実際には正常に機能しているハードウェアを交換することで、貴重な時間とリソースが無駄になることがよくあります。このドキュメントは、Cisco 7200 シリーズ ルータに関する潜在的なハードウェアの問題をトラブルシュートする際に役立ちます。また、ルータに現れるエラーの種類に応じて、ハードウェア障害の原因になっている可能性のあるコンポーネントを特定する場合にも役立ちます。
注:このドキュメントは、ハードウェアの問題と誤認されやすい問題を除き、ソフトウェア関連の障害は取り上げていません。
Cisco 7200 シリーズ ルータには、一つの Network Processor Engine(NPE; ネットワーク プロセッサ エンジン)または Network Services Engine(NSE; ネットワーク サービス エンジン)と、入出力(I/O)コントローラ カードが搭載されており、7206/7206VXR シャーシに最大 6 つの Port Adapter(PA; ポート アダプタ)を装備できます。
Cisco 7200 シリーズ ルータのアーキテクチャについての詳細は、『Cisco 7200 シリーズ ルータのアーキテクチャ』を参照してください。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
この文書の情報は、特定の Cisco IOS(R) ソフトウェア リリースに固有のものではなく、7200 シリーズ ルータで動作するすべての Cisco IOS ソフトウェア バージョンに適用されます。
この文書は、標準シャーシおよび VXR シャーシの 7200 シリーズ ルータ(7202、7204/7204VXR、7206/7206VXR を含む)に関するトラブルシューティングを取り扱っています。
uBR7200 シリーズ プラットフォームに関するハードウェアのトラブルシューティングについては、『Cisco uBR72xx/uBR7246 VXR ユニバーサル ブロードバンド ルータのハードウェア トラブルシューティング』を参照してください。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
新しいカードやモジュールを取り付けたり、Cisco IOS ソフトウェア イメージをインストールする場合には、ルータに十分なメモリがあることや、そのハードウェアやソフトウェアと使用する機能との間に互換性があることを確認する必要があります。
ハードウェアとソフトウェアの互換性やメモリの要件についてチェックするには、次の推奨手順を実行してください。
Software Advisor ツール(登録済みのお客様専用)を使用して、ご使用中のネットワーク デバイス用のソフトウェアを選択します。
ヒント:
「機能に対するソフトウェアのサポート」(登録ユーザ専用)のセクションでは、実装する機能のタイプを選ぶことで、必要な Cisco IOS ソフトウェア イメージを判別できます。
Cisco IOS ソフトウェアまたは Cisco IOS ソフトウェア イメージのダウンロードに必要な最低限のメモリ量(RAM およびフラッシュ)をチェックするには、ダウンロード(登録ユーザ専用)を使用してください。ルータ装備のメモリ量(RAM およびフラッシュ)を判別するには、『メモリ要件』を参照してください。
ヒント:
ルータ上で現在稼働しているバージョンと同じ機能を維持する必要があるものの、使用している機能セットが分からない場合は、ルータ上で show version コマンドを入力し、これをアウトプットインタープリタ(登録ユーザ専用)ツールにペーストして確認してください。特に最新のソフトウェア機能を使用しようとする場合は、機能サポートについて確認することが重要です。
Cisco IOS ソフトウェア イメージを新しいバージョンまたは機能セットにアップグレードする必要がある場合、詳細は、『Cisco IOS ソフトウェア リリースの選択方法』を参照してください。
Cisco IOS ソフトウェアのアップグレードが必要と判断された場合には、Cisco 7200 シリーズ ルータに関する『ソフトウェア インストールおよびアップグレード手順』に従ってください。
Cisco 7200 シリーズ ルータの新旧モデル上でのブート イメージ アップグレードについての詳細は、『オーバーサイズの Cisco 7200/uBR 7200 ブート イメージ』を参照してください。
エラー メッセージ デコーダ(登録ユーザ専用)ツールを使用すると、エラー メッセージの意味を確認できます。エラー メッセージは通常、次の形式でシスコ製品のコンソールに表示されます。
%XXX-n-YYYY : [text]
次にエラー メッセージの例を示します。
Router# %SYS-2-MALLOCFAIL: Memory allocation of [dec] bytes failed from [hex], pool [chars], alignment [dec]
エラー メッセージには、単なる通知もあれば、ハードウェアやソフトウェアの障害を示していて対処する必要のあるものもあります。エラーメッセージ デコーダ(登録ユーザ専用)ツールでは、メッセージの説明、推奨処置(必要な場合)、およびエラー メッセージに関する詳細なトラブルシューティング情報を提供するドキュメント(利用可能な場合)へのリンクが提供されます。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
原因を特定するための最初のステップは、その問題について可能な限り多くの情報を収集することです。問題の原因を特定する上で不可欠な情報には、次のようなものがあります。
Crashinfo ファイル:ルータがクラッシュすると、ファイルがI/Oコントローラのブートフラッシュに保存されます。そのファイルには、クラッシュの発生原因に関する詳細な情報が含まれています。詳細は、『Crashinfo ファイルからの情報の取得』を参照してください。
コンソール ログと syslog 情報:複数の現象が発生している場合、その原因となる問題を特定する上で、この情報は非常に重要です。コンソールのログを表示するためにご使用のコンピュータを設定する方法の詳細は、『コンソール接続用ターミナル エミュレータの正しい設定』を参照してください。syslog サーバにログを送信するようにルータを設定していれば、発生している問題に関する情報を確認できます。詳細は、『syslog に関する Cisco デバイスの設定方法』を参照してください。一般的には、logging enabled を設定して、ルータのコンソール ポートに直接接続するのが最もよい方法です。
show technical-support:show technical-support コマンドは、show version、show running-config、および show stacks などの複数のコマンドを 1 つにまとめたものです。Cisco 7200 で問題が発生したときは、通常、この情報の提供を Cisco Technical Assistance Center(TAC)から求められます。ルータのリロードまたは電源のオフ/オンを行ってしまうと、問題に関する情報がすべて失われてしまうため、show technical-support は必ずリロードまたは電源のオフ/オンを行う前に実行して取得してください。
完全なブート シーケンス(ルータでブート エラーが発生している場合)
ご使用の Cisco デバイスの、show コマンドの出力データがあれば、 表示します。使用 登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。
実際にはハードウェアの問題ではないにもかかわらず、ハードウェアの問題と誤解されることがある問題がいくつかあります。たとえば、新しいハードウェアのインストール後に起こった障害は、必ずしもハードウェアの問題とは限りません。また、ルータが応答を停止する、あるいは「ハング」することもその例の 1 つです。
次の表に、誤解を招きやすい問題についての症状、説明、およびトラブルシューティング ステップを示します。
症状 | 説明 |
---|---|
ルータがハングする | ルータでルータ ハングが発生する場合があります。ハングとは、ルータが特定の箇所までブートした後、コマンドやキーストロークをいっさい受け付けなくなった状態を指します。つまり、コンソール画面が特定の箇所で停止します。ハングは必ずしもハードウェアに問題があるわけではなく、多くの場合ソフトウェアに問題があります。ご使用のルータでルータ ハングが発生している場合、『トラブルシューティング:ルータがハングする場合』がこの問題のトラブルシューティングに役立ちます。 |
Port Adapter(PA; ポート アダプタ)が認識されず、コンソールに次のようなメッセージが表示される。 %PA-2-UNDEFPA: Undefined Port Adapter type 106 in bay 2 |
ブート イメージは、SA-ISA または SA-VAM などの暗号化エンジンをサポートしません。いずれかの暗号化エンジンがシャーシに挿入されている場合、「Undefined Port Adapter」メッセージが起動時に表示され、メインの暗号化 Cisco IOS ソフトウェア イメージがロードされている場合にだけ、カードが検出されます。それに加えて、ブートの処理速度が 1 ~ 2 分遅くなります。これは予想される動作であり、ルータの操作には影響ありません。 |
Bad CPU ID エラー メッセージ | Bad CPU ID エラー メッセージは、通常 Cisco IOS ソフトウェア(通常、ブート イメージ)が NPE-300/NPE-400 または VXR シャーシを認識できないために発生します。この問題については、『「Bad CPU ID」メッセージの原因』を参照してください。この問題は、Cisco IOS ソフトウェアまたはブート イメージを、認識されないハードウェアを、サポートしているバージョンにアップグレードすれば解決します。 |
CPU 使用率が非常に高い | この症状については、ハードウェアの問題が原因である場合もありますが、それ以上に、ルータの設定に誤りがあるか、またはネットワーク上の何かが問題を引き起こしている可能性が高いです。この症状をトラブルシューティングするには、『Cisco ルータの CPU 使用率が高い場合のトラブルシューティング』が参考になります。 |
メモリ割り当てエラー:SYS-2-MALLOCFAIL | ハードウェアの問題が原因でメモリ割り当てエラーが起こることはほとんどありません。メモリ割り当てエラーに関するトラブルシューティングのヒントは、『トラブルシューティング:メモリの問題』に記載されています。 |
ルータのクラッシュ | クラッシュの原因は、必ずしもハードウェアの不良とは限りません。クラッシュの原因がソフトウェアにあるかどうかを判断するには、『トラブルシューティング:ルータのクラッシュ』が役立ちます。 |
%PLATFORM-3-PACONFIG および %C7200-3-PACONFIG エラー メッセージ | これらのエラー メッセージは、多くの場合、誤ったポート アダプタの設定が原因です。「%PLATFORM-3-PACONFIG」および「%C7200-3-PACONFIG」エラーメッセージの原因参照してください。 |
%SYS-3-CPUHOG メッセージの原因 | この文書は、%SYS-3-CPUHOG エラー メッセージの原因と、そのトラブルシューティング方法について説明しています。 |
バッファ リーク | バッファ リークは、Cisco IOS ソフトウェアの不具合です。バッファリークには2種類あります:固定インターフェイス バッファリークとシステム バッファリークの 2 種類があります。show interfaces および show buffers コマンドは、発生しているバッファ リークの種類を判別するのに役立ちます。詳細は、『バッファ リークのトラブルシューティング』を参照してください。 |
バス エラー クラッシュおよびバス エラー例外 System restarted by bus error at PC 0x30EE546, address 0xBB4C4または ** System received a Bus Error exception** |
プロセッサから、メモリ上に存在しない位置(ソフトウェアのエラー)または正しく応答できない位置(ハードウェアの問題)へのアクセスが行われると、バス エラーが発生します。 この問題に関する詳細は、『バス エラー クラッシュに関するトラブルシューティング』を参照してください。 |
SegV 例外 System restarted by error - a SegV exceptionまたは ** System received a SegV exception ** |
この問題についての詳細は、『SegV 例外』を参照してください。 |
エラーによるシステム再起動 Software-forced crashまたは ** System received a Software forced crash ** |
ルータによって深刻で修復不可能なエラーが検出されると、ソフトウェアによる強制クラッシュが発生し、破損したデータの送信を防止するためにリロードが実行されます。この問題に関する詳細は、『ソフトウェア強制クラッシュについて』を参照してください。 |
%ERR-1GT64120 (PCI0):重大エラー、メモリ パリティ エラー | 任意の読み取りまたは書き込み操作時に不良パリティを伴なうデータがあれば、C7200/NPE ルータ上の複数のパリティ チェック デバイスによってそのデータが報告されます。詳細は、『Cisco 7200 のパリティ エラーのフォールト ツリー』を参照してください。 |
%RSP-3-RESTART:interface [xxx], output stuck/frozen/not transmitting Messages | 詳細は、「%RSP-3-RESTART:interface [xxx], output stuck/frozen/not transmitting メッセージの原因についてこのタイプのエラーメッセージのトラブルシューティングを行います。 |
Online Insertion and Removal(OIR; ホットスワップ) | 詳細は、『Cisco ルータでのホットスワップ(OIR)サポート』を参照してください。 |
これは最も一般的なエラーの 1 つであり、多くの場合誤って解釈されるタイプのエラーです。適切なトラブルシューティングが実行されない場合、不必要なダウンタイムの原因となる場合があります。
このセクションの目的は、Cisco IOS で検出可能なパリティ エラーの形式を説明することです。また、「ハード パリティ エラー」(障害のあるハードウェアまたは破損したハードウェアが原因で再発するエラー)、および「ソフト パリティ エラー」(障害のあるハードウェアまたは破損したハードウェアが原因ではない、DRAM セル内で管理する一時的な変化)の解読または診断方法も説明しています。 ハードウェアの交換が解決とはならない、「ソフト パリティ エラー」による現場からの返品が多く見受けられます。
パリティ エラーが初めて発生する場合、「ソフト パリティ エラー」なのか「ハード パリティ エラー」なのかを見分けることは不可能です。 過去の事例からすると、ほとんどのパリティ エラーはソフト パリティ エラーで、通常は再発しない可能性があります。最近、何らかのハードウェア変更、またはシャーシの移動を行っている場合には、問題が発生した部品(DRAM、SRAM、NPE、PA)を挿し直してみてください。 複数のパリティ エラーが頻発する場合は、ハードウェアに障害があることを意味します。後述のトラブルシューティングの手順を使用して、問題が発生した部品(DRAM、PA、VIP、またはマザーボード)を交換する必要があります。
このプラットフォームの概要については、『Cisco 7200 シリーズ ルータのアーキテクチャ』を参照してください。
Cisco 7200 シリーズでは、NPE 上で DRAM、SDRAM、および SRAM メモリが使用され、その組み合わせ NPE のモデルによってさまざまです。
PCIバス:Cisco 7200には3つのPCIデータバスがあります。PCI 0、PCI 1、およびPCI 2。PCI 1およびPCI 2は、NPEからミッドプレーンまで拡張され、メディアインターフェイス(ポートアダプタ)とNPE上のCPUおよびメモリを相互接続します。PCI 0 は独立しており、I/O コントローラ上のメディア インターフェイスおよび PCMCIA を、NPE 上の CPU およびメモリに接続するために使用されます。PCI 0、PCI 1、および PCI 2 では、25 MHz の動作でそれぞれ最大 800 Mbps の帯域幅が提供されます。
I/Oコントローラ:コンソール接続、補助接続、NVRAM、ブートROM、ブートフラッシュ、および内蔵インターフェイスコントローラ(イーサネットまたはファストイーサネットインターフェイス)を提供します。 I/O コントローラでは、PCI バス 0 を介して PCMCIA カード スロット内のフラッシュ メモリ カードへのアクセスも提供されます。
I/Oバス:I/Oコントローラ上の非PCIコンポーネント(コンソールポート、AUXポート、NVRAM、ブートROM、およびブートフラッシュ)をCPUとNPEに相互接続します。
DRAM パリティ エラー(一時的な障害(アルファ粒子)またはハード障害)
SRAM パリティ エラー(一時的な障害またはハード障害)
プロセッサ内部キャッシュ パリティ例外(命令キャッシュまたはデータ キャッシュ)
インターフェイス プロセッサによる MEMD(SRAM)への不良パリティの書き込み
バス パリティ エラー(CMD、アドレス、またはバス トランザクションのデータ部分でのエラー)
製造上の欠陥(はんだ付け不良、不良トレース、コールドはんだ接続など)
さまざまなパリティ エラー メッセージを識別する際の、トラブルシューティングを行い、Cisco 7200 の問題のある部分やコンポーネントを特定する手順を見るには、『Cisco 7200 のパリティ エラーのフォールト ツリー』を参照してください。
パリティ エラー報告についての詳細は、『プロセッサ メモリ パリティ エラー(PMPE)』を参照してください。
エラーが発生した部分を特定する方法の 1 つは、コンソール ログおよび show version コマンド出力の「restart reason」を確認することです。
DRAM でのパリティ エラー
クラッシュ後に手動でルータをリロードしていなければ、show version 出力は次のように表示されます。
System restarted by processor memory parity error at PC 0x601799C4, address 0x0 System image file is "flash:c4500-inr-mz.111-14.bin", booted via flash
ご使用の Cisco デバイスの、show コマンドの出力データがあれば、 表示します。使用 登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。
crashinfo ファイルがある場合や、コンソール ログをキャプチャしている場合は、次のような出力も得られます。
*** Cache Error Exception *** Cache Err Reg = 0xa0255c61 data reference, primary cache, data field error , error on SysAD Bus PC = 0xbfc0edc0, Cause = 0xb800, Status Reg = 0x34408007
DRAM でパリティ エラーが繰り返し発生する場合は、DRAM またはシャーシに障害があります。最近シャーシを移動したか、ハードウェア構成を変更したのであれば、DRAM チップを差し直すことで問題が解決することがあります。そうでない場合は、まず DRAM を交換します。これにより、パリティ エラーの発生を防止できます。ルータのクラッシュが続く場合には、このセクションの情報をすべて試み、Cisco TAC を参照した上で、シャーシを交換します。
SRAM でのパリティ エラー
クラッシュが発生した後に手動でルータをリロードしていなければ、show version の出力は次のようになります。
System restarted by shared memory parity error at PC 0x60130F40 System image file is "flash:c4500-inr-mz.111-14.bin", booted via flash
crashinfo ファイルがある場合や、コンソール ログをキャプチャしている場合は、次のような出力も得られます。
*** Shared Memory Parity Error *** shared memory control register= 0xffe3 error(s) reported for: CPU on byte(s): 0/1
または
%PAR-1-FATAL: Shared memory parity error shared memory status register= 0xFFEF error(s) reported for: CPU on byte(s): 0/1 2/3
または
*** Shared Memory Parity Error *** shared memory control register= 0xffdf error(s) reported for: NIM1 on byte(s): 0/1 2/3
注:エラーがCPUで報告された場合は、SRAMを交換してください。NIM(x)のエラーが報告される場合は、スロット(x)のネットワーク モジュールを交換します。 スロット(x)に割り当てられている SRAM にも影響が出ている可能性があるため、SRAM を交換する必要があることもあります。たいていの場合、SRAM で繰り返し発生するパリティ エラーは、SRAM チップに欠陥があるか、SRAM に不正なパリティを書きこんだネットワーク モジュールに欠陥がある可能性が高いことを示しています。最近シャーシを移動したか、ハードウェア構成を変更したのであれば、ネットワーク モジュールと SRAM チップを挿し直せば問題が解決することがあります。または、コンソール ログでエラーが報告されているところ(上記出力例を参照)をチェックしてください。
詳細は、次のリンクを参照してください。
%IP-3-LOOPPAK:Looping packet detected and droppedエラーメッセージは、検出されたループパケットのために受信されます。一般的な原因は、IP ヘルパー アドレスの設定ミスです。ヘルパー アドレスは、目的のサービスのサーバと同じアドレスである必要があります。ヘルパー アドレスにルータのアドレスを設定すると、ルーティングのループが発生します。
推奨処置は、ループしているパケットの発信元と宛先のアドレスを調べ、ルータの IP ヘルパー アドレスの設定が正しいデバイスを指していて、ローカルのルータ自体を指していないことを確認することです。
プロセッサから、メモリ上に存在しない位置(ソフトウェアのエラー)または正しく応答できない位置(ハードウェアの問題)へのアクセスが行われると、バス エラーが発生します。ルータの電源のオフ/オンや、手動でのリロードを行っていなければ、ルータの show version コマンドの出力から、バス エラーを特定できます。
この問題は、ハードウェアまたはソフトウェアに関連している可能性があります。そのようなエラー メッセージの例を次に示します。
*** System received a Bus Error exception *** signal= 0xa, code= 0x18, context= 0x6206b820 PC = 0x606e356c, Cause = 0x6020, Status Reg = 0x3400800
これに続き、ルータのリロードが発生します。ただし、場合によっては、ルータはクラッシュとリロードのループ状態となり、このループを抜け出すために手動の介入が必要となります。詳細は、『トラブルシューティング:バス エラー クラッシュ』の「バス エラー例外によるブート時のループのトラブルシューティング方法」を参照してください。
次のステップを実行して、ハードウェア関連の問題かどうかを調べます。
ルータの電源を落として、ユニットから PA を取りはずします。ルータの電源を投入し、問題が引き続き発生するかを確認します。
システムが正常にリロードできるようなら、ルータに 1 つずつ PA を取り付けて、正常にインストールできているか(バスエラー例外が発生しないか)みてみます。
システムが正常にリロードせず、リブートし続けるか、Bus Error Exception メッセージが繰り返し表示される場合は、エラーの根源を突きとめるためにさらに調査を進める必要があります。I/O コントローラや NPE の内部に問題がある場合や、ソフトウェア エラーの場合が考えられます。この問題についての詳細は、『トラブルシューティング:バス エラー クラッシュ』を参照してください。
Cisco 7200 シリーズ ルータの電源をオフ/オンしても、リブートが継続的に繰り返される場合は、おそらくハードウェアになんらかの障害が発生しています。次のトラブルシューティングの手順を実行してください。
NPEとI/Oコントローラカードを除くすべてのカードを取り外します。then power-cycle the router.
それでも動作しない場合は、ルータに有効なイメージが格納されているかを確認します。そのためには、ルータのコンソール ポートに直接接続する必要があります。ブートアップが始まってから 60 秒以内にブレーク キーを送信すると、ROMmon モードになります。このモードから『ROMmon 回復手順』の手順に従って、復旧を試みます。
それでもルータがブートせず、なおかつルータに有効なイメージが格納されていることが確認された場合は、おそらく NPE または I/O コントローラ カード(あるいはその両方)が故障しています。ただし、故障箇所が NPE または NSE のメモリのみに限られている場合もあります。この場合はメモリを交換します。
それでもルータが動作しない場合は、I/O コントローラを交換します。
それでもルータが動作しない場合は、NPE または NSE を交換します。
NPE による違い | NPE-G2 | NPE-G1 | システム パフォーマンスへの影響 |
バースト サイズ | バースト サイズはプログラマブルではなく、常にシステムのキャッシュ ラインのサイズに依存 | バースト サイズは MAC レジスタによってプログラマブル | キャッシュ ラインの境界を越えるパケットについてはスループットに違いが生じる場合あり(たとえば、32B のキャッシュ ライン サイズの場合の 128/129B) |
インタラプト コアレシング | 純粋にタイマーの有効期限に依存 | タイマーと送受信したパケットの数の両方を使用 | 低いレート(pps)の場合には、余分な遅延が発生する可能性がある(使用順) |
出力ポートの飽和 | 再ペアレンティングとキューイング | 再ペアレンティングとキューイング | IOS 動作、およびポートが飽和した後の CPU への影響あり |
キャッシュ ライン サイズ | キャッシュ ライン サイズに相当するデータを受信した際に RX DMA がシステムの I/O メモリへのデータの移動を開始 | バースト サイズによって制御 | キャッシュ ラインの境界を越えるサイズのパケットに対するスループットが低下(キャッシュ ライン サイズの n 倍 + 1) |
割り込みレベルの処理 | 外部 I/O のため CPU コアの速度の 1/10 まで(たとえば、システム バスの速度) | CPU コアの速度(非常に高速) | 割り込みレベルを大きく変化させる機能(IPS/FW など)でも、2 倍のパフォーマンスにはならない |
7200 シリーズ ルータで、ルータ ハングが発生する場合があります。ハングとは、ルータが特定の箇所までブートした後、コマンドやキーストロークをいっさい受け付けなくなった状態を指します。つまり、コンソール画面が特定の箇所で停止します。
ハングは必ずしもハードウェアに問題があるわけではなく、多くの場合ソフトウェアに問題があります。ご使用のルータにルータ ハングが発生している場合、『トラブルシューティング:ルータがハングする場合』を参照してください。
詳細は、『帯域幅および帯域ポイントの要件』を参照してください。
Cisco 7200シリーズルータは、このセクションに記載されているガイドラインを超えるポートアダプタ設定で使用できます。ただし、ルータの使用中に異常が発生するのを防ぐために(たとえば、High CPU(Slooky performance))、このセクションのリンクに記載されているガイドラインと、インストールしたハードウェアに基づいて、ルータに取り付けるポートアダプタの種類を制限することを強く推奨します。
注:ご使用のポートアダプタの設定は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)がCisco 7200シリーズルータで発生している異常のトラブルシューティングを行う前に、上記のガイドラインの範囲内である必要があります。
技術的に言えば、7200 上で帯域ポイントを超えるべきではありません。これはバス キャパシティの問題ではなく、瞬間的なバス帯域幅およびメモリ遅延のよるものです。つまり、これは CPU 負荷の問題ではなく、バス帯域幅が問題となります。あるポイントにおいて(パケットのスループットに関係なく)、すべてのポート アダプタにデータが存在するため、同時にすべてのポート アダプタからメモリ要求を受けます。この場合、PCI バス コンテンションのため、オーバーランあるいは PCI バス タイムアウトが発生するより先にすべての PA を処理することは保証できません。
別の問題は、SRAM 割り当てへの影響です。SRAM のブロックは制限されており、最初の 3 つのファースト インターフェイスに分割されているので、ご使用のファースト インターフェイスの 1 つは、DRAM メモリ プールを使用する必要があります。これは、このインターフェイスのメモリ遅延を増大させ、オーバランが発生することがあります。(これは NPE-150 および NPE-200 だけに該当することに注意してください)。
ポート アダプタでは、シャーシおよび NPE または NSEから、さまざまなタイプのリソースが使用されます。帯域幅によって、ポート アダプタのリソース要件が規定されます。帯域幅には、速度、メモリ、CPU 要件、および PCI バス帯域幅などの変数が含まれています。長年にわたるネットワーク処理エンジンのアーキテクチャの変更により、ポート アダプタの帯域幅要件を規定する 2 つの方法が開発されました。これらの方法は、表1-6の「帯域幅リソース要件」列および「帯域幅ポイント」列に反映されます。ただし、これらの列の情報は、次の項の情報と一緒に検討する必要があります。
トラブル シューティング リソースのリストを次に示します。
シリアル インターフェイスのトラブルシューティングに使用する参照リストを示します。
交換が必要なコンポーネントが特定されたら、Cisco パートナーまたは販売代理店に連絡して、問題の原因となっているハードウェア コンポーネントの交換を依頼してください。Cisco と直接サポート契約を結んでいる場合は、TAC Service Request Tool を使用して(登録ユーザ専用)TAC ケースをオープンし、ハードウェアの交換を依頼してください。必ず次の情報を添付してください。 |
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改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
09-Mar-2009 |
初版 |