非同期転送モード(ATM) : ATM トラフィック管理

ATM VC の VBR-nrt サービス カテゴリとトラフィック シェーピングについて

2003 年 2 月 13 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2005 年 6 月 5 日) | フィードバック

目次

概要
はじめに
     表記法
     前提条件
     使用するコンポーネント
     背景説明
トラフィック シェーピングを使用する理由
トラフィック ポリシングとは
セル/秒とインターフェイスのポート速度
Cisco インターフェイスでサポートされるレート値
VBR-nrt VC の理解
     VBR-nrt バーストの確認
2 点のエンドポイントでの固有のシェーピング値の設定
トラフィック シェーピングの問題に関するトラブルシューティング
     出力廃棄
     ping の失敗
     セル クランピング
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

ATM フォーラムでは、ATM テクノロジーの使用を促進するために、マルチベンダー勧告を発行しています。

はじめに

表記法

文書の表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。

前提条件

この文書に関する特別な前提条件はありません。

使用するコンポーネント

この文書は特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。

この文書の情報は、特定のラボ環境にある装置に基づいて作成されています。 また、このドキュメントで使用するデバイスは、すべて初期(デフォルト)の設定で起動しています。 実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。

背景説明

トラフィック管理仕様バージョン 4.0 /japanese/warp/public/3/jp/service/tac/121/leavingcisco.com は、ユーザによってネットワークに伝送されるトラフィックと、そのトラフィックに対してネットワークが提供する必要がある Quality of Service(QoS)について記述された、5 種類の ATM サービス カテゴリを定義しています。 その 5 種類のサービス カテゴリを次に示します。

このドキュメントは VBR-nrt に焦点を合わせています。

通常、ネイティブの ATM トラフィック シェーピングを実装する場合は、Virtual Circuit(VC; 仮想回線)を VBR-nrt サービス カテゴリに割り当てます。 Cisco ルータの ATM インターフェイスは、ハードウェアに固有の方法で VBR-nrt トラフィック シェーピングを実装します。

VBR-nrt トラフィック シェーピングに関連する用語は紛らわしく、意味を把握しにくい傾向があります。 このドキュメントでは、VBR-nrt VC の設定時に指定する Peak Cell Rate(PCR; ピーク セルレート)、Sustained Cell Rate(SCR; 平均セルレート)、および Maximum Burst Size(MBS; 最大バースト サイズ)の各パラメータをできるだけ明確に説明します。 また、Cisco ATM ルータ インターフェイスにおけるトラフィック シェーピングの実装方法について、単独のリファレンスを示します。

トラフィック シェーピングを使用する理由

トラフィック シェーピングは伝送レートを制限します。 設定されたレートを超えるトラフィックをキューに格納することにより、伝送レートを平滑化します。

つまり、ATM Virtual Circuit(VC; 仮想回線)を通じて伝送されるパケットがインターフェイスに到達すると、次のことが起こります。

  • キューが空の場合、到達したパケットはキューに配置されます。 時間間隔ごとにトラフィック シェーパがパケットをスケジュールし、送信します。

  • キューがいっぱいの場合、パケットは廃棄(ドロップ)されます。 デフォルトの First In, First Out(FIFO)キューイング メカニズムが使用されている場合は、これをテール ドロップと呼びます。

なぜ ATM VC のレートを制御または制限する必要があるのでしょうか。 考えられるいくつかの理由を次に示します。

  • T1、T3、および OC-3(光キャリア)リンクをより小さいチャネルに分割するため。

  • ある VC からのトラフィックによってインターフェイスの帯域幅全体が使用され、その結果データ損失が生じて他の VC に悪影響が及ぶことを回避するため。

  • 任意の VC の平均レートが一定のレートを超えてはならないとポリシーが規定されている場合に、帯域幅へのアクセスを制御するため。

  • ローカル インターフェイスの伝送レートをリモートのターゲット インターフェイスの速度に合わせるため。 たとえば、リンクの一方の端の伝送レートが 256 kbps、もう一方の端の伝送レートが 128 kbps であるとします。 伝送レートの均一なエンドツーエンドのパイプがなければ、中継スイッチは低速側で一部のパケットを廃棄する場合があり、これによってリンクを使用するアプリケーションの処理が中断するおそれがあります。

トラフィック シェーピングを使用すれば、超過データがルータ内部に保持され、Weighted Random Early Detection(WRED; 重み付けランダム早期検出)や Class-Based Weighted Fair Queueing(CBWFQ)などの高度な Quality of Service(QoS)メカニズムを適用できます。 これらの QoS メカニズムによって、VC 単位のキュー内のパケットをどんな順序で処理し、キューが一定のしきい値を超えたときにどのパケットを廃棄するかが決まります。

注: ATM インターフェイスで bandwidth コマンドを使用しても、そのインターフェイスでトラフィック シェーピングは行われません。 その代わりに、複合メトリックを計算してルートへの最適パスを決定するための、IGRP や EIGRP などのルーティング プロトコル アルゴリズムに使用されます。

トラフィック ポリシングとは

ATM スイッチ ネットワークのプロバイダーは、トラフィック ポリシング メカニズムを実装することによってトラフィック コントラクトを施行します。 Usage Parameter Control(UPC; 使用パラメータ管理)を数式に適用し、ルータによって VC 上に送信されるトラフィックが契約に準拠しているかどうかを判断します。 プロバイダーは通常、User-Network Interface(UNI; ユーザネットワーク インターフェイス)と呼ばれるポイントにある、ネットワーク内の最初のスイッチにポリシングを実装します。 ATM スイッチは OSI 参照モデルのレイヤ 2 で動作するため、IP ヘッダー内のフィールドを読み取って、輻輳の発生時にどのパケットを優先するかを決定できません。 ポリシングは単にセル到達時間に基づいています。

Catalyst 8500 シリーズおよび Lightstream1010 ATM スイッチ ルータでトラフィック ポリシングを設定する場合は、atm pvc コマンドに UPC パラメータの値を指定します。

   atm pvc vpi vci [cast-type type] [upc upc] [pd pd] [rx-cttr index] [tx-cttr index] [wrr-weight weight]
   

VC 単位の UPC ポリシーは、ATM スイッチによって非準拠と判断されたセルに対して、次の 3 つのアクションのいずれかを指定します。

  • セルを廃棄する。

  • ATM ヘッダー内に Cell Loss Priority(CLP; セル廃棄優先)ビットを設定して、セルにタグ付けする。

  • セルを通過させる。

デフォルトでは、UPC は非準拠セルをすべて通過させます。

次に、VBR-nrt VC の UPC ポリシーによって施行される一連のルールの典型的な例を示します。

  • SCR 以下のレートで受信されたセルは、変更されずにネットワーク内を伝送されます。

  • レートが SCR を超えていても PCR を超えていないセル バーストは、バースト サイズが MBS よりも小さければ変更されずに伝送されます。

  • PCR を超えるレートで受信されたセルは非準拠と見なされ、タグ設定や廃棄など、設定されている UPC アクションが実行されます。

  • セルの MBS 数を超えるセル バーストは非準拠と見なされ、タグ設定や廃棄など、設定されている UPC アクションが実行されます。

Cisco ATM スイッチで show atm vc interface atm コマンドを使用すれば、Rx および Tx の UPC 違反の数と、その結果廃棄された数が表示されます。

switch#show atm vc interface atm 1/0/1 0 100  
   Interface: ATM1/0/1, Type: e1suni 
   VPI = 0 VCI = 100 
   Status: UP 
   Time-since-last-status-change: 00:09:51 
   Connection-type: PVC 
   Cast-type: point-to-point 
   Packet-discard-option: disabled 
   Usage-Parameter-Control (UPC): drop    
   Wrr weight: 2 
   Number of OAM-configured connections: 0 
   OAM-configuration: disabled 
   OAM-states: Not-applicable 
   Cross-connect-interface: ATM4/0/0, Type: oc3suni 
   Cross-connect-VPI = 0 
   Cross-connect-VCI = 100 
   Cross-connect-UPC: drop 
   Cross-connect OAM-configuration: disabled 
   Cross-connect OAM-state: Not-applicable 
   Threshold Group: 3, Cells queued: 0 
   Rx cells: 5317, Tx cells: 5025 
   Tx Clp0:5025, Tx Clp1: 0 
   Rx Clp0:5317, Rx Clp1: 0 
   Rx Upc Violations:45, Rx cell drops:45    
   Rx Clp0 q full drops:0, Rx Clp1 qthresh drops:0 
   Rx connection-traffic-table-index: 70 
   Rx service-category: VBR-nrt (Non-Realtime Variable Bit Rate)    
   Rx pcr-clp01: 720 
   Rx scr-clp01: 320 
   Rx mcr-clp01: none 
   Rx cdvt: 300 
   Rx mbs: 64 
   Tx connection-traffic-table-index: 70 
   Tx service-category: VBR-nrt (Non-Realtime Variable Bit Rate)    
   Tx pcr-clp01: 720 
   Tx scr-clp01: 320 
   Tx mcr-clp01: none 
   Tx cdvt: 300 
   Tx mbs: 64

従来は、ATM スイッチのみがトラフィック ポリシングを実装していました。 最近、シスコの堅牢な Quality of Service(QoS)機能セットの一部として、Cisco ATM ルータ インターフェイスに CLP ビットを設定できるようになりました。これは、トラフィック ポリシングを実装するために設計されたサービス ポリシーの一環です。 ルータにおけるトラフィック シェーピングとトラフィック ポリシングの違いは、前者が超過したトラフィックをキューに格納するのに対し、後者は超過したトラフィックを廃棄するか、またはパケット ヘッダーを書き換える点です。

ポリシング アクションとしてルータで CLP ビットを設定するには、set-clp-transmit コマンドを使用します。 そのためには、ポリシー マップを作成してから、アクションとして set-CLP-transmit を指定した police コマンドを設定します。

7500(config)# policy-map police 
   7500(config-pmap)# class group2 
   7500(config-pmap-c)# police bps burst-normal burst-max conform-action action 
   exceed-action action violate-action action
   
   

set-clp-transmit コマンドは、RSP プラットフォームでは Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.1(5)T から、その他のプラットフォームでは 12.2(1)T からサポートされています。

セル/秒とインターフェイスのポート速度

すべてのルータ インターフェイスにはポート速度があります。ポート速度は、物理インターフェイスを通じて送信および受信できる、秒当たりの最大ビット数を定義します。 ポート速度は「ライン レート」とも呼ばれます。 たとえば、PA-A3-T3 には、レイヤ 2 として ATM が、レイヤ 1 として DS-3 が 1 ポートあります。 DS-3 の物理ポート速度は 45 Mbps に切り上げられます。

インターフェイスのライン レートは 53 バイトの ATM セルの数に換算されます。 この数は、次の数式によって算出されます。

ライン レート / 424 ビット/セル = セル数/秒またはセル タイムスロット数/秒

たとえば、DS-1 は 1.536 Mbps で伝送されます(フレーミング オーバーヘッドがない場合)。 DS-1 のライン レートである 1.536 Mbps を 424 ビット/セルで割ると、3622 セル/秒になります。 次の表は、各種ライン レートのライン タイプ、Mbps、および秒当たりのセルレートを示しています。

ライン タイプ

Mbps

セルレート/秒

STS-1

51.84

114,113.21

STS-3c

155.2

353,207.55

STS-12c

622.8

1,412,830.19

DS-1

1.544

3622.64

DS-3

44.76

96,000.00

E-1

2.048

4528.30

E-3

34.38

80,000.00

注: ATM スイッチの多くは帯域幅をセル/秒で測定しますが、Cisco ルータはビット/秒(kbps または Mbps)を使用します。 セル/秒とビット/秒の換算率は次のとおりです。

1 セル = 53 バイト = (53 バイト) * (8 ビット/バイト) = 424 ビット

ピーク レートと平均レートを kbps で算出するには、次の数式を使用します。

ピーク レート = Peak Cell Rate(PCR)[セル/秒] x 424 [ビット/セル]

平均レート = Sustained Cell Rate(SCR)[セル/秒] x [ビット/セル]

ATM セル時間の概念を理解しておくと役に立ちます。 1 つの ATM セルがインターフェイス内の任意のポイントを通過するまでにかかる時間の長さをセル時間と呼びます。 この値は次のように計算できます。

ATM セル時間 = 1 セル / ATM セルレート(セル/秒)

DS-1 リンクでの計算例を次に示します。

1 セル / 3622 セル/秒 = 276.04 マイクロ秒/ATM セル

Cisco インターフェイスでサポートされるレート値

Cisco ATM ルータ インターフェイスはすべて、なんらかの形式のトラフィック シェーピングをサポートします。 ほとんどのインターフェイスは、vbr-nrt コマンドによるネイティブの ATM トラフィック シェーピングをサポートします。

PCR 値および SCR 値を選択する際は、次の表を参考にしてください。この表は、各インターフェイス ハードウェア タイプの公式のサポート値を示しています。 Cisco ATM ルータ インターフェイスは、ゼロからライン レートまでの範囲内にある kbps 値をサポートするのではなく、数式または増加値のセットに基づく値のセットをサポートします。 また、kbps で設定される値には、ユーザ データだけでなくすべての ATM オーバーヘッドにより消費される帯域幅が含まれ、これらには 5 バイトのセル ヘッダー、セル パディング、AAL5 オーバーヘッドがあります。

PCR と SCR を同じ値に設定すると、事実上すべてのバースト用機能が削除されるため、Cisco IOS ソフトウェア リリースに、CSCdr50565 および CSCds86153 で加えられた変更が含まれている場合は、この設定で MBS にゼロ以外の値を設定することはできなくなります。

インターフェイス ハードウェア

サポートされるトラフィック シェーピング パラメータ

AIP

  • 130 kbps 〜 155 Mbps の PCR 値をサポートします。

  • PCR を SCR の整数倍として設定します(SCR=PCR、SCR=PCR/2、SCR=PCR/3 など)。

  • 最大 8 個のピーク レート キューをサポートします。

  • バーストを 32 セルの倍数として設定します。 「AIP を使用したトラフィック シェーピングの理解」も参照してください。

PA-A1

PA-A3-OC3

  • OC-3c および Synchronous Transport Module level 1(STM-1)の場合、PCR および SCR として 4.57 kbps 刻みの値をサポートします。

  • MBS を 1 セル刻みで設定します。

PA-A3-T3/E3

  • Digital Signal level 3(DS-3)の場合、PCR および SCR として 1.33 kbps 刻みの値をサポートします。E3 の場合は 1.03 kbps 刻みの値をサポートします。

  • MBS を 1 セル刻みで設定します。

PA-A3-OC12

  • PCR または SCR の最大値として、299520 kbps またはライン レートの半分をサポートします。

  • 当初は、サポート外の値をコマンドラインに設定すると、次のエラー メッセージが生成されました。

    %ATMPA-4-ADJUSTPEAKRATE: ATM2/0/0: 
       Shaped peak rate adjusted to 299520
       

NP-1A-DS3 NP-1A-E3

  • 最大 4 個のピーク レート キューをサポートします。

NP-1A-MM NP-1A-SM NP-1A-SM-LR

  • 最大 4 個のピーク レート キューをサポートします。

NM-1A-OC3

  • PCR、SCR、および MCR として 32 kbps 刻みの値をサポートします。1

NM-1A-T3

  • PCR、SCR、および MCR として 32 kbps 刻みの値をサポートします。1

NM-4T1-IMA NM-8T1-IMA

  • PCR および SCR として 8 kbps 刻みの値をサポートします。1

  • シスコ バグ ID CSCdr50853 によって、バーストが 2 セルのみに制限される問題が解決します。

  • 4 MB を下回るように整形された VBR VC の場合は 32 セル、4 MB を上回るように整形された VC の場合は 200 セルの MBS 値を使用します。 (CSCdv06900)

NM-1ATM-25

  • 201 〜 25000 kbps の PCR 値および SCR 値をサポートします(シスコ バグ ID CSCdp28801 は、より小さい値を実装するための機能拡張要求です)。

AIM-ATM AIM-ATM-VOICE-30

  • サポートされている最低のトラフィック シェーピング レートは 32 kbps です。

  • 1 kbps 刻みでの SCR および PCR レート。

  • 255 セルの最大 MBS 値をサポートします。

Multiflex Trunk Module(MFT; マルチフレックス トランク モジュール)

  • 次の数式によって算出された PCR 値をサポートします。 PCR = ライン レート / N

  • この数式では、N は整数(1、2、3 など)で、ライン レートは E1 インターフェイスの場合 1920、T1 インターフェイスの場合 1536 になります。 T1 の場合、PCR は 1536、768、512、384、307、256 などになります。

  • ルータに上記以外の値を設定すると、次に小さい公式値に変更されます。 たとえば、PCR として 900 を設定すると、実際は PCR 768 の VC が作成されます。

826、827 用 ADSL インターフェイス

VBR-nrt、UBR、および CBR、VC 単位のキューイング。 詳細については、「Cisco 827 ルータでのキューイングと ATM トラフィック シェーピング」を参照してください。

IAD 2400 用 ADSL インターフェイス

IAD シェーパは、peak-inter-cell-delay の値は整数(1、2、3 など)のみをサポートしています。 そのため、ライン レートが 1536 である場合、使用可能な PCR は 1536、768、512、384 です。 これは、ユーザが値を変更できないということではありませんが、実際に使用される値は上記のとおりになります。2

SCR では、トラフィック フローを適切に規制するために、バースト セルの最大数を指定する必要があります。 すべてのサービス カテゴリが設定可能です。

WIC-1ADSL

  • PCR と SCR は 32 kbps の倍数である必要があります。 値が 32 の倍数でない場合は、その値以下で最大の 32 の倍数が使用されます。

  • vbt-nrt 設定の場合:

    • PCR の下限は 32 で、上限は回線が確立しているレートです。

    • SCR の下限は 32 で、上限は設定されている PCR 値です。

  • Cisco IOS リリース 12.2(2)XK および 12.2(4)XL では、VC 単位のキューイングがサポートされています。

  • Cisco IOS リリース 12.1(5)YB またはリリース 12.2(4) では、VC 単位のキューイングがサポートされていません。

WIC-1SHDSL

  • PCR と SCR は 32 kbps の倍数である必要があります。 値が 32 の倍数でない場合は、その値以下で最大の 32 の倍数が使用されます。

  • vbt-nrt 設定の場合:

    • PCR の下限は 10 で、上限は回線が対応しているレート以下で最大の 32 の倍数です。

    • SCR の下限は 10 で、上限は設定されている PCR 値です。

  • IP QoS 機能(Cisco IOS 12.2(4)XL および 12.2(4)XL2 でサポート)

  • IP QoS 機能は 12.2(8)T ではサポートされていません。 VBR-nrt 用の VC 単位の ATM シェーピングが機能に含まれています。

OSM-2OC12-ATM-MM OSM-2OC12-ATM-SI

  • 37 kbps からライン レートの半分までの範囲の PCR 値と SCR 値をサポートします。

7300-2OC3ATM-MM 7300-2OC3ATM-SMI 7300-2OC3ATM-SML

  • 38 kbps 〜 77.5 Mbps および 155 Mbps の PCR 値をサポートします。

  • 38 kbps < 平均 < ピーク レート の範囲の SCR 値をサポートします。

ESR 用 4xOC3

  • 38 kbps 〜 149,760 kbps の PCR 値をサポートします。

  • 38 kbps 〜 PCR までの SCR 値をサポートします。

ESR 用 1xOC12

  • 84 kbps 〜 299,520 kbps および 599,040 kbps の PCR 値をサポートします。

  • 84 kbps 〜 299,520 kbps および 599,040 kbps の SCR をサポートします。

1 2600 および 3600 シリーズの ATM ネットワーク モジュールは RS8234 SAR を使用します。これは、VBR-nrt の PCR として 256 個の事前定義された値をサポートします。

2 たとえば、PCR が 320 に設定されている場合、シェーパは PCR=298 にフォールバックします。 これは、4 つの同時音声コールをサポートするよう SCR が 320 に設定されているにもかかわらず、298 である PCR よりも SCR が大きいため、4 つ目のコールの品質が低くなることを意味します。 この場合、IAD 設定の PCR を 448(=896/2)に変更します。

VBR-nrt VC の理解

VBR-nrt サービス カテゴリは、トラフィック シェーピングの実装時に次の 3 つのパラメータを使用します。

シェーピング パラメータ

定義

SCR

データ、音声、およびビデオを伝送する平均レートを定義します。 SCR は長期的な平均トラフィック レートではなく、VC の事実上の帯域幅と考えてください。

PCR

データ、音声、およびビデオを伝送する最大レートを定義します。 PCR と MBS は帯域幅を増やす手段ではなく、遅延を減少させる手段と考えてください。

MBS

ルータが PCR で送信できる時間の長さを定義します。 この時間(秒)は次の数式を使用して算出します。

T =(バースト セル x 424 ビット/セル)/(PCR - SCR)

MBS は、トラフィック パターンにおける一時的なバーストまたは短いスパイクを吸収します。 たとえば、MBS が 100 セルの場合は、3 MTU サイズのイーサネット フレームまたは 1 MTU サイズの FDDI フレームのバーストが許容されます。 SCR を決定する際に、より長い時間のバーストを考慮することが重要です。

VBR-nrt 実装は漏出バケットまたはトークン バケット アルゴリズムに従います。 ATM VC はセルを伝送するために、バケット内にトークンを保持する必要があります。 バケットには、アルゴリズムに基づいて SCR のレートでトークンが補充されます。 発信元がアイドル状態で、一定時間伝送を行わない場合は、トークンがバケット内に蓄積されます。 ATM VC では、蓄積されたトークンを使用して、バケットが空になるまで PCR のレートでバースト送信できます。バケットが空になると、再び SCR のレートでトークンが補充されます。

PCR は一時的なバーストであることを理解する必要があります。 PCR で送信できる時間の長さは、「ワイヤ上の時間」に換算された MBS から算出されます。 たとえば、DS-1 リンクでのセル時間を計算する前述の数式を思い出してください。

1 セル / 3622 セル/秒 = 276.04 マイクロ秒/ATM セル

DS-1 リンクでは、MBS 値 100 は 2.8 秒の PCR 時間に相当します。 VBR-nrt VC をプロビジョニングする際は、特別に時間を割いて MBS 値から PCR 時間への換算方法を理解することをお勧めします。

PCR バーストは一時的であるため、トラフィックにバースト性があり、PCR での短いバーストがそのトラフィックにとって有効な場合は、VC を VBR-nrt として設定します。 そうではなく、トラフィック パターンがバルク データ転送の場合、実質的に PCR による利点はありません。 これは、PCR でバーストするためには、ATM VC の伝送レートがかなり長い間 SCR よりも低くなる必要があるためです。 次にいくつか例を示します。

毎秒 1 つの 1500 バイト パケット(合計 12 kbps)から構成される対話型トラフィックを伝送する必要があると仮定します(この例では ATM のオーバーヘッドは無視します)。 次の仕様に基づいて VBR-nrt を設定します。

  • PCR = 800 kbps

  • SCR = 64 kbps

  • MBS = 32 セル

800 kbps の PCR とは、最初のパケットが 15 マイクロ秒(12 kbps パケット / 800 kbps PCR)で送信されることを意味します。 続いて、トークン バケットへの補充に 187.5 マイクロ秒(12 kbps パケット / 64 kbps SCR)かかります。 次のパケットは 15 マイクロ秒で送信されます。 このサンプルは、PCR バーストによって遅延がどう減少するかを具体的に示しています。 PCR がなく、64 kbps の SCR のみが設定された VC では、最初のパケットと 2 番目のパケットの送信に 187.5 マイクロ秒かかります。

次に、大容量ファイルを送信する必要があると仮定します。 (おそらく)最初のパケットのみが PCR で送信されます。 トークンが蓄積できないため、平均転送レートは SCR でピークに達します。 そのため、大容量ファイルの転送にとって VBR-nrt バースティングはほとんど利点がありません。

これらの例では、1 つの 1500 バイト パケットのサイズと正確に一致する MBS 値を使用しました。 ある種のビデオ デバイスを使用する場合など、使用方法によっては最大 64 kB の大きな IP パケットが送信されることがあります。 これらのパケットはリンクの MTU を簡単に超えるため、パケット全体をバーストとして送信するのが有効です。 したがって、64 kb パケット / 48 ペイロード バイト/セルの数式から算出された 1334 セルを MBS として選択します。

バーストについては、公式の定義はありません。 バーストは、MTU サイズのフレーム、またはトラフィック パターンによって与えられる任意のサイズのフレームに置き換えて考えることができます。 このフレームは、いくつかの数のセルに分割されます。 推奨事項に準拠しながら、どういうときに MBS を使用するかを改めて理解することが最良の方法です。

PCR と SCR を同じ値に設定すると、バースト計算は無視され、バースト サイズとは無関係にクレジットが 1 に設定されます。 要約すると、VBR-nrt VC のトラフィック シェーピング パラメータを選択する際は、次のことが推奨されます。

  • SCR: このレートは、トラフィックが固定ビット レート回線の制約を受け、なおかつ遅延が問題にならない場合に選択する値にします。 SCR は VC の事実上の帯域幅と考えてください。

  • MBS: このセル数は、「バースト性」トラフィックに対して想定される、標準的なバースト サイズに対応できる値にします。

  • PCR: このレートは、「バースト性」トラフィックにとって必要な遅延を実現するために、MBS と組み合せて計算します。 PCR は VC の帯域幅を増やす手段ではなく、VC の遅延を減少させる手段と考えてください。

VBR-nrt バーストの確認

Cisco Technical Assistance Center に最も多く寄せられるレポートの 1 つは、設定された PCR で ATM インターフェイスのバースティングが起こらないことに関するレポートです。ATM インターフェイスは確かにバーストしますが、バーストが起こるのは ATM VC の伝送レートがある一定時間 SCR よりも低くなったときのみであることを理解する必要があります。ATM VC が常に SCR で伝送されている場合、バースト クレジットは累積されません。

バーストを「確認」するには、ATM セル テスターを使用できる状況で、次のテスト手順に従うことを推奨します。

  1. PCR を SCR の kbps レートの 2 倍に設定します。

  2. セル テスターを起動します。

  3. トラフィック ジェネレータを起動し、PCR を超えるレートで伝送を行います。

  4. セル テスターで測定されたセル間ギャップを確認します。セル テスターはセル間ギャップが小さくなったことを報告し、これはバーストが発生したことを示します。

  5. セル テスターを停止し、トラフィック ジェネレータ上で PCR での送信を続けます。

  6. セル テスターをもう一度起動します。今度はバーストが見られない点に注目します。 これは、トラフィック ジェネレータによって常に PCR と SCR を超える(または SCR のみを超える)トラフィックが送信されているためです。 ATM VC の伝送レートが SCR よりも低くなっていないため、再び SCR を超えるレートで伝送が行われるほど十分なクレジットが累積されていません。

VBR-nrt VC のトラフィック シェーピング値を設定する際は、継続的なバーストを考慮して SCR を決定します。上記のテスト手順に示すとおり、MBS は、SCR を超える伝送が維持されている場合には役立ちません。

2 点のエンドポイントでの固有のシェーピング値の設定

標準的なハブアンドスポーク ワイドエリア ネットワーク トポロジでは、トラフィック フローの量は非対称であり、リモート サイトから到達するトラフィック フローよりもリモート サイトへ向かうトラフィック フローが多くなります。 このような設定では、nrt-VBR PVC の両端のルータで異なる PCR および SCR トラフィック シェーピング値を使用する、非対称の Permanent Virtual Circuit(PVC; 相手先固定接続)としてプロビジョニングするとよい場合があります。

非対称 PVC を設定する際の指針については、「ATM PVC の両端のルータで同じトラフィック シェーピング値を使用する必要があるか」を参照してください。

ATM ルータ インターフェイスで Switched Virtual Circuit(SVC; 相手先選択接続)を設定する場合、vbr-nrt コマンドは input-pcr、input-scr、および input-mbs パラメータを受け入れます。次の例では、出力 PCR および SCR を 5 MB、入力 PCR および SCR を 2.5 MB に設定しています。

7200(config-subif)#svc LESLIE nsap 
   47.00918100000000E04FACB401.00E04FACB401.00 
   7200(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 5000 5000 94 ? 
     <1-45000>  Input Peak Cell Rate(PCR) in kbps 
   
   7200(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 5000 5000 94 2500 ? 
     <1-2500>  Input Sustainable Cell Rate(SCR) in kbps 
   
   7200-1.3(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 5000 5000 94 2500 2500 ? 
     <1-65535>  Input Maximum Burst Size(MBS) in Cells 
   

PVC のトラフィック パラメータを指定する際は、同じ vbr-nrt 設定文を使用しても、これらの値の設定オプションは提供されない点に注意してください。これは、PVC がシグナリングを実行しないためです。

7200(config)#int atm 6/0.2 
   7200(config-subif)#pvc 1/100 
   7200(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 5000 5000 ? 
     <1-65535>  Maximum Burst Size(MBS) in Cells 
   

トラフィック シェーピングの問題に関するトラブルシューティング

ルータ上でトラフィック シェーピングが正しく設定されていることを必ず確認してください。 トラフィック シェーピングが設定されていない場合、ルータから伝送されるセルは、ATM ネットワークとのトラフィック コントラクトに準拠しません。ATM スイッチでトラフィック ポリシングが設定されていると、この非準拠状況が原因で違反や過剰なセル損失が発生します。

トラフィック シェーピング パラメータが正しく設定されていない場合、次のような症状が現れます。

  • 遠端ロケーションへのサイズの小さい ping は成功しますが、パケット サイズが大きい ping は失敗します。

  • Telnet など、ある種のアプリケーションは正常に動作するように見えますが、File Transfer Protocol(FTP; ファイル転送プロトコル)など、その他のアプリケーションは動作しません。

これらの症状が見られる場合は、ATM ネットワーク プロバイダーに連絡を取り、スイッチでポリシーが正しく機能しているかどうか、および VC でセル損失が発生しているかどうかを調査することをお勧めします。続いて、ルータの設定変更が必要かどうかを判断します。

出力廃棄

トラフィック シェーピングは VC の出力を制限するため、ATM インターフェイスまたは 1 つ以上の VC で出力廃棄が見られる場合があります。この問題を解決する際の指針については、「トラブルシューティング:ATM ルータ インターフェイスでの出力廃棄」を参照してください。

Cisco TAC には、show interface atm の出力から、VC が SCR の設定値に到達していないように見えるにもかかわらず、なぜ出力廃棄が発生するのか、と質問が頻繁に寄せられます。この質問は、「インターフェイスの kbps レートはなぜ SCR(PCR と SCR が等しい場合は PCR)の設定値に到達しないのか」と言い換えることができます。インターフェイス レートが SCR よりも低くなる状況については、いくつかの原因が考えられます。

  • シェーピング エンジンが、show interface atm コマンドで表示される kbps レート中の AAL5 トレーラと ATM セル ヘッダーをカウントしていない。

  • シェーピング エンジンが、実際のデータ バイトとパディング(充てんされたペイロード)を区別していない。 ATM セルはペイロード フィールド内に 48 バイト含まれている必要があります。 ATM インターフェイスは 2 個のセルを使用して、64 バイトの IP パケットを伝送します。 2 番目のセル内にある、パディング形式によって「浪費された」ペイロードは、ATM スイッチではカウントされますが、ルータでは無視されます。 したがって、未使用のセル ペイロードのために、実際のビット レートが SCR に到達しない場合があります。

  • 平均ビット レートはデフォルトのロード間隔である 5 分に基づいています(この間隔は、load-interval interface コマンドによって 30 秒まで短縮できます)。トラフィック バーストによって伝送レートが短時間 SCR と PCR を超える場合があり、これが原因で、長期レートが SCR より低いにもかかわらず出力が破棄されます。

このような理由から、トラフィック シェーピングの精度を測定する際には、show interface atm 出力中のビット/秒の単位を使用することは避けてください。 その代わりに、SCR をパケット/秒に換算することをお勧めします。パケット サイズが大きいほど、SCR の設定値により近いビット レートが生成されます。また、トラフィック シェーピングの精度を測定する際には、できるだけ ATM トラフィック アナライザを使用することをお勧めします。

ping の失敗

ATM VC で非常に低い SCR 値を設定すると、ping がタイムアウトする場合があります。たとえば、1500 バイトのパケットは、オーバーヘッドがない場合は 12,000 ビット、10 % のセル タックスを考慮した場合は 13,200 ビットに相当します。ここで SCR を 8 kbps に設定すると伝送時間は 2 秒になり、これはデフォルトの ping タイムアウトと一致します。したがって、この問題を解決するには、タイムアウトを大きい値に設定する必要があります。

ATM VC で高い SCR 値を設定しているにもかかわらず、ping が失敗する場合は、さまざまなサイズで ping テストを実行し、画面に表示されるラウンドトリップ時間をモニタします。 round-trip min/avg/max 値に注目してください。

1500 Byte Ping Results: 
      Sending 5, 1500-byte ICMP Echos to 2.2.2.2, timeout is 2 seconds: 
      !!!!! 
      Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 
      420/1345/1732 ms

セル クランピング

ATM インターフェイスが均一なペース、および均一なセル間ギャップで ATM VC のセルをスケジュールすることが望まれます。 たとえば、DS-1 物理インターフェイス上で ATM VC の SCR を 500 kbps に設定した場合、VC は 3 タイムスロット(1500 kbps ライン レート / 500 kbps SCR = 3)ごとに割り当てられることが望まれます。

場合によっては、ATM ルータ インターフェイスのスケジューラは、期待されるセル間ギャップをとらずに、連続した隣接セルを伝送します。 この状態のことを「セル クランピング」と呼びます。この状態が発生すると、ATM スイッチは、その瞬間にルータによって伝送されている kbps レートが VC の許容されているレートを事実上超えていることを合理的に判断できます。

ATM スイッチは Cell Delay Variation Tolerance(CDVT; セル遅延変動許容値)と呼ばれる設定可能な値をサポートしています。これは、セル クランピングの「許容ファクタ」を実装します。つまり、数個の連続したセルが伝送される場合にルータと ATM VC を許容し、UPC ペナルティの実行を遅らせます。CDVT は秒で測定され、トラフィック コントラクトの明らかな違反を調整するように設計されています。


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