音声 : IP テレフォニー/Voice over IP(VoIP)

Cisco ISR シリーズのクロックの設定と動作

2007 年 5 月 29 日 - 日本オリジナル版
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目次

  • 概要
  • 前提条件
    • 要件
    • 使用するコンポーネント
    • 表記法
  • 背景説明
    • クロックの構成とコマンド
    • クロックコマンドによる動作の違い
    • 注意点
    • 設定例

概要

このドキュメントでは Cisco ISR シリーズのクロックの設定と、その動作について説明します。

前提条件

要件

次の項目に関する知識があることが推奨されます。

  • VoIP に関する基礎知識

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。

  • Cisco ISR シリーズ

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメント内で使用されているデバイスは、すべてクリアな(デフォルト)設定で作業が開始されています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、すべてのコマンドによる潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。


表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

背景説明

VoIP ゲートウェイで以下のアプリケーションを使用するには、クロックの厳密な同期が必須となります。

  • Fax passthrough(Fax Relayでもほぼ必須)
  • Modem passthrough(Modem Relayでもほぼ必須)
  • Transparent-CCS D-channel tunneling via clear-channel codec
  • Circuit emulation over IP

これらのアプリケーションを正常動作させるために重要となる、クロックの設定と動作について説明します。

クロックの構成とコマンド


図1. ISR の CLOCKING ドメインの構成図

図1. ISR の CLOCKING ドメインの構成図

ISR CLOCKING ドメインについて

- Motherboard ドメインと NM ドメインが独立して存在します。
- 各ドメインは、内部 PLL または外部からのクロックの1つをクロックソースとします。
- DSPをBackplaneを介して共有するドメインは、同じクロックソースを持つ必要があります。

ISR CLOCKING コマンドについて

- network-clock-participate
   backplane からのクロックでカードを動作させます。
- network-clock-select
   特定のT1/E1/BRI portからのクロックをbackplaneに供給します。

クロック コマンドによる動作の違い

1. network-clock-participate の設定なし

1-1. Clock Source が Line の場合
Tx には Line からの Clock が供給され、DSP には Line と同期した Clock が供給されるため、DSP/Tx と Rx との Clock は同期しています。

1-1. Clock Source が Line の場合

※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。popup_icon

1-2. Clock Source が内部 PLL の場合
Line 側が Clock を Router 側と同期するように設定されていれば、DSP/Tx と Rx との Clock は同期しています。

1-2. Clock Source が内部 PLL の場合

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2. network-clock-participate の設定あり、network-clock-select の設定なし

2-1. Clock Source が Line の場合
DSP/Tx は内部 PLL の Clock が使用され、Rx には Line の Clock が使用されています。Clock の同期を取るためには、network-clock-select コマンドで別の Line から Clock を内部 PLL へ供給(3-1の構成)しておく必要があります。

2-1. Clock Source が Line の場合

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2-2. Clock Source が内部 PLL の場合
Line 側が Clock を Router 側と同期するように設定されていれば、DSP/Tx と Rx との Clock は同期しています。

2-2. Clock Source が内部 PLL の場合

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3. network-clock-participate、network-clock-select の設定あり

3-1 Clock Source が Line の場合
DSP と Tx は、Line の Clock と同期している内部 PLL から Clock が供給されるため、DSP/Tx と Rx との Clock は同期しています。

3-1 Clock Source が Line の場合

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注意点

同じ拠点内のクロック同期だけでなく、別拠点とのクロック同期も考慮する必要があります。最善のデザインは、PBX、ルータ全ての機器が NTT に同期する方法になります。

機器構成によりクロックの多段中継が発生することもあります。PBX、IF コンバータ、ルータ 各機器で、クロック供給源を正しく設定する必要があります。

図2. 多段構成時のクロック供給

※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。popup_icon

設定例

外部とのインタフェースを複数持つルータで、単一の外部クロックと同期を取るためのコンフィグサンプルです。

コンフィグサンプル
network-clock-participate slot 1
network-clock-participate slot 2
network-clock-participate slot 3
 
network-clock-select 1 T1 1/0/0
network-clock-select 2 T1 2/0/0
 

TDM BackPlane へのクロック供給は ISDN から行われます。
Clock Source のプライマリが1/0/0ポートとなり、セカンダリが2/0/0ポートとなります。1/0/0がダウンした場合は、2/0/0からのクロックが Backplane へ供給されます。
クロックの動作状況は、show network-clocks コマンドで確認することができます。

図3. 複数 Line 構成における単一クロックとの同期

図3. 複数 Line 構成における単一クロックとの同期

Updated:May 29, 2007 Document ID:1501052007