NX-OS用MSDPを使用したエニーキャストRPの設定

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Updated: 2024 年 5 月 2 日

Document ID:221962

偏向のない言語

この製品のドキュメントセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このドキュメントセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージの取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。

翻訳について

シスコは世界中のユーザにそれぞれの言語でサポートコンテンツを提供するために、機械と人による翻訳を組み合わせて、本ドキュメントを翻訳しています。ただし、最高度の機械翻訳であっても、専門家による翻訳のような正確性は確保されません。シスコは、これら翻訳の正確性について法的責任を負いません。原典である英語版（リンクからアクセス可能）もあわせて参照することを推奨します。

内容

はじめに

前提条件

要件

使用するコンポーネント

背景説明

設定

ネットワーク図

MSDP前のユニキャストとマルチキャストの設定

ネットワーク内のすべてのRPでのMSDPピアリングの設定

確認

トラブルシュート

MSDPピアリングがリスニングステートでスタックしている

マルチキャスト(S、G)が共有されていない

はじめに

このドキュメントでは、NX-OSモードで動作するNexusスイッチでMSDPを使用してエニーキャストRPを設定する方法について説明します。

前提条件

要件

次の項目に関する知識があることが推奨されます。

NX-OSユニキャストルーティング
NX-OSマルチキャストルーティング
Multicast Source Discovery Protocol（MSDP）
エニーキャストランデブーポイント(Anycast RP)

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな（デフォルト）設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。

このドキュメントの情報は、NXOSバージョン9.3.9が稼働するCisco Nexus 9000に基づくものです。

背景説明

プロトコルのAnycast-RPは、同じルーティングドメイン内の2つ以上のPIMルータ間でRPの役割を共有するためにより一般的に使用されますが、MSDPも使用できます。

設定

ネットワーク図

注：上の図では、青のリンクはレイヤ2インターフェイスとしてラベルが付けられ、赤のリンクはレイヤ3インターフェイスとしてラベルが付けられています。

MSDP前のユニキャストとマルチキャストの設定

MSDPを設定する前に、RPを含むすべてのレイヤ3 Nexusスイッチでユニキャストとマルチキャストを設定する必要があります。この例では、すべてのレイヤ3インターフェイスでEIGRPが設定されており、送信元から受信側へのICMP pingが成功しています。

IGMPはデフォルトでレイヤ3インターフェイスに設定されます。ただし、レイヤ3インターフェイスでPIMを有効にし、RP-1とRP-2で使用する予定のrp-addressを静的に設定する必要があります。

FHR-1:
feature pim

ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 224.0.0.0/4

interface Vlan87
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/7
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/9
  ip pim sparse-mode

FHR-2:
feature pim

ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 224.0.0.0/4

interface Vlan87
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/7
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/9
  ip pim sparse-mode

RP-1:
feature pim

ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 224.0.0.0/4

interface loopback0
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/53
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/54
  ip pim sparse-mode

RP-2:
feature pim

ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 224.0.0.0/4

interface loopback0
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/53
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/54
  ip pim sparse-mode

LHR-1:
feature pim

ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 224.0.0.0/4

interface Vlan5
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/53
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/54
  ip pim sparse-mode

LHR-2:
feature pim

ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 224.0.0.0/4

interface Vlan5
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/53
  ip pim sparse-mode

interface Ethernet1/54
  ip pim sparse-mode

ネットワーク内のすべてのRPでのMSDPピアリングの設定

エニーキャストRPセットのメンバである各Nexusスイッチは、他のすべてのNexusスイッチとピアを確立するように設定する必要があります。この例では、RP-1とRP-2はどちらもピアとして設定されています。

RP-1:
feature msdp

ip msdp originator-id loopback1
ip msdp peer 10.1.1.3 connect-source loopback1
ip msdp mesh-group 10.1.1.3 rp-mesh

interface loopback0
  description Anycast RP Address
  ip address 10.1.1.1/32
  ip router eigrp 1
  ip pim sparse-mode

interface loopback1
  description MSDP Originator ID
  ip address 10.1.1.2/32
  ip router eigrp 1

RP-2:
feature msdp

ip msdp originator-id loopback1
ip msdp peer 10.1.1.2 connect-source loopback1
ip msdp mesh-group 10.1.1.2 rp-mesh

interface loopback0
  description Anycast RP Address 
  ip address 10.1.1.1/32
  ip router eigrp 1
  ip pim sparse-mode

interface loopback1
  description MSDP Originator ID
  ip address 10.1.1.3/32
  ip router eigrp 1

注：この例では、interface loopback1がMSDPピアリングに使用され、PIMには使用されていません。このため、ip pim sparse-modeをloopback1インターフェイスに設定する必要はありません。ただし、loopback1インターフェイスでPIM希薄モードを有効にしても問題はありません。

確認

Connection StateがEstablishedのとき、MSDPピアリングは正しく設定されています。(S,G)s Receivedのカウンタの増加を確認できます。

RP-1# show ip msdp summary 
MSDP Peer Status Summary for VRF "default"
Local ASN: 0, originator-id: 10.1.1.2

Number of configured peers:  1
Number of established peers: 1
Number of shutdown peers:    0

Peer            Peer        Connection      Uptime/   Last msg  (S,G)s
Address         ASN         State           Downtime  Received  Received
10.1.1.3        0           Established     01:33:54  never     1

注：ネットワーク内にマルチキャストが存在しない場合、(S,G)s Receivedのカウンタは0のままです。

トラブルシュート

MSDPピアリングがリスニングステートでスタックしている

show ip msdp summaryコマンドは、接続状態がリスニング状態であることを示しています。

RP-1# show ip msdp summary 
MSDP Peer Status Summary for VRF "default"
Local ASN: 0, originator-id: 10.1.1.2

Number of configured peers:  1
Number of established peers: 0
Number of shutdown peers:    0

Peer            Peer        Connection      Uptime/   Last msg  (S,G)s
Address         ASN         State           Downtime  Received  Received
10.1.1.3        0           Listening       00:03:27  never     0

この問題の考えられる原因は次のとおりです。

MSDPが正しく設定されていません。
接続障害が発生したため、MSDPピアは相互に到達できませんでした。

この例では、設定が正しいと仮定して、10.1.1.2と10.1.1.3の間の潜在的なパケット損失のトラブルシューティングにethanalyzerを使用できます。

注:Ethanalyzerの詳細については、「NexusシリーズスイッチでEthanalyzerキャプチャを実行する方法」を参照してください。

マルチキャスト(S、G)が共有されていない

接続状態が確立されていても、(S,G)受信回数が増加していない場合は、MSDPが正しく設定されていない可能性があります。この動作の最も可能性の高い原因は、重複したrpアドレスが検出されたために、(S,G)が廃棄されていることです。

RP-1# show ip msdp event-history events | i looping
2023 Sep 22 12:13:15.106735 msdp [26860]: : Possible looping SA or duplicate RP address exists, RP 10.1.1.1, entry count: 1, length 20, message discarded
2023 Sep 22 12:10:10.314695 msdp [26860]: : Possible looping SA or duplicate RP address exists, RP 10.1.1.1, entry count: 1, length 20, message discarded
2023 Sep 22 12:09:08.352690 msdp [26860]: : Possible looping SA or duplicate RP address exists, RP 10.1.1.1, entry count: 1, length 20, message discarded
2023 Sep 22 12:08:06.688953 msdp [26860]: : Possible looping SA or duplicate RP address exists, RP 10.1.1.1, entry count: 1, length 20, message discarded
2023 Sep 22 12:07:04.403736 msdp [26860]: : Possible looping SA or duplicate RP address exists, RP 10.1.1.1, entry count: 1, length 20, message discarded

デフォルトでは、Nexusスイッチはoriginator-idとしてrp-addressを使用するように設定されています。ただし、これにより各MSDPピアが同じoriginator-idを使用するため、(S,G)が廃棄されます。

この例では、originator-idが設定されていない場合、エニーキャストRPが動作するために一意のIPである必要があるときには、loopback0からのrp-address 10.1.1.1がoriginator-idとして使用されます。

RP-1:
feature msdp

ip msdp peer 10.1.1.3 connect-source loopback1
ip msdp mesh-group 10.1.1.3 rp-mesh

interface loopback0
description Anycast RP Address
ip address 10.1.1.1/32
ip router eigrp 1
ip pim sparse-mode

interface loopback1
description MSDP Originator ID
ip address 10.1.1.2/32
ip router eigrp 1

RP-2:
feature msdp

ip msdp peer 10.1.1.2 connect-source loopback1
ip msdp mesh-group 10.1.1.2 rp-mesh

interface loopback0
description Anycast RP Address
ip address 10.1.1.1/32
ip router eigrp 1
ip pim sparse-mode

interface loopback1
description MSDP Originator ID
ip address 10.1.1.3/32
ip router eigrp

originator-idは、MSDP summary showコマンドで確認されます。

RP-1# show ip msdp summary 
MSDP Peer Status Summary for VRF "default"
Local ASN: 0, originator-id: 10.1.1.1 <--- rp-address from loopback0 is used for the originator-id

Number of configured peers:  1
Number of established peers: 0
Number of shutdown peers:    0

Peer            Peer        Connection      Uptime/   Last msg  (S,G)s
Address         ASN         State           Downtime  Received  Received
10.1.1.3        0           Established     01:33:54  never     0

RP-2# show ip msdp summary 
MSDP Peer Status Summary for VRF "default"
Local ASN: 0, originator-id: 10.1.1.1 <--- rp-address from loopback0 is used for the originator-id

Number of configured peers:  1
Number of established peers: 0
Number of shutdown peers:    0

Peer            Peer        Connection      Uptime/   Last msg  (S,G)s
Address         ASN         State           Downtime  Received  Received
10.1.1.2        0           Established     01:33:54  never     0

注:MSDPが、BGP自律システム(AS)間のピアに使用され、rp-addressが通常は異なる場合、originator-idはデフォルトのままにしておくことができます。ただし、エニーキャストRPにMSDPが使用される場合、originator-idは各MSDPピアで一意である必要があります。

この問題を解決するには、一意のoriginator-idが使用されるように、両方のMSDPピアでip msdp originator-id loopback1を設定する必要があります。

改定	発行日	コメント
2.0	02-May-2024	初版リリース
1.0	02-May-2024	初版

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