非同期転送モード(ATM) : ATM トラフィック管理

ATM VC の Variable Bit Rate Real Time(VBR-rt; 可変ビット レート - リアルタイム)サービス カテゴリについて

2002 年 10 月 29 日 - ライター翻訳版
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目次


概要

ATM フォーラムは、ATM テクノロジーの利用を推進するため、マルチベンダーを推奨する勧告を公表しています。Traffic Management Specification leaving cisco.com Version 4.0 は、ユーザからネットワークに送信されるトラフィックだけでなく、そのトラフィックを提供するためにネットワークが必要とする Quality of Service(QOS)を規定する、5 つの ATM サービス カテゴリを定義しています。 このサービス カテゴリは、次の 5 つです。

  • Constant Bit Rate(CBR; 固定ビット レート)

  • Variable Bit Rate Non-Real-Time(VBR-nrt; 可変ビット レート - 非リアルタイム)

  • Variable Bit Rate Real-Time(VBR-rt; 可変ビット レート - リアルタイム)

  • Available Bit Rate(ABR; 使用可能ビット レート)

  • Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)

この文書は VBR-rt を中心に説明します。

可変ビット レート リアルタイムの概要

VBR-rt は、厳格に制約された遅延(Cell Transfer Delay(CTD; セル転送遅延))および遅延変動(Cell Delay Variation(CDV; セル遅延変動))を必要とする、圧縮 Voice over IP やビデオ会議などのリアルタイム アプリケーションのためのものです。 2 つ以上の VC が 1 つの ATM インターフェイスを共有している場合、Permanent Virtual Circuit(PVC; 相手先固定接続)のセルには CDV が発生する場合があります。 ATM インターフェイスが PVC 2 のセルの送信をスケジュールしている場合、または物理レイヤのオーバーヘッドまたは Operations, Administration, and Maintenance(OAM; 操作、管理、およびメンテナンス)セルが特定のセル タイムスロットに挿入され、送信がスケジュールされている場合、PVC 1 のセルには遅延が生じる場合があります。 その結果、ある接続の連続したセル間の到着時間に差が出る可能性があります。 この現象はジッタと呼ばれます。

5 つの ATM サービス クラスはすべて、トラフィック パラメータと QoS パラメータのセットをサポートしています。 VBR-rt の特徴は、Peak Cell Rate(PCR; ピーク セルレート)、Sustained Cell Rate(SCR; 平均セルレート)、Maximum Burst Size(MBS; 最大バースト サイズ)によるものです。 送信元デバイスは、バーストで送信し、時間によって異なるレートで送信することが予測されます。

VBR-rt VC を設定するには、VC 設定モードに入って、vbr-rt peak-rate average-rate [burst] コマンドを使用します。

    router(config)#interface atm 1/0 
    router(config-if)#pvc 0/100 
   
       router(config-if-atm-vc)#vbr-rt ? 
   
         <64-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps 
   
       router(config-if-atm-vc)#vbr-rt 600 ? 
   
         <64-600> Average Cell Rate in Kbps    
   
       router(config-if-atm-vc)#vbr-rt 600 300 ?    
   
         <1-64000>  Burst cell size in number of cells 
   
         <cr> 
   
       router(config-if-atm-vc)#vbr-rt 600 300 32 ?    
   
         <cr>

ピークレートと平均レートの値が、ATM PVC でトラフィック シェーピングを実装します。 ATM ネットワーク プロバイダーがポリシングによるトラフィックの廃棄を起こさないようにするため、トラフィック シェーピングでは、あらゆる時点で ATM インターフェイスが VC から外部に出るトラフィックの量を制御する必要があります。

VBR-rt の最も一般的な使用目的は、Voice over ATM(VoATM)のサポートです。  VoATM を設定する際には、十分なピーク値、平均値、およびバースト値の計算に注意し、PVC が音声コールの数に対して帯域幅を効率的に処理できるようにします。 これらの値の計算には、次の式を使用します。

[2 x 最大コール数] x 16 Kbps = ピーク セルレート

[1 x 最大コール数] x 16  Kbps = 平均セルレート

[4 x 最大コール数] = セルのバースト サイズ(MBS)

VBR-rt サービス クラスと CBR サービス クラスの比較

一般的に、CBR と VBR-rt はともに、音声およびビデオ アプリケーションに使用されます。 あるサービス クラスよりも、もう一方のサービス クラスを優先して使用する理由を、次で検討します。

Cisco ATM インターフェイスはスケジュール テーブルを使用し、このテーブルが、特定の仮想回線のセルが送信用にインターフェイスのセル タイムスロットにいつ挿入されるかを決定します。  OC-3 から T1 に至る、すべての物理インターフェイス タイプは、ある数の ATM セル タイムスロットに分かれます。 たとえば、T1 回線は 1.536 Mbps のペイロード帯域幅を提供します。

1.536 Mbps / ATM セルごとに 424 ビット = 3622 セル タイムスロット/秒またはセル/秒

PVC がライン レートで送信中である場合を除き、PVC は 3622 セル タイムスロットの一部のみを使用します。

接続の持続期間中使用できる固定の帯域幅の量を必要とする接続に、 CBR が使用されます。 この帯域幅の特徴は PCR によります。   CBR トラフィックの PCR に基づき、スケジュール テーブルで VC に対して特定のセル スロットが割り当てられます。 ATM インターフェイスは常に、CBR 接続の割り当て済みセル スロット中に、1 つのセルを送信します。

これに対して、リアルタイムと非リアルタイム両方の VBR サービスの特徴は、PCR、SCR および MBS(つまり Burst Tolerance(BT; バースト許容値))によるものです。 ATM インターフェイスは SCR のみに等しい帯域幅を予約するため、トラフィックがバースト性である場合、VBR-rt は帯域幅をより有効に活用します。

実際には、CBR と VBR-rt の間にも設定の違いが存在します。  VC の kbps レートを構成する隣接セルの到着におけるセル遅延変動(CDV)を、両方のサービス クラスは一定の範囲に抑えますが、CDV を設定できるのは一部のシスコ インターフェイスの CBR PVC のみです。  たとえば、最大許容セル着信ジッタを指定するため、NM-1A-OC3-1V は ces-cdv {time} コマンドをサポートしています。 ces-cdv は受信側の値で、アンダーフローとオーバーフローを防止するために、VC に存在する最大 CDV に対応できる十分な大きさのリアセンブリ バッファを設定しますが、全体的遅延を過剰にするほど大きくは設定できません。

VBR-rt インターフェイス ハードウェア

現在シスコは、VBR-rt サービス クラスをサポートするいくつかのインターフェイス ハードウェア モジュールおよびアダプタを用意しています。

  • MFT (MC3810)

  • NM-1A-T3 および NM-1A-E3

  • NM-4T1/8T1-IMA および NM-4E1/8E1-IMA

  • NM-1A-OC3 および NM-1A-OC3-1V

  • PA-A3

PA-A3 では、VBR-nrt PVC を設定することで、同等のリアルタイム サービス クラスのパフォーマンスが得られます。 Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.2 では、セル タイムスロットに関する競合が発生した場合、CBR と VBR-rt に対する適切なプライオリティをサポートする、2 つの新しい SAR プライオリティ レベルが導入されています。 また、コマンドラインで CBR と VBR-rt を設定する機能も導入されています。 「ATM リアルタイム サービス カテゴリに対するルータのサポートについて」を参照してください。

注:12.0 IOS コンフィギュレーション ガイドでは、Cisco MC3810 のみが VBR-rt をサポートすると記載されています。 12.1 IOS コンフィギュレーション ガイドでは、Inverse Multiplexing over ATM(IMA; ATM 逆多重化)ネットワーク モジュールで、VBT-rt に対する追加サポートが提供される、と明示されています。 リリース 12.1(2)T では、T3/E3 および OC3 ATM ネットワーク モジュールのサポートが導入されています。

MC3810 MFT での VBR-rt

MC3810 マルチサービス コンセントレータ用の Multi-Flex Trunk(MFT; マルチフレックス トランク)モジュールは、CSU/DSU 内蔵のT1/E1 ポートを 1 つ提供します。 MFT は、T1 と E1 の一方だけでなく、次の 2 つのモードのいずれかをサポートするようにソフトウェアで設定可能です。

  • マルチフレックス モード : フレームリレー、High-level Data Link Control(HDLC; 高レベル データリンク制御)、または Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)

  • ATM モード : 構造化 AAL1 形式のデータおよびビデオ、または AAL5 形式の圧縮音声またはデータ

コントローラ設定モードで mode atm コマンドを使用すると、コントローラが ATM カプセル化をサポートすることを指定します。 また mode atm コマンドにより論理インターフェイス atm 0 も作成され、ATM PVC はこの場所に作成します。

router(config)#controller {t1 | e1} 0 
   
   router(config-controller)#mode atm 

MFT ポートで ATM を設定するには、MC3810 上に VoATM IOS イメージが必要になります。 使用中の MC3810 が ATM サービスをサポートしているかどうかを確認するには、show version コマンドによって生成される出力のイメージ名で「a」を探します。 ATM サービスをサポートするイメージ名の例は、「mc3810-a2i5s-mz for IP Plus VoATM no ISDN」です。

ATM インターフェイスを作成した後、ATM カプセル化を設定する必要があります。 MFT は、次の 5 つの ATM カプセル化タイプをサポートしています。
 

カプセル化 ATM サービス カテゴリ
aal1 CBR
aal5snap(トラフィック シェーピング パラメータ使用) VBR-nrt
aal5snap(トラフィック シェーピング パラメータ不使用) UBR
aal5mux voice VBR-rt
aal5muxframe-relay VBR-nrt

MC3810 は、aal5mux voice カプセル化を使用した AAL5 上での音声をサポートしています。 次の設定では、このカプセル化タイプ用の ATM インターフェイスを設定しています。

interface atm0 
   
       pvc 1 1 100 
   
         encapsulation aal5mux voice 
   
         vbr-rt 384 192 48 

この設定には、次のコマンドを使用します。
 

コマンド 説明
pvc [名前] vpi/vci 音声トラフィック用の ATM PVC を作成し、仮想回線設定モードに入ります。
encapsulation aal5mux voice 音声トラフィックをサポートするように PVC のカプセル化を設定します。
vbr-rt peak-rate average-rate [burst] トラフィック シェーピングを実行するように、ピーク レート、平均レート、バースト セル サイズを設定します。

MFT での ATM サービスの設定方法の詳細については、「Voice over ATM の設定」を参照してください。


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