概要
このドキュメントでは、1 組の電話機でディレクトリ アクセスを無効にするための各種方法について説明します。
Cisco Unified Communications Manager(CUCM)7.X 以降の IP Phone サービスには、次のような各種ディレクトリが組み込まれています。
- Missed Calls
- Received Calls
- 発信コールなど
IP Phone サービスを表示するには、[Device] > [Device Settings] > [Phone Services] の順に選択します。
デフォルトでは、すべてのサービス(インターコム コールを除く)のエンタープライズ登録が有効になっています。つまり、エンタープライズ登録がすべての電話機に自動的に割り当てられます。
TelecasterService テーブルには、システムにプロビジョニングされているすべての Phone サービスのパラメータが保存されます。このデフォルト エントリは、次のとおりです。
admin:run sql select name, priority, urltemplate, pkid from telecasterservice
name priority urltemplate pkid
===================== ======== ===================================== ====================================
Missed Calls 1 Application:Cisco/MissedCalls d0059763-cdcc-4be7-a2a8-bbd4aac73f63
Received Calls 2 Application:Cisco/ReceivedCalls 0061bdd2-26c0-46a4-98a3-48a6878edf53
Placed Calls 3 Application:Cisco/PlacedCalls a0eed443-c705-4232-86d4-957295dd339c
Intercom Calls 4 Application:Cisco/IntercomCalls 27f92f3c-11ed-45f3-8400-fe06431c0bfc
Personal Directory 5 Application:Cisco/PersonalDirectory 4a9d384a-5beb-4449-b176-cea0e8c4307c
Corporate Directory 6 Application:Cisco/CorporateDirectory 7eca2cf1-0c8d-4df4-a807-124b18fe89a4
Voicemail 1 Application:Cisco/Voicemail ca69f2e4-d088-47f8-acb2-ceea6722272e
電話機のディレクトリを無効にする方法は、次のとおりです。
手動更新
方法 1:エンタープライズ登録を有効にせずに、GUI から IP Phone サービスを削除して再度追加する
ディレクトリ アクセスが必要な電話すべてに対して一括更新を実行するには、次の手順を実行します。
- [Bulk Administration] > [Phones] > [Phone Template] の順に選択して、電話テンプレートを作成します。
- 電話テンプレートを IP Phone サービスに登録します。
- [Bulk Administration] > [Phones] > [Update Phones] > [Query] の順に選択して、ディレクトリ アクセスが必要な電話機を選択します。
- 次のページで、[Assign IP Phone Services] チェック ボックスをオンにします。
- 作成されたテンプレートを選択します。
- ジョブを送信します。
この方法では、[priority] フィールドを変更するオプションがなく、デフォルトで 50 の優先度が設定されます。
admin:run sql select name, priority, urltemplate, pkid from telecasterservice
name priority urltemplate pkid===================== ========== ======================================== ========================================
Missed Calls 50 Application:Cisco/MissedCalls d0059763-cdcc-4be7-a2a8-bbd4aac73f63
Received Calls 50 Application:Cisco/ReceivedCalls 0061bdd2-26c0-46a4-98a3-48a6878edf53
Placed Calls 50 Application:Cisco/PlacedCalls a0eed443-c705-4232-86d4-957295dd339c
Intercom Calls 4 Application:Cisco/IntercomCalls 27f92f3c-11ed-45f3-8400-fe06431c0bfc
Personal Directory 50 Application:Cisco/PersonalDirectory 4a9d384a-5beb-4449-b176-cea0e8c4307c
Corporate Directory 50 Application:Cisco/CorporateDirectory 7eca2cf1-0c8d-4df4-a807-124b18fe89a4
Voicemail 1 Application:Cisco/Voicemail ca69f2e4-d088-47f8-acb2-ceea6722272e
優先度では、ディレクトリにリストされるサービスの順序が定義されます。複数のサービスの優先度が同じ場合、それらのサービスはアルファベット順に表示されます。
[priority] フィールドは、次のクエリを使用して CLI から手動で変更できます。
run sql update telecasterservice set priority = 1 where pkid = 'd0059763-cdcc-4be7-a2a8-bbd4aac73f63'
注:CUCM バージョン 7 では、優先度を設定していてもサービスはアルファベット順に表示されます。このフィールドは、CUCM バージョン 8 以降にのみ適用されます。IP Phone 7940/7960 では、内部サービス プロビジョニングは使用されません。この電話機モデルでは、外部サービス プロビジョニングが常に使用されます。サービス プロビジョニングのタイプの詳細については、「サービス プロビジョニングのパラメータ」のセクションを確認してください。
方法 2:IP Phone サービスを GUI から削除し、CLI コマンドを使用して再度追加する
- IP Phone サービスを GUI から削除します。
- IP Phone サービスを作成するには、CLI で次のコマンドを入力します。
run sql insert into telecasterservice (pkid,Name,NameASCII,Description,URLTemplate,tkPhoneService,EnterpriseSubscription,Priority) values('d0059763-cdcc-4be7-a2a8-bbd4aac73f63','Missed Calls','Missed Calls','Missed Calls','Application:Cisco/MissedCalls',1,'f',1)
他のすべてのサービスは、リリース ノートで確認できます。(エンタープライズ登録パラメータが 'f' に変更されていることを確認してください。 リリース ノートで、このパラメータは 't' に設定されています)詳細については、「http://www.cisco.com/en/US/partner/docs/voice_ip_comm/cucm/rel_notes/7_0_1/cucm-rel_notes-701.html#wp631159」を参照してください。
- ディレクトリ アクセスが必要な電話機の場合、一括更新を行うには、次の手順を実行します。
- 選択 [Bulk Administration] > [Phones] > [Phone Template]をクリックし、電話テンプレートを作成します。
- 電話テンプレートを IP Phone サービスに登録します。
- 選択 [Bulk Administration] > [Phones] > [Update Phones] > [Query]を選択し、ディレクトリアクセスが必要な電話機を選択します。
- 次のページで、 IP Phoneサービスの割り当て チェックボックスにマークを付けます。
- 作成されたテンプレートを選択します。
- ジョブを送信します。
注:CUCMリビジョン7では、優先度が設定されていても、サービスはアルファベット順に表示されます。このフィールドは、CUCMバージョン8以降でのみ適用されます。IP Phone 7940は内部サービスプロビジョニングを使用しません。この電話モデルは常に外部サービスプロビジョニングを使用します。サービスプロビジョニングのタイプの詳細については、「サービスプロビジョニングパラメータ」セクションを参照してください。
サービス プロビジョニングのパラメータ
サービスプロビジョニングパラメータは、電話機がサービス設定を内部的に受信するか(TFTP設定ファイルでIP Phoneサービスとして設定されたサービス)、外部から受信するか(サービスURLを使用して、エンタープライズパラメータまたはデバイスレベルで設定)を決定します。このパラメータは、IP Phoneの[共通の電話プロファイル]設定を使用してデバイスレベルで制御できます。このデフォルトの動作では、内部サービス プロビジョニングが使用されます。
方法 1:共通の電話プロファイルを作成し、サービス プロビジョニングを外部 URL に変更する
- 共通の電話プロファイルを作成するには、[Device] > [Device Settings] > [Common Phone Profile] の順に選択します。
- [Standard Common Phone Profile] をコピーします。 [Phone Personalization Information] セクションで、[Service Provisioning] を [External URL] に変更します。
- ディレクトリ アクセスを必要としない電話機を選択し、それらに新しい共通の電話プロファイルを割り当てます。
- [System] > [Enterprise Parameters] を選択し、URL ディレクトリ パラメータを削除します。
- デフォルトでは、「URLメッセージ」フィールドは空白に設定されています。次のURLを入力します。http://<パブリッシャのIPアドレス>:8080/ccmcip/getmessagesmenu.jsp。ボイスメールアクセスはIP Phoneサービスではなく外部URLに基づいているため、メッセージURLが必要です。
- IP Phone を再起動します。
- Directories ボタンを押します。「No Services Available」というメッセージが表示され、メニューは表示されません。
注:この方法では、ボイスメールアクセスは2つのボタンで構成されるプロセスです。Voicemail ボタンを押してから、Keypad/Select ソフトキーを使用して、ボイスメールのオプションを選択します。共通の電話プロファイルを使用する代わりに、[Device Configuration] ページで直接設定することもできます。
方法 2:デバイス レベルの URL ディレクトリ パラメータを削除する
URL ディレクトリ パラメータは、デバイス レベルで削除できます(エンタープライズ パラメータで行う代わりに)。
- 共通の電話プロファイルを作成するには、[Device] > [Device Settings] > [Common Phone Profile] の順に選択します。
- 「Standard Common Phone profile」をコピーします。 [Phone Personalization Information] セクションで、[Service Provisioning] を [External URL] に変更します。
- ディレクトリ アクセスを必要としないすべての電話機に、作成した共通の電話プロファイルを割り当てます。
- [Phone Configuration] ページで無効な URL を追加します。この設定は、[Enterprise Parameter] の設定よりも優先されます。
- [System] > [Enterprise Parameters] を選択します。[URL Messages] フィールドはデフォルトで空白に設定されています。次の URL を追加します。http://<パブリッシャのIPアドレス>:8080/ccmcip/getmessagesmenu.jsp。ボイスメールアクセスがIP Phoneサービスではなく外部URLに基づくようになったため、この手順が必要です。
- IP Phone を再起動します。
この方法では、Directories ボタンを押すと、電話画面に「Host Not Found」というメッセージが表示されます。
注:この方法では、ボイスメール アクセスは 2 つのボタンのプロセスです。Voicemail ボタンを押してから、Keypad/Select ソフトキーを使用して、ボイスメールのオプションを選択します。共通の電話プロファイルを使用する代わりに、[Device Configuration] ページで直接設定することもできます。
方法 3:サービス プロビジョニングと URL ディレクトリを [Enterprise Parameter] で設定する
- [Enterprise Parameter] で、[Service Provisioning] を [Both] に設定します。
- URL ディレクトリを次の形式で設定します。http://<パブリッシャ サーバの IP アドレス>:8080/ccmcip/xmldirectory.jsp
- [Device] > [Device Settings] > [Phone Services] の順に選択し、ボイスメールを除くすべてのサービスを削除します。
- ディレクトリ アクセスを必要としないすべての電話機について、[Service Provisioning] パラメータを [Internal] に設定します。
- すべての IP Phone をリセットします。
注:サービス プロビジョニングは、サービス プロビジョニングのパラメータの最初の 2 つの例で分かるように、共通の電話プロファイルで設定することもできます。この方法では、[Directories] に次の順序で 5 つのオプションがあります。Missed Calls、Received Calls、Placed Calls、Personal Directory、および Corporate Directory。
方法 4:ディレクトリ URL を外部 Web アプリケーションでホストする
この方法では、Directories ボタンを押すときに表示されるオプションが限定されます。
この例では、個人用ディレクトリ・オプションは使用できません。ディレクトリURLは外部Webアプリケーション・サーバーでホストされます。
- 次の内容で .xml ファイルを作成します。
<CiscoIPPhoneMenu>
<MenuItem>
<Name>Missed Call</Name>
<URL>Application:Cisco/MissedCalls</URL>
</MenuItem>
<MenuItem>
<Name>Received Call</Name>
<URL>Application:Cisco/ReceivedCalls</URL>
</MenuItem>
<MenuItem>
<Name>Placed Call</Name>
<URL>Application:Cisco/PlacedCalls</URL>
</MenuItem>
<MenuItem>
<Name>Corporate Directory</Name> <URL>Application:Cisco/CorporateDirectory</URL>
</MenuItem>
</CiscoIPPhoneMenu>
テンプレートのコピーを取得するには、Cisco Unified IP Phone サービスのアプリケーション開発解説の「CiscoIPPhone XML オブジェクトのクイック リファレンス」セクションを参照してください。CiscoIPPhoneMenu オブジェクトのテンプレートをコピーします。
- Web アプリケーション サーバのドキュメント ルートに上記 .xml ファイルをアップロードします。
- 該当のサービスを再起動します(Windows の場合は、IIS サービスを再起動します)。
- [Call Manager] で [System] > [Enterprise Parameters] の順に選択して、URL ディレクトリ パラメータを次の形式で指定します。
http://<アプリケーション サーバの IP アドレス>/<上のステップで作成したファイル名>.xml
- [Enterprise Parameter] セクションで、[Service Provisioning] を [Both] に設定します。
- [Device] > [Device Settings] > [Phone Services] の順に選択し、ボイスメールを除くすべてのサービスを削除します。
- ディレクトリ アクセスを必要としない電話機について、[Service Provisioning] パラメータを [Internal] に設定します。
- IP フォンをリセットします。
注:サービス プロビジョニングは、「サービス プロビジョニングのパラメータ」のセクションの最初の 2 つの例と同様に、共通の電話プロファイルで設定することもできます。
方法 5:ディレクトリ URL を外部 Web アプリケーションでホストし、メッセージをカスタマイズする
この方法は、方法 4 と似ています。ただし、「No Services Configured」というメッセージをカスタマイズできます。
この方法では、Directories ボタンをクリックするときに表示されるオプションが限定されます。次の例では、オプションの [Personal Directory] が使用できず、ディレクトリ URL は外部 Web アプリケーション サーバでホストされます。
- 次の内容で .html ファイルを作成します。これは、カスタマイズできるメッセージです。
No Services Configured
- Web アプリケーション サーバのドキュメント ルートにこの .html ファイルをアップロードします。
- 次の内容で .xml ファイルを作成します。
<CiscoIPPhoneMenu>
<MenuItem>
<Name>Missed Call</Name>
<URL>Application:Cisco/MissedCalls</URL>
</MenuItem>
<MenuItem>
<Name>Received Call</Name>
<URL>Application:Cisco/ReceivedCalls</URL>
</MenuItem>
<MenuItem>
<Name>Placed Call</Name>
<URL>Application:Cisco/PlacedCalls</URL>
</MenuItem>
<MenuItem>
<Name>Corporate Directory</Name>
<URL>Application:Cisco/CorporateDirectory</URL>
</MenuItem>
</CiscoIPPhoneMenu>
テンプレートのコピーを取得するには、Cisco Unified IP Phone サービスのアプリケーション開発解説の「CiscoIPPhone XML オブジェクトのクイック リファレンス」セクションを参照してください。CiscoIPPhoneMenu オブジェクトのテンプレートをコピーします。
- Web アプリケーション サーバのドキュメント ルートに上記 .xml ファイルをアップロードします。
- 該当のサービスを再起動します(Windows の場合は、IIS サービスを再起動します)。
- [Call Manager] で [System] > [Enterprise Parameters] の順に選択して、URL ディレクトリ パラメータを次のように指定します。
http://<アプリケーション サーバの IP アドレス>/<上のステップで作成したファイル名>.xml
- [Enterprise Parameter] セクションで、[Service Provisioning] を [Both] に設定します。
- ディレクトリアクセスを必要としない電話機を選択します。このセクションの[External Data Locations Information] > [Directory] で、次のURLを追加します。http://<Application ServerのIPアドレス>/<File name created above>.html
- [Device] > [Device Settings] > [Phone Services] の順に選択して、ボイスメールを除くすべてのサービスを削除します。
- IP Phone をリセットします。
注:Directories ボタンを押すと、「No Services Configured」というメッセージが、前の各方法で示した画面下部のメッセージとしてではなく、ディレクトリに表示されます。
方法 6:IP Phone サービスを削除したくない場合に方法 4 または方法 5 を変更する
IP Phone サービスを削除したくない場合は、次の変更を行って方法 4 または方法 5 を実行します。
- [Enterprise Parameter] セクションで、[Service Provisioning] を [External] に設定します。
- [System] > [Enterprise Parameters] を選択します。[URL Messages] フィールドは、デフォルトでは空に設定されています。次の URL を追加します。
http://<パブリッシャの IP アドレス>:8080/ccmcip/getmessagesmenu.jsp
注:この方法では、ボイスメール アクセスは 2 つのボタンのプロセスです。ボイスメールのオプションを選択するには、Voicemail ボタンを押し、Keypad/Select ソフトキーを使用します。