WAN : T1/E1 と T3/E3

T1/56K 回線のループバック テスト

2003 年 3 月 4 日 - ライター翻訳版
その他のバージョン: PDFpdf | 機械翻訳版 (2013 年 8 月 21 日) | 英語版 (2008 年 3 月 6 日) | フィードバック

目次

概要
はじめに
     表記法
     前提条件
     使用するコンポーネント
     背景説明
CSU/DSU でのループバック テストの実行
     CSU/DSU ソフトウェア ループバック
     CSU/DSU ハードウェア ループバック
     ループバック プラグ
電話会社のサポートに基づくループバック テスト
ループバック中の診断テスト
     拡張 PING テストの準備
     拡張 PING テストの実行
関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション
関連情報

概要

シリアル回線がアップすべきときにアップしない場合、その回線をトラブルシューティングするための最適な方法はループバック テストを実行することです。ループバック テストでは、回線の一部を切り離して個別にテストできます。ループバック テストを実行する際は、最初にお客様の構内で Channel Service Unit(CSU; チャネル サービス ユニット)/Data Service Unit(DSU; データ サービス ユニット)ループバック テストを行い、次に電話会社またはプロバイダーに関連するループバック テストを行います。

はじめに

表記法

文書の表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップス:表記法」を参照してください。

前提条件

この文書に関する特別な前提条件はありません。

使用するコンポーネント

この文書の情報は、Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.0 に基づいています。

背景説明

お客様がシリアル リンク上の問題を切り分ける際は、ソフトウェア ループバックとハードウェア プラグ ループバックという 2 種類のループバック テストを利用できます。内部 CSU/DSU または外部 CSU/DSU であるかを問わず、ソフトウェア ループバックおよびハードウェア ループバックは両方とも、ルータに戻す方向で実行できます。

  • ソフトウェア ローカル ループバックは通常、Cisco IOS 設定コマンドまたはループバック ボタン(一部の CSU/DSU)によって実行します。

  • ハードウェア ループバックは CSU/DSU に差し込んだループバック プラグまたはケーブルを使用して実行します。

CSU/DSU ループバック テストによって、ルータ機器、CSU/DSU、およびそれらに接続されているケーブルに障害がないことが実証された場合は、問題を切り分けるために、電話会社/回線のプロバイダーに協力を依頼してさらなるループバック テストを行う必要があります。

次の図は、シリアル回線の問題を正しく切り分けるために役立つ、各種のループバック テストを示しています。

loopback.gif

警告 警告:ループバック テストはすべて、回線の運用に影響を及ぼします。つまり、回線のトラブルシューティングを行っている間は、そのリンクを通じてトラフィックを渡すことはできません。

注:ループバック テストはすべて、High-Level Data Link Control(HDLC; ハイレベル データリンク制御)カプセル化を使用して行われます。

CSU/DSU でのループバック テストの実行

注:上記の図の「Local Loop to Router」を参照してください。

CSU/DSU ではソフトウェア ループバック テストとハードウェア ループバック テストをどちらも実行できますが、問題を切り分けるためにはループバック プラグを使用するのが効果的です。これは、ルータに戻るソフトウェア ループバックでは通常、CSU/DSU の DSU 機能をループさせるだけであるのに対し、ハードウェア ループバックでは CSU/DSU 全体に障害がないことを実証できるためです。

CSU/DSU ソフトウェア ループバック

内部 CSU/DSU では、ソフトウェア ループバックは Cisco IOS 設定コマンドを使用して実行します。ほとんどのプラットフォームで、コマンドは loopbackloopback dteloopback local のいずれかの形式をとります。これにより、CSU/DSU の内部からルータに回線がループバックするため、回線のその部分が切り離されます。

Primary Rate Interface(PRI; 一次群速度インターフェイス)または Channel Associated Signaling(CAS; チャネル連携信号)を使用しているチャネライズド T1 でループバック テストを実行するには、channel-group T1 コントローラ コマンドを使用して、チャネライズド T1 内のタイムスロットのセットにマップされたシリアル インターフェイスを 1 つ以上作成する必要があります。T1 が PRI として設定されている場合は、channel-group コマンドを使用する前に、pri-group を削除する必要があります。ローカルの CSU でソフトウェア ループバックを実行したい場合は、コントローラに loopback local を設定してください。これらのコマンドの詳細は、「コマンド リファレンス ガイド」を参照してください。これらのコマンドの使用例を次に示します。

Router#configure terminal
 
 Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
 Router(config)#controller t1 0
 Router(config-controller)#no pri-group timeslots 1-24
 Router(config-controller)#channel-group 0 timeslots 1-24 speed 64
 
 ! -- これにより、単一の Serial0:0 インターフェイスが自動的に作成されます。 
 
 Router(config-controller)#loopback local
 
 ! -- 上記の loopback local コマンドはソフトウェア ループバックの場合にだけ必要です。
 
 Router(config-controller)#exit
 Router(config)#interface serial 0:0 
 Router(config-if)#encapsulation hdlc
 
 ! -- 注:ループバック テストはすべて、HDLC カプセル化を使用して行われます。
 
 

注:これにより、総帯域幅 1.536Mbps に対して 24 のタイムスロットすべてを使用する、単一の Serial0:0 インターフェイス(最初の 0 はコントローラ、2 番目の 0 はチャネルグループ番号をそれぞれ表します)が作成されます。Super Frame(SF; スーパーフレーム)フレーミング タイプと Alternate Mark Inversion(AMI)回線コーディングを使用している場合は、channel-group コマンドで「speed 56」を使用してください。これは、SF/AMI がクリアチャネルの DS0 をサポートしないためです。

ループバック中に検証する内容については、「ループバック中の診断テスト」の項を参照してください。

CSU/DSU ハードウェア ループバック

ハードウェア ループバック プラグ テストは、ルータと CSU/DSU 全体に障害があるかどうかを確認する際に使用します。ルータがハードウェア ループバック プラグ テストに合格した場合は、回線に問題があることになります。下記の手順を参照してループバック プラグを作成し、このプラグを CSU/DSU のネットワーク(電話会社)側に挿入します。

ハードウェア ループバック テストでは、最初にソフトウェア ループバックの項に記載されているステップを実行します。ただし、コントローラでの loopback local の設定は除きます。コントローラで loopback local を設定した場合は、処理を行う前に no loopback local コマンドを使用して元に戻します。

ループバック中に検証する内容については、「ループバック中の診断テスト」の項を参照してください。

ループバック プラグ

注:RJ-45 ケーブル プラグのピンには 1 〜 8 の番号が付いています。プラグの金属ピンを手前に向けた状態で、一番左のピンがピン 1 です。

RJ45.gif

T1 CSU/DSU のピン配置は 4 線式 56K CSU/DSU のピン配置とは異なります。T1 CSU/DSU のコネクタは RJ-48C です。4 線式 56K CSU/DSU のコネクタは RJ-48S です。どちらのコネクタも RJ-45 プラグに適合しています。それぞれのループバック プラグの作成手順を次に示します。

  • T1 CSU/DSU 用のループバック プラグを作成するには、次の手順に従います。

    1. ワイヤ カッターを使用して、正常な RJ-45 ケーブルを長さが 5 インチのところでコネクタを付けたまま切断します。

    2. ワイヤーの被覆をはがします。

    3. ピン 1 とピン 4 のワイヤーをより合せます。

    4. ピン 2 とピン 5 のワイヤーをより合せます。

    5. 残りのワイヤーはそのままにしておきます。

  • 56K CSU/DSU 用のループバック プラグを作成するには、次の手順に従います。

    1. ワイヤ カッターを使用して、正常な RJ-45 ケーブルを長さが 5 インチのところでコネクタを付けたまま切断します。

    2. ワイヤーの被覆をはがします。

    3. ピン 1 とピン 7 のワイヤーをより合せます。

    4. ピン 2 とピン 8 のワイヤーをより合せます。

    5. 残りのワイヤーはそのままにしておきます。

電話会社のサポートに基づくループバック テスト

注:上記の図の「Telco Assisted Loop to Router」を参照してください。

上記の CSU/DSU テストによって、回線の両側の CSU/DSU、ルータ、およびそれらを接続するケーブル(外部 CSU/DSU の場合)に問題がある可能性が除外できた場合、次のステップは電話会社/プロバイダーに協力を依頼することです。このループバック テストには電話会社のサポートが必要ですが、電話会社が単独でテストを行うわけではありません。これは、電話会社が回線の診断テストまたは Bit Error Rate Test(BERT; ビット誤り率テスト)を実行するのとは異なります。

このループバック テストでは、電話会社によって Telco スイッチからお客様の構内へループバックが継続的に提供される必要があるため、電話会社の協力が不可欠です。準備ができたら、ループされた回線をルータから監視します。そのためには、お客様のルータに最も近い位置にある電話会社のスイッチで「回線を分割」するように電話会社に依頼する必要があります。たとえば、電話会社はお客様の回線が通過する最初の Telco スイッチでループバックを供給し、その回線をお客様のルータにループバックすることが必要となります。このようにして、電話会社のスイッチ クラウドを切り離し、最初の Telco スイッチからお客様の CSU/DSU、SmartJack、およびルータに至る(およびそれらを含む)回線の部分だけをテストすることができます。

ループバック中に検証する内容については、「ループバック中の診断テスト」の項を参照してください。

この「First Switch」テストが完了し、問題やエラーがまったくないことがお客様によって確認されたら、次は回線のリモート エンド(プロバイダー クラウドのもう一方の側にあるルータ)で同じ手順を実施します。リモート エンドが Internet Service Provider(ISP; インターネット サービス プロバイダー)である場合は、回線のこの部分のテストを支援してもらうよう、ISP に依頼する必要があります。

両側の「First Switch」テストが完了し、どこにも問題ないことがわかった場合、電話会社のクラウドの内部に問題がある可能性を示していると考えられるため、これらの情報を電話会社に伝える必要があります。電話会社は、この時点で回線の独自のテストを実施して調査を行うか、またはお客様とともに引き続きループバック テストを実行します。ループバック テストを行う際は、電話会社のクラウドの内側へ一度に 1 台ずつスイッチを戻したり、各スイッチでローカル ルータへのループバックを実行したりする方法が試されます。

「First Switch」テストによって最初の Telco スイッチとお客様のルータとの間の回線に問題があることが判明した場合、電話会社は回線のその部分のテストを支援します。お客様の CSU/DSU が接続されている SmartJack と最初の Telco スイッチの間には、診断テストのためにループを実行できる電話会社の機器がいくつか存在しています。また、お客様が分界点を拡張している場合は、問題が生じうる領域として分界点を調査する必要があります。これは、分界点が正しく拡張されていないために回線でエラーが発生する可能性があるためです。「分界点の拡張」とは、プロバイダーが元の分界点をお客様の機器により近い地点まで拡張することを指します。

ループバック中の診断テスト

上記のいずれかのループバックを行っているときに実行すべき最適なテストは、拡張 ping です。このテストを実行し、show interface serial コマンドによってインターフェイス上のエラーを監視してください。次にこのテストの手順を示します。

拡張 Ping テストの準備

次のステップに従って、拡張 PING テストを準備します。

  1. show interface serial コマンドを使用して、ルータのインターフェイスに HDLC カプセル化が設定されていること、およびインターフェイスでループバックが認識されていることを確認します。

    出力の最初の数行の例を次に示します。

    Router#show interface serial 0
     Serial0 is up, line protocol is up (looped)
     Hardware is HD64570
     Internet address is 10.1.1.1, subnet mask is 255.255.255.0
     MTU 1500 bytes, BW 1544 Kbit, DLY 20000 usec, rely 255/255, load 1/255
     Encapsulation HDLC, loopback set, keepalive set (10 sec)
     ...
  2. show running-config コマンドを使用して、インターフェイスに、他のインターフェイスと共有されていない一意の IP アドレスが割り当てられているかどうかを確認します。

    上記のシリアル インターフェイスに固有の IP アドレスが割り当てられていない場合は、一意のアドレスを入手してインターフェイスに割り当てます。

     Router(config-if)#ip address 172.22.53.1 255.255.255.0
     
  3. clear counters コマンドを使用して、インターフェイスのカウンタをクリアーします。

    次に、例を示します。

     Router#clear counters
      Clear "show interface" counters on all interfaces [confirm]
      Router#
     
  4. 次の「拡張 PING テストの実行」の項の指示に従って、拡張 PING テストを実行します。

拡張 PING テストの実行

ping コマンドは、他の多くのホスト システムだけでなく、Cisco インターネットワーキング デバイスでも使用できる便利なテストです。TCP/IP においては、この診断ツールは Internet Control Message Protocol(ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)のエコー リクエストとしても知られています。

注:ping コマンドは、show interfaces serial の出力中に示される入力エラーの数が多い場合に特に役立ちます。

シスコのインターネットワーキング デバイスでは、多数の PING パケットを次々と送出することを自動化するメカニズムを備えています。

次のステップに従って、シリアル回線の拡張 PING テストを実行します。

  1. 次のステップに従って、拡張 PING テストを実行します。

    1. 次のように入力します。ping ip

    2. Target address = IP アドレスを割り当てたばかりのローカル インターフェイスの IP アドレスを入力します。

    3. Repeat count = 50

    4. Datagram size = 1500

    5. Timeout = Enter キーを押します。

    6. Extended cmds = yes

    7. Source Address = Enter キーを押します。

    8. Type of service = Enter キーを押します。

    9. Set Df bit in ip header = Enter キーを押します。

    10. Validate reply data = Enter キーを押します。

    11. Data pattern:0x0000

    12. Enter キーを 3 回押します。

    ping パケットのサイズは 1500 バイトで、すべて 0 の ping(0x0000)を実行している点に注意してください。また、PING の回数の仕様は 50 に設定されています。したがって、この場合、1500 バイトの PING パケットが 50 回送出されます。

    次に出力例を示します。

    Router#ping ip
     Target IP address: 172.22.53.1
     Repeat count [5]: 50
     Datagram size [100]: 1500
     Timeout in seconds [2]:
     Extended commands [n]: yes
     Source address or interface:
     Type of service [0]:
     Set DF bit in IP header? [no]:
     Validate reply data? [no]:
     Data pattern [0xABCD]: 0x0000
     Loose, Strict, Record, Timestamp, Verbose[none]:
     Sweep range of sizes [n]:
     Type escape sequence to abort.
     Sending 50, 1500-byte ICMP Echos to 172.22.53.1, timeout is 2 seconds:
     Packet has data pattern 0x0000
     !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
     Success rate is 100 percent (50/50), round-trip min/avg/max = 4/4/8 ms
     Router#
     
  2. データ パターンを変えて拡張 PING テストを繰り返します。

    次に、例を示します。

    Data pattern = 0x1111 を使用してステップ 1 を繰り返します。

    Data pattern = 0xffff を使用してステップ 1 を繰り返します。

    Data pattern = 0xaaaa を使用してステップ 1 を繰り返します。

  3. すべての拡張 PING テストが 100 % 成功したことを確認します。

  4. show interface serial コマンドの出力を調べて、入力エラーが増えているかどうかを確認します。

    入力エラーが増えていなかった場合は、おそらくローカル ハードウェア(DSU、ケーブル、ルータ インターフェイス カード)の状態は良好です。さらに、Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長チェック)、フレーム、またはその他のエラーが起こっていないかを調べます。show interface serial コマンド出力の最後から 5 行目と 6 行目を見て、確認します。

    すべての PING が 100 % 成功し、なおかつ入力エラーが増えていない場合は、回線のこの部分にある機器はおそらく良好な状態にあります。引き続き、次のループバック テストを実行してください。

  5. インターフェイスのループバックを解除し(ループバック プラグを取りはずす、ソフトウェア ループバック コマンドを削除する、電話会社にループバックを解除してもらうように依頼する)、ルータの設定を元の状態に戻します。


関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション

シスコ サポート コミュニティは、どなたでも投稿や回答ができる情報交換スペースです。


関連情報


Document ID: 5708