Cisco UCS Configuration Utility

概要

Cisco UCS Configuration Utility は、次のサーバ パラメータを変更できるツールです。

  • BIOS

  • Cisco IMC

  • CMC

このユーティリティには、BIOS、CMC、および Cisco IMC の現在設定されているパラメータ値を XML またはテキスト ファイル形式で表示するオプションがあります。これらのパラメータの値を変更するには、現在設定されている値をテキスト ファイルに抽出して変更し、そのテキスト ファイルを適用する必要があります。BIOS、CMC および Cisco IMC のパラメータの変更手順については、ユーティリティの使用を参照してください。


(注)  

このユーティリティでは、Cisco IMC でサポートされているパラメータのみを変更できます。


サポートされているオペレーティング システムとサーバ

コマンドのリスト

Cisco UCS Configuration Utility には、BIOS パラメータおよび パラメータの表示や変更に使用できる一連のコマンドが用意されています。

表 1. Windows と Linux の両方のオペレーティング システムでサポートされているコマンド

コマンド

説明

ucscfg help

ucscfg コマンドと使用方法に関するヘルプ情報を表示します。

ucscfg show text /bios

BIOS パラメータの値をテキスト ファイル形式で表示します。出力には、各パラメータの現在の設定値が表示されます。

ucscfg show xml /bios

BIOS パラメータの値をテキスト ファイル形式で表示します。出力には、各パラメータの現在の設定値が表示されます。

このコマンドは、S3260M4 および C460M4 サーバでのみサポートされています。

ucscfg show xml /cimc

CIMC パラメータの値を XML ファイル形式で表示します。出力には、各パラメータの現在の設定値が表示されます。

ucscfg show text /cimc

CIMC パラメータの値をテキスト ファイル形式で表示します。出力には、各パラメータの現在の設定値が表示されます。

ucscfg show text /bios > filename.txt

BIOS パラメータのテキスト出力を、ユーティリティ外部のテキスト ファイルにリダイレクトします。このファイルには、現在設定されている BIOS パラメータが示されます。このファイルは、すべての BIOS パラメータを変更するときに使用します。

ucscfg show text /cimc > filename.txt

CIMC パラメータのテキスト出力を、ユーティリティ外部のテキスト ファイルにリダイレクトします。このファイルには、現在設定されている CIMC パラメータが示されます。このファイルは、すべての CIMC パラメータを変更するときに使用します。

ucscfg batch setbios filename.txt

BIOS パラメータに対して行った変更を適用します。

このコマンドはテキスト ファイル形式にのみ対応しています。XML 形式には対応していません。設定された BIOS トークンは、次のホストの再起動時に有効になります。

ucscfg batch setcimc filename.txt

Cisco IMC パラメータに対して行った変更を適用します。

このコマンドはテキスト ファイル形式にのみ対応しています。XML 形式には対応していません。設定された CIMC パラメータは、CIMC の自動再起動後すぐに適用されます。

ucscfg batch -ignore setcimc filename.txt

Cisco IMC パラメータに対して行った変更を適用します。その際、テキストファイルに記載されているサーバの BIOS バージョンは無視し、サーバで実際に機能している BIOS バージョンに基づいて、変更の適用を続行します。

自分独自のファイルを作成できます。独自のファイルの作成方法については、テキスト ファイルの作成を参照してください。

ucscfg ipfilter get

IP フィルタのステータスと、IP フィルタとして設定されている IP アドレスの範囲を表示します。

サーバへのセキュアなアクセスを提供するために、選択した IP のセットのみにアクセスを許可するフィルタを設定できるようになりました。このオプションでは、IP アドレスを保存するための 4 つのスロット(IP フィルタ 1、2、3、および 4)が提供されます。IP フィルタの設定時に、単一の IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を割り当てることができます。IP フィルタを設定すると、他の IP アドレスを使用してサーバにアクセスすることはできなくなります。

ucscfg ipfilter get > filename.txt

CIMC パラメータのテキスト出力を、ユーティリティ外部のテキスト ファイルにリダイレクトします。

IP フィルタ設定のサンプルとしては、次のようなものがあります。

  • /cimc/network-security/ipFilterEnabled <enabled/disabled> - IP ホワイトリストを有効または無効にします

  • /cimc/network-security/ipFilter1 <IPv4/IPv6 アドレス> - IP をホワイトリストに含めます。

  • /cimc/network-security/ipFilter2 <IPv4/IPv6 アドレス>-<IPv4/IPv6 アドレス> - IP アドレスの範囲をホワイトリストに含めます。

  • /cimc/network-security/ipFilter3 <IP アドレス/範囲>

  • /cimc/network-security/ipFilter4 <IP アドレス/範囲>

ucscfg ipfilter set filename.txt

IP フィルタのステータスと、IP フィルタとして設定する IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を設定します。

ucscfg single-ip get

サーバが単一 IP または通常モードのいずれであるかを確認します。

ucscfg single-ip set enabled port-number

サーバで単一 IP モードを有効にします。

ucscfg single-ip set disabled port-number

サーバで単一 IP モードを無効にします。

表 2. Linux でのみサポートされるコマンド

コマンド

説明

ucscfg bootorder get > filename.txt

ブート順序のテキスト出力を、ユーティリティ外部のテキスト ファイルにリダイレクトします。このファイルには、サーバで設定されたブート順序が示されます。ブート順序を変更するには、このファイルを使用します。

ucscfg bootorder set filename.txt

サーバの現在の起動順序設定を変更します。独自のファイルを作成して、設定されている起動順序を追加したり変更することができます。

ucscfg export CMC filename passphrase

CMC の設定をファイルにエクスポートまたはプッシュ アウトします。

(注)   

このコマンドは、S3260、C3260 M4、および M5 サーバにのみ適用されます。

ucscfg export BMC1 filename.txt passphrase

ノード 1 BMC の設定をファイルにエクスポートまたはプッシュ アウトします。

(注)   

このコマンドは、S3260、C3260 M4、および M5 サーバにのみ適用されます。

ucscfg export BMC2 filename.txt passphrase

ノード 2 BMC の設定をファイルにエクスポートまたはプッシュ アウトします。

(注)   

このコマンドは、S3260、C3260 M4、および M5 サーバにのみ適用されます。

ucscfg tech-support generate

テクニカル サポート ログを生成します。

ucscfg tech-support status

進行中のテクニカル サポート ログのステータスを確認します。

ucscfg tech-support cancel

進行中のテクニカルサポートログの生成をキャンセルします。

ucscfg tech-support download

BMC で使用可能なテクニカル サポート ファイルをホストにダウンロードします。

実行しても、ダウンロードの完了時に BMC のテクニカル サポート ファイルがクリーンアップされることはありません。つまり、同じテクニカル サポート ファイルを再度ダウンロードすることもできます。

ucscfg tech-support export

テクニカルサポートファイルを生成して、BMC からホストにダウンロードします。

このコマンドは、ダウンロード完了時に BMC のテクニカル サポート ファイルをクリーンアップします

ucscfg テクニカルサポートのクリーンアップ

BMC で使用可能なテクニカルログファイルをクリアします。

表 3. Windows でのみサポートされるコマンド

コマンド

説明

ucscfg bootorder set parameter

サーバの最初のブート デバイスを設定します。

parameterフィールドには、次のいずれかの値を設定できます。

  • FDD

  • CDROM

  • HDD

  • EFI

  • PXE

ユーティリティの使用

Cisco UCS Configuration Utility を使用すると、サーバの BIOS、CMC および Cisco IMC のパラメータ値を変更できます。このユーティリティでは、有効な値のリストと共に現在設定されているパラメータ値を XML ファイル形式で確認してから、テキスト ファイルで値を変更し、その変更を適用できます。


(注)  

  • このユーティリティを使用するには、IPMI サービスが稼動している必要があります。


手順の概要

  1. Cisco UCS Configuration Utility を開きます。
  2. BIOS または Cisco IMC のパラメータの設定値と有効な値のリストが表示されます。
  3. BIOS または Cisco IMC のパラメータを変更するには、現在設定されているパラメータ値を含むテキスト ファイルを生成し、そのテキスト ファイルで変更を行います。Windows サーバでテキスト ファイルを生成するには、次のコマンドを実行します。
  4. テキスト ファイル内のパラメータを変更し、ファイルを保存します。
  5. テキスト ファイルを適用します。
  6. サーバをただちに再起動し、BIOS パラメータを新しい値に更新します。
  7. Cisco IMC または CMC の設定をエクスポートまたはインポートするには、次のコマンドを実行します。
  8. Cisco UCS VIC の設定をエクスポートまたはインポートするには、次のコマンドを実行します。
  9. ファームウェアの更新に関連するタスクを実行するには、次のコマンドを実行します。
  10. IP フィルタのステータスと、IP フィルタとして設定する IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を設定するには、次のコマンドを実行します。

手順の詳細


ステップ 1

Cisco UCS Configuration Utility を開きます。

  1. http://www.cisco.com/cisco/software/navigator.html の [ソフトウェア ダウンロード(Download Software)] ページにアクセスします。

  2. [Unified Computing and Servers] > [Cisco UCS C-Series Rack-Mount UCS-Managed Server Software] > [Unified Computing System (UCS) Utilities] をクリックします。

  3. オペレーティング システムを選択し、ISO イメージをダウンロードします。

    Cisco UCS Configuration Utility は、zip ファイルおよび tar ファイルとして提供されます。

  4. zip ファイルまたは tar ファイルの内容を抽出します。

    ユーティリティを動作させるには、ダウンロードしたファイル内のすべてのファイルが必要です。zip ファイルまたは tar ファイルから抽出したファイルを削除したり移動したりしないでください。

  5. ユーティリティが格納されているディレクトリから、ユーティリティを実行します。

    Linux オペレーティング システムでユーティリティを実行すると、最初に、IPMI サービスが稼動しているかどうかが確認されます。稼動していない場合は、ユーティリティによって IPMI サービスが開始されます。

ステップ 2

BIOS または Cisco IMC のパラメータの設定値と有効な値のリストが表示されます。

(注)   
  • 単一の UCSCFG バイナリが、すべての UCS C シリーズおよび S シリーズサーバに対して発行されます。

  • ucscfg show xml /bios コマンドは、M4 サーバでのみサポートされています。

BIOS の場合:

ucscfg show xml /bios

Cisco IMC の場合:

ucscfg show xml /cimc

ステップ 3

BIOS または Cisco IMC のパラメータを変更するには、現在設定されているパラメータ値を含むテキスト ファイルを生成し、そのテキスト ファイルで変更を行います。Windows サーバでテキスト ファイルを生成するには、次のコマンドを実行します。

BIOS の場合:

ucscfg show text /bios > bios.txt

Cisco IMC の場合:

ucscfg show text /cimc > cimc.txt

Linux サーバでは、次のコマンドを実行します。

BIOS の場合:

ucscfg show text /bios > bios.txt

Cisco IMC の場合:

ucscfg show text /cimc > cimc.txt

BIOS および Cisco IMC のパラメータの値は、bios.txt および cimc.txt ファイルに保存されます。

ステップ 4

テキスト ファイル内のパラメータを変更し、ファイルを保存します。

ステップ 5

テキスト ファイルを適用します。

BIOS の場合:

ucscfg batch setbios bios.txt

Cisco IMC の場合:

ucscfg batch setcimc cimc.txt

ステップ 6

サーバをただちに再起動し、BIOS パラメータを新しい値に更新します。

サーバをただちに再起動しないと、BIOS パラメータは更新されず、変更されないままになります。パラメータを再び変更してサーバをただちに再起動した場合は、2 回目に行った変更が反映されます。BIOS パラメータに対して以前に行った変更は、サーバで更新されません。

ステップ 7

Cisco IMC または CMC の設定をエクスポートまたはインポートするには、次のコマンドを実行します。

エクスポートする場合:

ucscfg export <CMC または BMC> filename passphrase

インポートする場合:

ucscfg import <CMC または BMC> filename passphrase

ステップ 8

Cisco UCS VIC の設定をエクスポートまたはインポートするには、次のコマンドを実行します。

  1. 使用可能な VIC のスロット番号を表示するには、次のコマンドを実行します。

    ucscfg vic-display

  2. エクスポートおよびインポートする。

    エクスポートする場合:

    ucscfg vic-export slot filename

    インポートする場合:

    ucscfg vic-import slot filename

ステップ 9

ファームウェアの更新に関連するタスクを実行するには、次のコマンドを実行します。

遅延を伴うファームウェア更新を開始するには、次のようにします。

ucscfg fwupdate fwupdate_config

進行中のファームウェア更新のステータスを表示するには、次のようにします。

ucscfg fwupdate_status

進行中のファームウェアの更新をキャンセルするには、次のようにします。

ucscfg fwupdate_cancel

ステップ 10

IP フィルタのステータスと、IP フィルタとして設定する IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を設定するには、次のコマンドを実行します。

ucscfg ipfilter set filename

IP フィルタ の詳細を表示するには、次のコマンドを使用します。

ucscfg ipfilter get


テキスト ファイルの作成

このユーティリティを使用し、BIOS および Cisco IMC のパラメータの値を変更する際には、ユーティリティ外部でファイルを作成してから、ユーティリティを使用して変更を適用できます。このオプションは、BIOS か CIsco IMC の 1 つまたは 2 つのオプションを変更する場合に使用できます。テキスト ファイルを作成する前に、XML ファイルを生成し、BIOS パラメータと CIsco IMC パラメータに対して現在設定されている値および指定可能な値を確認することをお勧めします。

手順の概要

  1. Cisco UCS Configuration Utility を開きます。
  2. BIOS または Cisco IMC のパラメータの設定値と有効な値のリストが表示されます。
  3. この XML 出力ファイルを参考にして、変更するオプションを含むテキスト ファイルを作成します。
  4. 次のコマンドを使用してテキストファイルを適用します。
  5. サーバをただちに再起動し、BIOS パラメータを新しい値に更新します。

手順の詳細


ステップ 1

Cisco UCS Configuration Utility を開きます。

ステップ 2

BIOS または Cisco IMC のパラメータの設定値と有効な値のリストが表示されます。

(注)   
  • 単一の UCSCFG バイナリが、すべての UCS C シリーズおよび S シリーズサーバに対して発行されます。

  • ucscfg show xml /bios コマンドは、M4 サーバでのみサポートされています。

BIOS の場合:

ucscfg show xml /bios

Cisco IMC の場合:

ucscfg show xml /cimc

ステップ 3

この XML 出力ファイルを参考にして、変更するオプションを含むテキスト ファイルを作成します。

テキスト ファイルを作成する際は、下記のガイドラインに従ってください。

  • 機能名の後ろには、XML ファイルの target-token フィールドにある名前を付ける必要があります。

  • 値を指定する際は、必ず、XML ファイルの <setting name> タグで示されている値を使用します

たとえば、次の XML ファイルの内容は、POST Error Pause パラメータの現在の設定値と有効値を示しています。このパラメータの現在の設定値は Enabled です。

<BIOS vendor="Cisco" version="36-132" />
 <BIOS vendor="Cisco" >
 <feature name="Main" target-token="Main" >
   <parameter name="POST Error Pause" target-token="POSTErrorPause" >Enabled
     <Setting name="Disabled" value="0" type-hint="number" is-default="yes" />
           <Setting name="Enabled" value="1" type-hint="number" is-default="no" is-current="yes" />
                  </parameter>
 </feature>
このパラメータを無効にするには、上記の下線を引いた XML ファイルの内容をテキスト ファイルに含める必要があります。
/bios/Main/POSTErrorPause Disabled
ステップ 4

次のコマンドを使用してテキストファイルを適用します。

BIOS の場合:

ucscfg batch setbios bios.txt

Cisco IMC の場合:

ucscfg batch setcimc cimc.txt

テキスト ファイルを適用すると、ユーティリティは最初に、サーバの BIOS バージョンがテキスト ファイルに記載されているバージョンと一致しているかどうかを確認します。サーバのバージョンが一致しない場合は、エラー メッセージが表示され、変更は適用されません。オプションとして、BIOS のバージョンを確認することなくパラメータの変更を適用することもできます。これを行うには、次のコマンドを実行します。

ucscfg batch -ignore setcimc cimc.txt

ステップ 5

サーバをただちに再起動し、BIOS パラメータを新しい値に更新します。


その他の情報

関連 Cisco UCS 資料

ドキュメント ロードマップ

すべての B シリーズ マニュアルの完全なリストについては、以下の URL で入手可能な『Cisco UCS B-Series Servers Documentation Roadmap』を参照してください。https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/unified_computing/ucs/overview/guide/UCS_roadmap.html

すべての C-Series マニュアルの完全なリストについては、次の URL で入手可能な「『Cisco UCS C-Series Servers Documentation Roadmap』」を参照してください。https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/unified_computing/ucs/overview/guide/ucs_rack_roadmap.html

管理用の UCS Manager と統合されたラック サーバでサポートされるファームウェア バージョンとサポートされる UCS Manager バージョンについては、「Release Bundle Contents for Cisco UCS Software」を参照してください。

その他のマニュアル リソース

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マニュアルに関するフィードバック

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