内容

概要

このドキュメントでは、Video Communication Server(VCS)での証明書認証について説明します。VCS を識別する証明書には、その VCS を認識してトラフィックのルーティング先とする名前が含まれています。この目的で VCS が複数の名前で認識される場合(クラスタの一部となっている場合など)、X.509 のサブジェクト データで、そのことを表す必要があります。証明書には、VCS 自体とその VCS が一部となっているクラスタの両方の完全修飾ドメイン名(FQDN)が含まれている必要があります。証明書がクラスタ ピアで共有される場合、考えられるすべてのピア FQDN をリストする必要があります。

VCS の証明書は次の目的で必要になります。

VCS は信頼された認証局(CA)証明書のリストおよび関連する証明書失効リスト(CRL)を使用して、VCS に接続する他のデバイスを検証します。

前提条件

要件

このドキュメントに特有の要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。

背景説明

VCS リリース 8.1.1 では、コラボレーション エッジ モバイル リモート アクセス(MRA)機能をサポートするため、VCS-Control と VCS-Expressway 間に TLS 接続が必要です。

TLS を設定するには、VCS に必要な証明書をアップロードする必要があります。それには、次の 3 つの方式があります。

VCS-Control と VCS-Expressway 間の TLS 接続には、次の 2 つの属性が必要です。

OpenSSL については『VCS 証明書導入ガイド』で説明しているので、このドキュメントではエンタープライズ CA 方式に重点を置きます。

CA をインストールすると、デフォルトで Web サーバ証明書がインストールされます。ただし、このテンプレートを使用して VCS-Control と VCS-Expressway 間の TLS 接続用証明書を生成することはできません。Web サーバ属性だけで生成された証明書を VCS にアップロードしようとすると、以下に示すエラーが発生します。

サーバ証明書を確認するには、[Maintenance] > [Server Certificate] を選択します。[Decode Certificate] をクリックします。[Extended Key Usage] セクションを確認します。

設定

前述のとおり、TLS 接続にはクライアント属性と Web サーバ属性が必要です。デフォルトのテンプレートはないので、新規のテンプレートを作成できます。TLS クライアント認証と TLS Web サーバ認証の両方の属性を持つ新規テンプレートを生成するには、以下の手順に従います。

  1. [Certificate Authority] を開くか、Microsoft Management Console(MMC)コンソールに移動します。[Add/Remove Snapin] をクリックし、[Certificate Authority] を選択します。左ペインで CA を展開し、[Certificate Template] を選択します。証明書テンプレートを右クリックし、[Manage] を選択します。

  2. [Web Server] 証明書テンプレートを右クリックし、[Duplicate Template] を選択します。.

  3. [Windows Server 2003 Enterprise] オプション ボタンをクリックします(テンプレートを Web 登録で使用可能にする場合)。 [OK] をクリックします。

  4. [Template display name] フィールドにテンプレート名を入力します。テンプレートには要件に応じた名前を付けます(たとえば、「web server client 2003」)。

  5. [Extensions] タブをクリックし、[Application policy] を選択します。[Edit] をクリックします。

  6. [Add Application Policy] ダイアログボックスで、[Client Authentication] を選択します。[OK] をクリックします。

  7. [Edit Application Policies Extension] ダイアログボックスで、[OK] をクリックします。

  8. MMC コンソールまたは CA ウィンドウで、[Certificate Template] を右クリックします。[New] > [Certificate Template to Issue] を選択します。

  9. [Enable Certificate Templates] ダイアログボックスで、新しく作成したテンプレートを選択します。[Intended Purpose] 列でテンプレートを確認します。[OK] をクリックします。

確認

ここでは、設定が正常に機能しているかどうかを確認します。

次のステップを実行します。

  1. 新しい証明書を発行するために、要求した証明書テンプレートが使用可能であることを確認します。

    注:テンプレートが Web 登録で使用可能になるのは、証明書テンプレートを作成する際に、テンプレートを Windows 2003 として選択した場合のみです。

  2. 手順に従って、VCS から証明書署名要求(CSR)を生成し、新しいテンプレートで署名された証明書を取得します。
  3. 取得した証明書に、クライアント属性と Web サーバ属性の両方があることを確認します。

トラブルシュート

ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。

テンプレートを Web 登録で使用できない場合は、certsrv にアクセスするユーザに必要な権限が割り当てられているかどうかを確認します。

前述したように、Windows 2008 のテンプレートは Web 登録では使用できません。詳細については、『2008 Web 登録およびバージョン 3 テンプレート』を参照してください。