Interview 経営企画

Interview 経営企画
2014 年に 2 社の合併によって誕生した損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、企業規模と従業員数の大幅な拡大を経て、今後に向けた成長の基盤を整えてきました。2016 年度からの新たな中期経営計画では「未来革新プロジェクト」をスタートさせてさらなる成長を図り、「最もお客様に信頼される損害保険会社」を目指してさまざまな施策に取り組んでいます。社内のコミュニケーションを活性化させて組織力を強めていく「働き方の革新」もその 1 つです。そこで活用する ICT 基盤も刷新し、日本国内のすべての拠点を対象に 500 台以上の Cisco TelePresece シリーズを導入しました。より使いやすく、高品質なコミュニケーションの基盤を確立したことで、日々の業務にも大きな変化が表れています。
合併によって拡大した組織の中で いかにコミュニケーションを活性化させるか
「損保ジャパンと日本興亜が合併した新会社として、働き方を変革する、これからの働き方はどうあるべきかということを考えることになりました。これが今回のビデオ会議システム導入にもつながる問題意識の始まりです。合併で組織の規模が非常に大きくなり社員も大幅に増えましたが、それまで違う会社の文化で仕事をしてきた人たちが一緒に過ごし働いていくなかで、現場のコミュニケーションをどのように活性化させて会社を成長させていくかは重要なテーマでした。
お互いの疑問や不安を解消したり、助け合ったりすることが難しくなる職場が出ないかと危惧したのです。
合併した直後は、社員一人ひとりにしてみると、自分の置かれている環境はどちらかの会社の文化に寄ったものなのか? 全般的なことなのか、個別のことなのか? 何が標準なのか? ということがわからない状態になることが考えられました。そのため、会社として物事の判断軸や指針をあまねく伝えていくことが必要ですし、現場同士でもつながることができる環境づくりが不可欠だと考えるに至りました。
そして、いろいろな懸念の解消、問題の解決に向けて、新しいコミュニケーションのインフラ導入が必要ではないかという話につながったのです。」
以前の会議システムは 社内に馴染んでいなかった
「もともと Web 会議システムはありました。ただ、損保ジャパンと日本興亜ではインフラ基盤を含め異なるシステムを導入していました。PC とインターネット回線利用の組み合わせにより、当社の社員には操作が難しく、また音声と画像の品質がユーザを満足させられるレベルには至らなかったことから、社内では利用率を高められなかったのが実態でした。PC のモニタの上にカメラを載せて使うタイプだったため、大人数が集まって会議をするスタイルになりにくく、自席で PC に向かって話すというスタイルも敬遠される傾向がありました。また、そのシステムの導入にあたってはセキュリティを優先したため通信速度も遅く、さまざまな面でユーザにとって使いにくいものになっていました。
これまでは、直接会いに行けばよいという考え方が主流でしたが、物理的な移動にはコスト、時間、頻度の問題があり、会える人も限定されてしまいます。ビデオ会議なら、そうした点を気にせずにつながることができるので、そこが大きなメリットでした。」
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
要望はただ 1 つ 「本当に良いシステムを入れたい」
「新しいコミュニケーション インフラ(システム)の選定では、前のシステムの反省もあり、確実なものを入れたいという気持ちが強くありました。2016 年 4 月からの中期経営計画では『成長』というテーマを前面に出していますが、そのスタートと新システムの導入のタイミングがちょうど重なることになりました。コミュニケーションのインフラについてもしっかり投資し、社員一人ひとりを会社がしっかりサポートしていくことで、『これから自分たちの会社は本当に変わり、新しい世界に向けてどんどん成長していくんだ』というメッセージを社員に伝えたかったのです。
具体的な製品の選定はシステム部門のプロの目で見極めてもらうことにし、こちらからは『誰が使っても本当に良いものと実感できるシステムであること』『ユーザー本位を徹底し、社員が失望することがないこと』だけを強く申し入れました。会社から社員へ送るメッセージとして、皆に納得してもらえる良いシステムであるということが選定基準の重要なポイントでした。
システム部門でシスコの採用がほぼ決定という見通しが立ってきた段階で、社内の各部門から代表者を集めてシスコのショールームを訪問し、実機に触れる機会を設けました。やはり、早い段階で実物を知ってもらうことが大事だと思います。」
社内のさまざまなアイデアが反映 活用次第で可能性はさらに広がる
「コミュニケーションを促進するこうしたツールは、どれくらいの期間で初期コストを回収できるか、導入後の業務コストをどの程度削減できるかという効率化の側面で語られることが多いと思います。しかし、我々はコミュニケーションの促進に必要な費用を先行投資として考えました。
社内のいろいろな声を聞きながら、直感的に「いいね」と思ったものに対して実現に向けて取り組むアプローチも大切ではないでしょうか。
今回は現場に対しても、検討段階から『日々の業務や自分が立案している施策にどう活用できるか。そのメリットはどのようなものかを考えてほしい』と要望を出し、業務に役立つアイデアを多数出してもらいました。実際に利用を始めて数ヵ月ですが、そこで出てきたアイデアがうまく取り入れられるようになってきた印象はあります。皆で喧々諤々やりながらコストやメリットを分析し、それを事業費の予算にどのように反映するかといったこともまとめていきました。
システムを導入する際は、具体的な活用のビジョンを描きつつ、数字で語る理屈の部分も必要です。導入にあたり旅費予算を大きく削減することでビデオ会議システムを活用せざるを得ない環境を作り出すとともに、予算削減に伴う支出の減少で初期コストを早期に回収する見通しを立てました。その先は、現場の活用次第で可能性はいくらでも広がる、会社の成長に向けた投資になるということを話して、経営陣から了承を得られました。今はシステムの活用状況を見ながら、早々に投資を回収する段階になってきていると改めて実感しています。」
有田 秀生 氏
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
経営企画部 企画グループ
特命課長
有田 秀生 氏 損害保険ジャパン日本興亜株式会社経営企画部 企画グループ特命課長