IP : IP ルーティング

TCP/IP の概要

2014 年 3 月 14 日 - ライター翻訳版
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概要

その誕生から 20 年の間、イーサネット、トークン リング、Fiber Distributed ファイバ分散データ インターフェイス(FDDI)、X.25、フレームリレー、交換マルチメガビット データ サービス(SMDS)、サービス総合デジタルネットワーク(ISDN)、さらに最近では非同期転送モード(ATM)の展開によって、ネットワークの多様性は大幅に拡大して来ました。インターネット プロトコルは、こうした多様な LAN 技術や WAN 技術を相互接続するのに最も実績のある方式です。

インターネット プロトコル スイートには、低レベルの仕様(伝送制御プロトコル(TCP)やインターネット プロトコル(IP)など)だけでなく、電子メール、ターミナル エミュレーション、ファイル転送などの共通アプリケーションの仕様も含まれています。図 1 に、OSI 参照モデルと TCP/IP プロトコル スイートとの関係を示します。図 2 に、重要なインターネット プロトコルとそれらの OSI 参照モデルとの関係を示します。OSI 参照モデルと各階層の役割の詳細については、『インターネットワーキングの基礎知識』のドキュメントを参照してください。

インターネット プロトコルは今日使用されている、最も広範囲に実装されたマルチベンダー プロトコル スイートです。少なくとも、このインターネット プロトコル スイートの部分的なサポートは、事実上すべてのコンピュータ ベンダーから利用可能となっています。

TCP/IP テクノロジー

このセクションでは、TCP、IP、関連プロトコル、およびこれらのプロトコルの動作環境の技術的な側面について説明します。この文書では主としてルーティング(レイヤ 3 機能)を中心に説明するため、TCP(レイヤ 4 機能)の記述は比較的手短に説明します。

TCP

TCP は、バイト形式の非構造化ストリームとしてデータを送信するコネクション型転送プロトコルです。シーケンス番号と確認応答メッセージを使用して、TCP は着信ノードへ送信したパケットに関する配信情報を、送信側ノードに提供できます。送信元から送信先への転送でデータが失われた場合、タイムアウト条件を満たすか、データ配信が成功するまで、TCP はデータを再送信できます。TCP は重複メッセージを認識することも可能で、こうしたメッセージを適切に破棄します。送信側コンピュータのデータ送信速度が大きすぎて受信側コンピュータが対応できない場合、TCP はフロー制御メカニズムを使用して、データ転送速度を下げることができます。TCP は、サポートする上位層プロトコルおよびアプリケーションへの配信情報の通信も可能です。これらの特性をすべて兼ね備えた TCP は、エンドツーエンドの信頼性の高いトランスポート プロトコルとして機能します。TCP の仕様は、RFC 793 leavingcisco.com で規定されています。

図 1 – OSI 参照モデルと TCP/IP プロトコル スイートとの関係

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図 2 – OSI 参照モデルと重要なインターネット プロトコルとの関係

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詳細は、「インターネット プロトコル」の「TCP」セクションを参照してください。

IP

IP は、インターネット スイートにおける主要なレイヤ 3 プロトコルです。インターネットワーク ルーティングに加え、IP は最大データ ユニット サイズが異なるネットワークを介した転送に対して、情報ユニット(データグラム)のエラー レポート、断片化、およびの再構成機能を提供します。IP は、インターネット プロトコル スイートの中核をなします。

注:このセクションで IP という用語は、特に断りのない限り IPv4 を指します。

IP アドレスは全世界で一意の 32 ビットの数字で、Network Information Center によって割り当てられます。全世界で一意のアドレスを使用することによって、IP ネットワークは世界中のどこにあっても、相互に通信できます。

IP アドレスは 3 つの部分に分けられます。最初の部分はネットワーク アドレス、2 番目の部分はサブネット アドレス、3 番目の部分はホスト アドレスを表します。

IP アドレス空間は、3 つの異なるネットワーク クラスに分割されます。クラス A ネットワークは主に、ごく少数の大規模ネットワークでの使用を意図しており、ネットワーク アドレス フィールドが 8 ビットに抑えられています。クラス B ネットワークはネットワーク アドレス フィールドに 16 ビットが割り当てられ、クラス C ネットワークは 24 ビットを割り当てられています。ただしクラス C ネットワークではホスト フィールドに 8 ビットしか使用できないため、ネットワークあたりのホスト数が制限要因となることがあります。3 つのケースではすべて、左端のビットがネットワーク クラスを示します。IP アドレスは、ドット付き 10 進表記で表記されます(34.0.0.1 など)。図 3 にクラス A、B、および C の各 IP ネットワークのアドレス形式を示します。

図 3 – クラス A、B、C の各 IP ネットワークのアドレス形式

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IP ネットワークは、サブネットワークまたは「サブネット」というより小さなユニットに分割することもできます。サブネットを使用すると、ネットワーク管理者はネットワークをより柔軟に管理できます。たとえば、ネットワークにクラス A アドレスが割り当てられていて、ネットワークの全ノードがクラス A アドレスを使用しているとします。さらに、このネットワークのアドレスがドット付き 10 進表記で 34.0.0.0 であるとします(アドレスのホスト フィールドがすべて 0 だと、そのネットワーク全体を意味します)。管理者はサブネット化により、ネットワークをさらに分割できます。これは、図 4 に示すように、アドレスのホスト部分からビットを「借り」、そのビットをサブネット フィールドとして使用することで実現されます。

図 4 – ビットを「借りる」

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ネットワーク管理者がサブネット化で 8 ビットの使用を選択した場合、クラス A IP アドレスの 2 番目のオクテットは、サブネット番号を示します。上記の例で、アドレス 34.1.0.0 は、ネットワーク 34、サブネット 1 を意味し、以下、アドレス 34.2.0.0 は、ネットワーク 34、サブネット 2 などとなります。

サブネット アドレス用に借りることができるビット数は可変です。ネットワークおよびアドレスのサブネット部分の表現に使用するビット数を指定するため、IP はサブネット マスクを提供します。サブネット マスクは、IP アドレスと同じ形式、および同じ表示方法を使用します。サブネット マスクでは、ホスト フィールドを指定するビット以外は、すべてのビットが 1 になります。たとえば、クラス A アドレス 34.0.0.0 に対して、8 ビットのサブネット化を指定するサブネット マスクは、255.255.0.0 です。クラス A アドレス 34.0.0.0 に対して、16 ビットのサブネット化を指定するサブネット マスクは、255.255.255.0 です。この両方のサブネット マスクを図 5 に示します。サブネット マスクは必要に応じてネットワークを通過でき、これにより、新しいノードではネットワーク上で何ビットがサブネット化に使用されているかを認識できます。

図 5 – サブネット マスク

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従来、同じネットワーク番号のサブネットはすべて、同じサブネット マスクを使用していました。つまり、ネットワーク管理者は、ネットワーク内のすべてのサブネットに対して 1 つの 8 ビット マスクを選択します。この方法は、ネットワーク管理者とルーティング プロトコルの両方にとって、管理しやすいものです。しかし、一部のネットワークでアドレス空間を浪費します。多くのホストが存在するサブネットもあれば、少数のホストしか存在しないサブネットもありますが、どちらでもサブネット番号を使い果たしてしまいます。シリアル回線サブネットを介して 2 台のホストだけが接続可能なシリアル回線は、最も顕著な例です。

IP サブネットの拡大に伴い、管理者はアドレス空間をより効率的に使用する方法を模索してきました。その成果の 1 つが可変長サブネット マスク(VLSM)と呼ばれる技法です。VLSM を使用すると、ネットワーク管理者は、ホストの数が少ないネットワークに対して長いマスクを使用でき、ホストの数が多いサブネットに対して短いマスクを使用できます。だだし、この技法はマスクのサイズを統一する場合と比べて複雑になり、アドレスを慎重に割り当てる必要があります。

当然のことですが、VLSM を使用するためには、ネットワーク管理者は VLSM をサポートしているルーティング プロトコルを使用する必要があります。シスコのルータは、Open Shortest Path First(OSPF)、Integrated Intermediate System to Intermediate System(Integrated IS-IS)、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(Enhanced IGRP)、およびスタティック ルーティングを使用した VLSM をサポートしています。IP のアドレッシングとサブネット化についての詳細は、『IP のアドレッシングとサブネット化について(新規ユーザ向け)』を参照してください。

IEEE 802 LAN など一部のメディアでは、アドレス解決プロトコル(ARP)と逆アドレス解決プロトコル(RARP)という、インターネット プロトコル スイートの 2 つのメンバーを使用することによって、IP アドレスをダイナミックに検出します。ARP はブロードキャスト メッセージを使用して、特定のネットワーク レイヤ アドレスに対応しているハードウェア(MAC レイヤ)のアドレスを識別します。ARP は非常に汎用的で、事実上、どのようなタイプの基本メディア アクセス メカニズムでも IP を使用できます。RARP は、ブロードキャスト メッセージを使用して、特定のハードウェア アドレスに関連付けられたネットワーク レイヤ アドレスを識別します。ディスクを装備していないノードに関して RARP は特に重要です。これは通常、起動時にはネットワーク レイヤ アドレスが判明していないためです。

IP 環境でのルーティング

「インターネット」という言葉は、相互接続されたネットワークの 1 つのグループを指しています。別の面では、インターネットは、ほとんどの研究施設、大学、その他世界中の多くの組織間での通信を可能にするネットワークの集合体です。インターネット内のルータは階層構造をしています。一部のルータは、同じ管理権限と制御の下で、特定のネットワーク グループを介して情報を移動させるために使用されています(このようなエンティティを自律システムと呼びます)。自律システム内で情報交換のために使用されているルータを内部ルータといいます。内部ルータではさまざまな内部ゲートウェイ プロトコル(IGP)が、この目的のために使用されています。自律システム間で情報を移動するルータを外部ルータといいます。外部ルータは外部ゲートウェイ プロトコル(EGP)またはボーダーゲートウェイ プロトコル(BGP)を使用します。インターネット アーキテクチャを図 6 に示します。

図 6 – インターネット アーキテクチャの模式図

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IP で使用するルーティング プロトコルは、本質的にダイナミックなものです。ダイナミック ルーティングでは、ルーティング デバイスがルートを計算するソフトウェアを備えている必要があります。ダイナミック ルーティング アルゴリズムは、ネットワークの変化に対応して、最適のルートを自動的に選択します。ダイナミック ルーティングとは対照的に、スタティック ルーティングではネットワーク管理者がルートを確立する必要があります。スタティック ルートは、ネットワーク管理者がルートを変更しない限り、変わることはありません。

IP ルーティング テーブルは、送信先アドレスとネクスト ホップの対で構成されています。ルーティング テーブルの例では、最初のエントリは「ネットワーク 34.1.0.0(ネットワーク 34 のサブネット 1)に到達するための、次の送信先がアドレス 54.34.23.12 にあるノードです」という意味に解釈されます。

R6-2500# show ip route
   Codes: C - connected, S - static, I - IGRP, R - RIP, M - mobile, B - BGP
   D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area
   N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
   E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2, E - EGP
   i - IS-IS, su - IS-IS summary, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2
   ia - IS-IS inter area, * - candidate default, U - per-user static route
   o - ODR, P - periodic downloaded static route
Gateway of last resort is not set
	 34.0.0.0/16 is subnetted, 1 subnets
O		 34.1.0.0 [110/65] via 54.34.23.12, 00:00:51, Serial0
   54.0.0.0/24 is subnetted, 1 subnets
C		 54.34.23.0 is directly connected, Serial0
R6-2500#

これまで見てきたように、IP ルーティングが指定することは、IP データグラムがインターネットワークを介して、一度に 1 台のルータをホップして移動するということです。データ送信を開始する前には、ルート全体は判明していません。その代わり、送信先ごとに、データグラム内の送信先アドレスと、現在のノードのルーティング テーブル内のエントリを照合することにより、次のルータ ホップが決定されます。ルーティング プロセスにおいて各ノードが関与することは、内部情報に基づいて、パケットを転送することだけです。ルーティング障害が発生した場合、IP は送信元にエラー レポートを送り返しません。このタスクは、Internet Control Message Protocol(ICMP; インターネット制御メッセージ プロトコル)という別のインターネット プロトコルが処理します。

ICMP は IP インターネットワークでさまざまなタスクを実行します。ICMP が作成された本来の理由(送信元へのルーティング障害の報告)に加え、ICMP は、インターネットを経由したノードへの到達性のテストを実行する方法(ICMP Echo メッセージと Reply メッセージ)、ルーティング効率を向上させる方法(ICMP Redirect メッセージ)、データグラムのインターネット滞在時間が割り当て時間を超えたことを送信元へ通知する方法(ICMP Time Exceeded メッセージ)、およびその他の有益なメッセージを提供します。全体から見ると、ICMP はすべての IP 実装(特にルータ内で実行されている場合)に不可欠な部分です。詳細については、「関連情報」を参照してください。

ICMP の詳細については、このドキュメントの「関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション」セクションを参照してください。

内部ルーティング プロトコル

内部ルーティング プロトコル(IGP)は、自律システム内で動作します。次のセクションでは、TCP/IP ネットワークで現在広く使用されている IGP をいくつか簡単に説明します。これらのプロトコルの詳細については、「関連情報」セクションのリンクを参照してください。

RIP

IP 環境内のルーティング プロトコルの説明では、最初にルーティング情報プロトコル(RIP)から始める必要があります。RIP は 1980 年代初頭、Xerox Corporation により、Xerox Network Systems(XNS)のネットワークで使用するために開発されました。現在、多くの PC ネットワークが、RIP をベースにしたルーティング プロトコルを使用しています。

RIP は小規模な環境に適しており、大規模なインターネットワークで使用する場合には重大な制限事項があります。たとえば RIP では、インターネット内の 2 台のホスト間のルータ ホップの数が 16 に制限されています。また RIP はコンバージに時間がかかります。これは、ネットワークの変更がすべてのルータに認識されるまで比較的長い時間がかかるということを意味します。最後に、RIP はインターネットを経由した最適パスを決定する場合、2 つのエンド ノード間のホップ数だけしか考慮しません。この技法では、回線速度の違い、回線の利用状況、その他のさまざまなメトリックが無視されますが、こうした項目の多くが、2 つのノード間の最適パスを選択する場合に、重要な要素となります。このため、規模の大きなインターネットワークを備えた企業の多くが、RIP から、より高度なルーティング プロトコルへと移行しています。

IGRP

1980 年台初頭、シスコ システムズは Interior Gateway Routing Protocol(IGRP)の開発により、RIP を使用した内部ルータ間のデータグラム ルーティングに関する問題を解決した最初の企業となりました。IGRP は、ルータ間のネットワークの帯域幅と遅延を調べることによって、インターネットを介した最適パスを決定します。IGRP は、RIP よりコンバージが高速なため、どのネクストホップを使用してルーティングするかに関する不一致が原因で発生するルーティング ループを回避できます。さらに IGRP には、RIP に見られたホップ数の制限がありません。こうした点や、RIP に対するその他の改善点によって、IGRP は大規模、複雑、かつトポロジ的に多様なインターネットワークを展開することを可能にしました。

EIGRP

今日設計されている、ますます規模が拡大しつつあるミッションクリティカルなネットワークを処理するために、シスコは最近 IGRP を拡張しました。IGRP のこの新しいバージョンを Enhanced IGRP と呼んでいます。Enhanced IGRP では、従来のディスタンスベクター ルーティング プロトコルの使いやすさと、新しいリンクステート ルーティング プロトコルの高速な再ルーティング機能が組み合わされています。

Enhanced IGRP では、IGRP と比べると、使用する帯域幅が大幅に減少しています。これは、交換する情報しか含めないように、ルーティング情報の交換を制限できるためです。また Enhanced IGRP は、IP ルーティング情報に加え、AppleTalk と Novell IPX ルーティング情報を処理できます。

OSPF

OSPF は、RIP の後継として、インターネット技術特別調査委員会(IETF)によって開発されました。OSPF は 1970 年代末に、John McQuillan が提唱し、1980 年代半ばに、Radia Perlman と Digital Equipment Corporation(DEC)が引き継いだ研究をベースにしています。すべての主要な IP ルーティング ベンダーは OSPF をサポートしています。

OSPF は、ドメイン内、リンクステート、階層型ルーティング プロトコルです。OSPF は、自律システム内の階層型ルーティングをサポートしています。自律システムは、複数のルーティング エリアに分割できます。1 つのルーティング エリアは、緊密に関連する 1 つまたは複数のサブネットの集合体です。すべてのエリアはバックボーン エリアに接続されている必要があります。

OSPF は高速な再ルーティング機能を提供します。また、可変長サブネット マスクをサポートしています。

Integrated IS-IS

ISO 10589(IS-IS)は、DECnet フェーズ V ルーティング アルゴリズムとして使用される、ドメイン内、リンクステート、階層型ルーティング プロトコルです。さまざまな点で OSPF に類似しています。IS-IS は、ブロードキャスト LAN、WAN、ポイントツーポイント リンクなど、多様なサブネットワークを介して運用可能です。

Integrated IS-IS は、IS-IS を単なる OSI プロトコル以上のものにするための実装です。現在、Integrated IS-IS は、OSI と IP プロトコルの両方をサポートしています。

すべての統合ルーティング プロトコルと同じように、Integrated IS-IS では、すべてのルータが単一のルーティング アルゴリズムを実行している必要があります。Integrated IS-IS を実行しているルータが送信したリンクステート アドバタイズメントには、IP または OSI のいずれかのネットワーク レイヤ プロトコルを実行している送信先がすべて含まれています。IP 用の ARP や ICMP、および OSI 用の End System-to-Intermediate System(ES-IS)は、今までどおり、Integrated IS-IS を実行しているルータによってサポートされています。

外部ルーティング プロトコル

EGP は、自律システム間のルーティングを提供します。このセクションでは、TCP/IP コミュニティにおいて、最も広く使用されている 2 つの EGP について説明します。

EGP

一般に普及した最初の外部ルーティング プロトコルは、外部ゲートウェイ プロトコル(EGP)でした。EGP はダイナミック接続を提供しますが、すべての自律システムがツリー型トポロジで接続されていることが前提です。これは初期のインターネットには当てはまりましたが、現在では当てはまりません。

EGP はダイナミック ルーティング プロトコルですが、非常に簡単な設計を使用しています。EGP はメトリックを使用しないため、実際にはインテリジェントにルートを決定できません。EGP ルーティング更新には、ネットワーク到達可能性情報が含まれています。つまり、EGP ルーティング更新では、特定のルータを介して特定のネットワークに到達できることが指定されています。BGP などのルーティング プロトコルが支持される一方、EGP は現在の複雑なインターネットワークに関しての制限事項があるため、使用されなくなりつつあります。

BGP

BGP は、最も深刻な EGP の問題に対処するための試みです。GP と同様、BGP は、インターネット コア ルータで使用するための、ドメイン内ルーティング プロトコルです。EGP と異なる点は、BGP が任意のトポロジで発生するルーティング ループを防止し、ポリシーに基づくルート選択を可能にするために設計されたということです。

BGP の開発にはシスコの創業者が関わっており、シスコは BGP 開発にも深く関わり続けています。BGP の最新のリビジョンである BGP4 は、増大を続けるインターネットの規模拡大の問題を処理するために設計されました。

シスコの TCP/IP 実装

IP と TCP に加え、シスコの TCP/IP 実装は、ARP、RARP、ICMP、(別のデバイスの代わりに、ルータが ARP サーバとして動作する)プロキシ ARP、Echo、Discard、および Probe(Hewlett-Packard 社が開発し、IEEE 802.3 ネットワークで使用されているアドレス解決プロトコル)もサポートしています。ホスト名からアドレスへのマッピングが必要な場合、ドメイン ネーム システム(DNS)を使用するように、シスコのルータを設定することもできます。

IP ホストは、どのようにルータに到達できるかを認識している必要があります。これを実現するには、次に示すさまざまな方法があります。

  • ルータをポイントしているホストに、スタティック ルートを追加する。

  • ホスト上で RIP または他の IGP を実行する。

  • ホストで ICMP Router Discovery Protocol(IRDP)を実行する。

  • ルータ上でプロキシ ARP を実行する。

シスコのルータは、上記の方法をすべてサポートしています。

シスコは、アプリケーションの可用性を拡張し、インターネットワークの所有に関する総コストを削減する、さまざまな TCP/IP 付加価値機能を提供します。次のセクションでは、こうした機能の中で重要度が高いいくつかの機能について説明します。

アクセス制限

ほとんどのネットワークでは、あまり複雑でないアクセス要件があります。こうした問題に対処するため、シスコは、アクセス リストを実装しました。これは、設定したネットワークを対象に、特定のパケットの送受信を防止するスキームです。

アクセス リストは、IP アドレスまたは他の基準に基づいて、ルータ インターフェイスを介してアクセスの許可または拒否のいずれかを実行する手順を順番に記述したリストです。たとえば、特定のネットワーク セグメントのすべてのコンピュータから特定のリソースへのアクセスを拒否し、他のすべてのセグメントからのアクセスを許可するように、アクセス リストを作成できます。また別のアクセス リストを使用して、ローカル セグメントからインターネットの任意のホストへの TCP 接続を許可し、特定の送信先メール ホストへの電子メール接続を除き、インターネットからローカル ネットへのすべての接続を拒否することもできます。アクセス リストは非常に柔軟かつ強力なセキュリティ手段であり、IP に対してだけでなく、シスコのルータがサポートしている他のさまざまなプロトコルに対しても使用できます。

その他のアクセス制限は、米国国防省が指定した IP に対するセキュリティ拡張によるものです。シスコは、IP セキュリティ オプション(IPSO)の RFC 1108 leavingcisco.com に記述されている基本と拡張の両方のセキュリティ オプションをサポートしています。アクセス リストと IPSO の両方をサポートしているため、セキュリティが重要なネットワークでは、シスコは優れた選択肢となります。

トンネリング

シスコの TCP/IP 実装には、外部プロトコルが IP ネットワークを介してトンネリングすることを可能にする複数のスキームが組み込まれています。トンネリングを使用すると、ネットワーク管理者は、AppleTalk や Novell IPX ネットワークのサイズを、そのネイティブ プロトコルが処理できるサイズを超えて拡大できます。

IP マルチキャスト

TCP/IP プロトコル スイートを使用するアプリケーションは進化を続けています。これからのアプリケーション セットには、ビデオやオーディオ情報を使用するアプリケーションが出てくるでしょう。シスコは、ネットワーク管理者が既存のネットワークにオーディオやビデオ アプリケーションを追加できるようにする規格を定義するインターネット技術特別調査委員会(IETF)に積極的に参加しています。シスコは、Protocol Independent Multicast(PIM)規格をサポートする予定です。またシスコの実装によって、帯域幅管理、セキュリティ、および MBONE(現在すでに存在している研究用マルチキャスト バックボーン)との相互運用性が提供されます。

IP マルチキャスティング(IP データグラムを論理グループ内の複数のノードに送信する機能)は、ビデオなどのアプリケーションにとって重要なビルディング ブロックです。たとえばテレビ会議を実行するには、複数のテレビ会議サイトに、ビデオ情報を送信する機能が必要です。ビデオ情報を含んでいる IP マルチキャスト データグラムを複数のテレビ会議サイトに送信できれば、ネットワーク帯域幅が節約され、時刻同期がほぼ最善になります。

ネットワーク情報の抑制

場合によっては、特定のネットワークに関する情報を抑制することが有効な場合があります。シスコのルータでは、管理者が特定のルーティング プロトコル内のルーティング情報の交換を調整できるようにする設定オプションの拡張セットが用意されています。このために設計された一連のコマンドを使用することによって、着信情報と発信情報の両方が制御可能です。たとえば、ルーティング アドバタイズメントからのネットワークの除外や、特定のネットワークからのルーティング更新情報の受信拒否などの処置が実行できます。

アドミニストレーティブ ディスタンス

大規模なネットワークでは、一部のルータやルーティング プロトコルは、他と比べ、ルーティング情報のソースとしての信頼性が高くなります。Cisco IP ルーティング ソフトウェアにより、ネットワーク管理者はアドミニストレーティブ ディスタンス メトリックを使用して、情報ソースの信頼性を定量化できます。アドミニストレーティブ ディスタンスを指定すると、ルータはソースの信頼性に基づいて、ルーティング情報のソースを選択できます。たとえば、ルータが IGRP と RIP の両方を使用している場合、IGRP 情報への信頼度が高くなるように、アドミニストレーティブ ディスタンスを設定できます。このように設定すると、ルータは使用可能な場合には IGRP 情報を使用するようになります。IGRP 情報のソースが利用できなかった場合、その IGRP ソースが再度使用可能になるまで、ルータはバックアップとして RIP 情報を自動的に使用します。

ルーティングプロトコルの再配布

異なるルーティング プロトコルを使用している 2 つの環境間で移行を行うには、一方のプロトコルが生成したルートをもう一方のルーティング プロトコル環境へ再配布する必要があります。ルートの再配布を実行すると、企業は最適なルーティング プロトコルが異なるワークグループやエリアで、別々のルーティング プロトコルを実行できるようになります。お客様が使用するルーティング プロトコルを 1 つに制限しないことにより、シスコのルート再配布機能はコストを最小限に抑えながら、多様性による技術上の利点を最大にまで高めます。

シスコは、サポートしている任意のルーティング プロトコル間でのルーティング プロトコルの再配布を可能にしています。スタティック ルート情報も再配布できます。さらに、特定のルーティング プロトコルが再配布されたすべてのルートに対して同一のメトリックを使用して、ルーティング再配布メカニズムを簡略化できるように、デフォルト値を割り当てることが可能です。

サーバレス ネットワークのサポート

シスコは、ネットワーク管理者がサーバレス ネットワークを構築できる機構をいち早く開発しました。ヘルパー アドレス、RARP、および BOOTP を使用することによって、ネットワーク管理者はサーバに依存しているワークステーションから離れた場所にサーバを設置できるようになり、ネットワーク設定の制約が軽減されます。

ネットワークのモニタリングおよびデバッグ

今日の複雑かつ多様なネットワーク トポロジでは、監視プロセスとデバッグ プロセスをサポートするルータの機能が非常に重要です。複数のセグメントの連結点として、ルータは多くの他のデバイスよりも、ネットワーク全体を監視しています。ルータを日常的に通過する情報を利用して、さまざまな問題を検出したり、解決することができます。

Cisco IP ルーティングの実装では、次の情報を表示するコマンドが用意されています。

  • ルーティング テーブルの現在の状態(ルートを取得したルーティング プロトコル、ソースの信頼性、送信先の次 IP アドレス、使用するルータ インターフェイス、ネットワークがサブネット化しているかどうか、対象のネットワークが直接接続されているかどうか、ルーティング メトリックなど)。

  • アクティブなルーティング プロトコル プロセスの現在の状態(更新間隔、メトリックの重み(使用可能な場合)、ルーティング プロセスが機能しているアクティブなネットワーク、ルーティング情報のソースなど)。

  • アクティブな課金データベース(特定の送信元と送信先の間で交換されたパケット数とバイト数など)。

  • IP キャッシュの内容(送信先の IP アドレス、送信先に到達するために経由するインターフェイス、使用されているカプセル化手法、対象の送信先で検出したハードウェア アドレスなど)。

    IP 関連のインターフェイス パラメータ(インターフェイスとインターフェイス物理層ハードウェアが稼働しているかどうか、特定のプロトコル(ICMP、プロキシ ARP など)がイネーブルかどうか、現在のセキュリティ レベルなど)。

  • IP 関連のプロトコル統計情報(IP、TCP、User Datagram Protocol(UDP)、EGP、IGRP、Enhanced IGRP、OSPF、IS-IS、ARP、Probe の各プロトコルによって送受信されたパケット数とエラー数)。

  • BGP、EGP、ICMP、IGRP、Enhanced IGRP、OSPF、IS-IS、RIP、TCP および UDP のすべてのトランザクションのロギング。

  • パケットがネットワークを通過する際に実行した中間ホップ数。

  • ノード間の到着可能性情報。

要約

IP は 20 以上あるプロトコルの 1 つで、シスコのすべてのルータがルーティングとブリッジを同時に実行できます。シスコでは、自社の IP 実装に対し、企業全体にまたがる大規模なインターネットワークにおいてシスコのルータのパフォーマンスを最適化する、さまざまな機能を追加しました。

関連するシスコ サポート コミュニティ ディスカッション

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