度

PA-A3-T3 および NM-1A-T3 には高感度レシーバが取り付けられています。 短い T3 ケーブルを使用している場合は、レシーバが飽和状態になってビット エラーを引き起こす可能性があります。この問題は、Cisco Bug ID CSCds15318 に記述されています。  登録済みユーザとしてログインしている場合は、CSCds15318 からバグの詳細にアクセスできます。

一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。

この問題では、次のような症状が認められます。

  • show controllers atm の出力に大量のエラーが表示されます。
  • インターフェイスのフラップが連続します。 show log コマンドを実行します。  対応するリンクがダウンしていないにもかかわらず、コンソールに一連のリンクがアップしているというメッセージが表示されるでしょうか。  この問題は、Cisco Bug ID CSCdm84527 によって解決されています。  インターフェイスがフラップするとき、通常は次のようなログ メッセージが表示されます。
    Aug 11 02:54:46.243 UTC: %LINK-3-UPDOWN: Interface ATM2/0, changed state to down 
      
      Aug 11 02:54:47.243 UTC: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface ATM2/0, 
      
      changed state to down 
      
      Aug 11 02:54:57.003 UTC: %LINK-3-UPDOWN: Interface ATM2/0, changed state to up 
      
      Aug 11 09:59:14.544 UTC: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface ATM2/0, 
      
      changed state to up
  • debug atm errrors がイネーブルになっているときは、次のようなメッセージが表示されます。
    Aug 11 10:01:27.940 UTC: pmon_change 0x3E, cppm_change 0x53
    • pmon_change 0x3E - Performance monitoring(pmon; パフォーマンス モニタリング)によって、回線コード違反、パリティ エラー、パスのパリティ問題、および関連するエラーが報告されます。

    • cppm_change 0x53 - Cell および PLCP のパフォーマンス モニタリング(cppm)によって、bit interleaved parity(BIP; ビット インターリーブ パリティ)エラーとフレーミング エラーが報告されます。
使用しているインターフェイスから、コントローラのエラーが報告され、またこのインターフェイスで物理層パラメータがすべて正しく設定されている場合は、使用している ATM インターフェイスに高感度レシーバが取り付けられている可能性があります。 PA-A3-T3 は、ANSI T1.102 および T1.107,107a の電気的な仕様に準拠しています。

この問題が発生した場合、シスコでは次のいずれかの方法を取ることを推奨します。

  • T3 ネットワーク モジュールに取り付けられているデバイスの送信レベルを下げます。 多くのデバイスには、このための Line Build Out(LBO; 回線ビルドアウト)の設定があります。

  •  
  • ATM DS-3 インターフェイスの受信コネクタに、4 dB(デシベル)の減衰器を取り付けます。 シスコでは減衰器キット(ATTEN-KIT-PA=)を提供しています。これには 3 dB から 20 dB の範囲の固定値を持つ 5 つの減衰器が含まれています。 減衰器キットの詳細は、ここをクリックしてください。 減衰器は 1 度に 1 つだけ使用し、20db を超える減衰量は使用しないでください。 受信信号が過度に減衰されると、インターフェイスが全く動作しなくなります。

設定によっては、純粋な抵抗フィルタを使用して信号の減衰を行っても、この問題を解決できません。 レシーバの感度も、入力信号が上下する回数の関数に関連する場合があります。

使用している ATM ルータ インターフェイスに対して減衰器の効果がない場合は、Cisco Technical Assistance Center でケースをオープンしてください。


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