eXRを実行するルータのXR VMへのshow tech-supportファイルの転送

はじめに

このドキュメントでは、64ビットCisco IOS® XRが稼働するルータ上の管理仮想マシン(VM)からXR VMにshow tech-supportファイルを転送する方法について説明します。

前提条件

要件

次の項目に関する専門知識があることが推奨されます。

• 64ビットCisco IOS® XRを実行するルータ

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。

• 64ビットCisco IOS XRを実行するASR 9010。

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな（デフォルト）設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。

背景説明

Cisco IOS XR 64ビットアーキテクチャについて

Cisco IOS XR 64ビットOSには、次の2つのタイプがあります。

• VMベースの64ビットソフトウェア：
• サポートされるプラットフォーム：ASR 9000、NCS 6000、NCS 5500
• VM OSはホストOSとは別です。

このアーキテクチャには、次の共通コンポーネントが含まれています。

• ホスト（ハイパーバイザ）：ホストは、ハイパーバイザとして機能する、基盤となる64ビットオペレーティングシステムです。XR VM/LXCとAdmin VM/LXCがハイパーバイザ上で起動します。また、libvirtやdockerなどのコンテナ/VMデーモンを実行して、XRおよびCalvadosインスタンスを生成します。
• XR VM:Cisco IOS XRコントロールプレーンプロセスは、隔離されたVM/LXC内で実行されます。このVM/LXCには、Cisco IOS XRコントロールプレーンプロセス（BGP、ISIS、OSPF、内部データベース、APIなどのプロトコルスタック）が含まれています。XR VMは独自のカーネルを持ち、XR VM内でlibvirtデーモンとdockerデーモンを実行します。ユーザLXC/Dockerコンテナは、LXCベースのプラットフォームとは異なり、XR VM内で生成されます。LXCベースのプラットフォームでは、ユーザコンテナはホストカーネル上で生成されます。
• Admin VM:Calvadosと呼ばれるAdmin VM/LXCは、ホストレイヤが起動した後に起動する最初のインスタンスです。したがって、管理VM/LXCはXR VM/LXCのライフサイクルの処理に役立ちます。Calvadosの主な目的は、複数のCisco IOS XRインスタンスを生成することで、同じルータでマルチテナントを有効にすることです。これらのインスタンスは、個別の論理ルータ(Secure Domain Router(SDR))として機能します。

仮想マシン(VM)は、すべてのルータプロセッサ(RP)とラインカード(LC)で動作しています。

Admin VMとXR VMプロンプトの比較

XR VMプロンプトの例：

RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9010-B-eXR#

Admin VMプロンプトの例：

最初に、adminコマンドを実行して管理モードに入り、Enterキーを押す必要があります。

RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9010-B-eXR#admin

sysadminで始まるプロンプトが表示される場合、これはAdmin VMプロンプトであることを意味します。

sysadmin-vm:0_RSP1#

XR VMでのshow tech-supportファイルの作成

この例ではshow tech-support installを使用していますが、これは使用可能なすべてのshow tech-supportファイルに適用されます。

ステップ 1：show tech-support installコマンドを実行します。

RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9010-B-eXR#show tech-support install
Wed Sep 27 00:18:42.772 IST
++ Show tech start time: 2023-Sep-27.001843.IST ++
Wed Sep 27 00:18:47 IST 2023 Waiting for gathering to complete
..........................................................................
Wed Sep 27 00:22:57 IST 2023 Compressing show tech output
Show tech output available at 0/RSP1/CPU0 : /harddisk:/showtech/showtech-ASR-9010-B-eXR-install-2023-Sep-27.001843.IST.tgz
++ Show tech end time: 2023-Sep-27.002305.IST ++

ステップ 2：ルータがプロセスを完了したら、ファイルのロケーションパスを確認できます。

harddisk:/showtech/showtech-ASR-9010-B-eXR-install-2023-Sep-27.001843.IST.tgz

ファイルのパスはharddisk:/showtech/

このファイルは、コマンドdir harddisk:/showtech

RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9010-B-eXR#dir harddisk:/showtech
Wed Sep 27 00:24:23.412 IST
Directory of harddisk:/showtech
   177 -rw-r--r--. 1 24750015 Sep 27 00:22 showtech-ASR-9010-B-eXR-install-2023-Sep-27.001843.IST.tgz

Admin show tech-supportファイルの場合は、最初にファイルをXR VMに移動してから、FTP/TFTPまたはUSB経由で転送する必要があります。

管理VMでのadmin show techファイルの作成とXR VMへの転送

ステップ 1：管理モードに入ります。

RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9010-B-eXR#admin
Wed Sep 27 00:25:07.481 IST

ステップ 2：Admin VMプロンプトが表示されたら、show tech-support installファイルを作成する必要があります。

sysadmin-vm:0_RSP1# show tech-support install
Tue Sep  26 18:55:16.993 UTC+00:00
++ Show tech start time: 2023-Sep-26.185517.UTC ++
Waiting for gathering to complete
.......
Compressing show tech output
Show tech output available at /misc/disk1//showtech/showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz
 Please collect show tech-support ctrace in addition to any sysadmin show-tech-support  collection
++ Show tech end time: 2023-Sep-26.185646.UTC ++

show tech-supportファイルが管理モードで作成されたときに別のパスを使用していることがわかります。

/misc/disk1//showtech/showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz

また、/showtechフォルダの/misc/disk1/パーティションにあります。これは基本的にXR VMのharddisk:パーティションと同じですが、単に別の名前で呼ばれ、Admin VMがXR VMとは異なるため、別の場所にあります。

Admin VMプロンプトからコマンドdir harddisk:/showtechを実行する場合、show tech-supportファイルがあります。

sysadmin-vm:0_RSP1# dir harddisk:/showtech
Tue Sep  26 18:57:45.356 UTC+00:00
total 11468
129557 -rw-r--r--. 1 11012583 Sep 26 18:56 showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz
129552 -rw-r--r--. 1   727473 Sep 22 02:07 showtech-fpd-admin-2023-Sep-22.020621.UTC.tgz
9553016 kbytes total (3916872 kbytes free)

ステップ 3：Admin VMのharddisk:/showtechパスでファイルが見つかったので、XR VMにコピーする必要があります。

このファイルは、XR VMのharddisk:のルートに転送できます。または、最初に作成したharddisk:/showtechと同じ場所に転送することもできます。

copy <source path> <destination path>コマンドを使用する必要があります。

sysadmin-vm:0_RSP1# copy harddisk:/showtech/showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz harddisk:/showtech/ location 0/RSP1/CPU0/VM1
Tue Sep  26 19:04:54.193 UTC+00:00
Copying harddisk:/showtech/showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz to harddisk:/showtech/
showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz                                                                                                                                                                 100%   11MB  10.5MB/s   00:00   
File copied successfully

ステップ 4：ファイルがコピーされたら、管理モードを終了し、harddisk:/showtechディレクトリを確認して、ファイルが存在することを確認します。

RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9010-B-eXR#dir harddisk:/showtech
Wed Sep 27 00:36:51.042 IST
Directory of harddisk:/showtech
   177 -rw-r--r--. 1 24750015 Sep 27 00:22 showtech-ASR-9010-B-eXR-install-2023-Sep-27.001843.IST.tgz
   179 -rw-r--r--. 1 11012583 Sep 27 00:36 showtech-install-admin-2023-Sep-26.185517.UTC.tgz

ファイルがXR VMに正常にコピーされたので、FTP/TFTPサーバまたはUSBメディアを使用して転送できます。

関連情報

• シスコテクニカルサポートおよびダウンロード